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起業の先人に学ぶ
笑いを取った社員が勝ち! 非体育会体質で営業力を強化【新日本電気サービス】

オール電化工事などを手がける新日本電気サービスは2002年の設立だが、今期には年商40億円を見込んでいる。設立当初は定着しなかった営業マンは、営業活動の分業化にとって定着した。さらに「世界一のオモシロ会社」にしようとの方針で、さまざまな社内イベントを開催。営業主導型の急成長企業によくみられる体育会体質ではなく「笑いを取った社員が勝ち!」という社風をつくりあげている。

都築博志代表取締役 都築博志(つづき ひろし)
1976年生まれ。フリーターを経て24歳で父親の経営する電気店に入社。2002年(有)近畿電気サービス設立。2006年に(株)新日本電気サービスに社名変更。同年、関西電力よりオール電化住宅普及拡大コンテスト最優秀賞を受賞。
著書「24才・時給750円の私がベンチャー経営で劇的成長できた理由」(明日香出版社刊)

目次

営業の分業化で、訪問件数を1日200件から3件に削減

――設立当初は採用に苦労するものですが、御社ではどんな苦労がありましたか。
会社を設立した当時、私には人を採用した経験もなければ、部下をもった経験もありませんでした。優秀な人が大手企業に就職することすら知らず、求人広告を出せばワンサカと応募があり、その中から選べるものと思っていました。
ところが現実はそうではありませんでした。面接日に連絡もなしに来なかったり、採用通知を出しても出社しなかったりと、そんな事態が続いたのです。しかし私は、運が悪いだけで、世の中が悪いと思っていました。世の中は酷い人たちばかりだ、いい加減な人たちばかりだと。
――何が原因で、そこまでの事態に直面したのですか。
見た目が悪すぎました。当時はオフィスがなく、父の経営していた電気店の中で採用面接を行なっていたのです。たぶん店の前まで来たのに、嫌になって、そのまま帰ってしまった応募者もいたのではないでしょうか。
すぐにオフィスが必要だと、店の裏に家賃5万円の1DKの文化住宅を借りました。しかし、エントランスのついたオフィスでないと採用に支障が出ることがわかり、その後、引っ越しました。
――当時、給与はどのように設定したのでしょうか。
毎月18万円の固定給プラス歩合で、「月収50万円以上も可能」と説明していました(笑)。また賞与については、年間の支給額分をあらかじめプールしておいて、それを2カ月おきに支給していました。
これは辞めさせないための措置だったのです。2カ月おきに支給すれば、受け取った後に次の2カ月を目指して頑張ろうという気になるだろうと考えたわけです。
――社員が定着するようになったのは3年前とうかがっていますが、きっかけは何でしたか。
ビジネスモデルを変えたことです。それまでは飛び込み営業で1日200件を訪問することで、2件の契約獲得を標準としていました。それをテレマーケティングでアポイントをとり、営業マンは契約を獲得するクロージング業務に専念する体制に切り替えました。
その結果、営業マンの訪問件数は1日5件に減り、いまでは1日3件となりました。1件につき2時間近くかけて詳しい説明ができるようになりましたが、午後7時には帰社できています。営業マンの負担が減ったことで、モチベーションは高まりました。

採用の基準は価値観に合うか合わないか

――御社は今年で設立5期ですが、年商40億円に達しようとする水準にまで成長しました。短期間に成長する販売会社には体育会系の体質が多いですが、御社はそうではありませんね。
体育会的ではありません。当社には、私をふくめて部下を怒鳴り散らすような人はいません。気合いと根性で仕事をしているのではありませんし、また怒鳴られるようなことをする人も当社にはいません。当社は自立した優秀な人を採用しています。
私は「自立した人間」を次のように定義しています。
  1. 楽しく仕事のできる人間である。
  2. 会社を優先して考えられる人間である。
  3. 仕事で結果を出す人間である。
  4. 絶対に言い訳をしない人間である。
  5. 自分の力を信じられる人間である。
  6. 即断・即行動できる人間である。
  7. ナンバーワンを目指す人間である。
――採用では何を重要視していますか。
当社の価値観に合うかどうかです。どんなに優秀でも、どんなに前の会社で実績をあげていても、当社の価値観に合わなければ力を発揮できません。採用面接では、価値観に合うかどうかを見極めるための質問をいくつか投げかけています。
たとえば「宝くじに当たったら何に使いますか」、「会社選びで大切にしていることは何ですか」、「お金と健康のどちらが大切ですか」、「前職でもっともモチベーションの上がったことは何ですか。下がったことは何ですか」、「これまでの最大の失敗は何ですか」など。
――いろいろなイベントを実施するなど、社風づくりにも力を入れていますね。
コンセプトは「世界一のオモシロ会社」です。私にもサラリーマン経験がありますが、私にとって会社は堅苦しくて窮屈でした。私語をかわしていると怒られるなど、会社は楽しいところか?と問われると、そうではありませんでした。
そこで、従来の会社とは違って、会社を楽しい場所にしようと考えたのです。本来、法律と道徳に反していなければ、人間は何をやってもいいと思っています。たとえば、私がぬいぐるみを着て朝礼に出ることもありますが、この行為は社員におもしろがってもらえています。道徳的にも問題がありませんよね?
当社は「笑いを取った社員が勝ち」と考えて、笑うことを大切にしています。仕事も人生も、毎日笑っていたい。イベントは社員の発案で実施しています。全員がメガネを着用する日、その年に一番ジーンズの似合った人を表彰する「ベストジーニスト」、全社員に対する月5,000円の「エコ手当」。年末に開催される漫才大会では1位のチームに賞金100万円を進呈しています。

つねに30代の人間を社長にすえて活力を維持する

――そうしたイベントは社内を明るくするでしょうが、社員の年齢が上がっていけば、テンションの高さやノリのよさに対して、疲れを感じて引いてしまう人も出てくるのではないでしょうか。
それは感じます。私は今年31歳ですが、20代の社員に話題や趣味でついていけないと感じるときもあります。彼らと一緒にゲーム機を楽しむよりも、ビジネス書を読んでいたいなと思ったり・・・。また、社員旅行は海外に出かけていますが、以前なら全員が参加しました。いまでは参加しない社員もいます。
社員が増えるとイベントに対して盛り上がる社員だけではなくなるなど、葛藤はありますが、これはやむを得ないことだと思っています。
――しかし、社員の年齢が上がっても活力は維持しなければなりませんが。
つねにパワーのある会社にしておくためには、社長をつねに30代の人間が務めるようにしておきたいと考えています。しかも、当社を未来永劫発展し続ける会社にするためには、私はいつか辞めなければなりません。それならば早く辞めたほうがいい。
当社はエコビジネスのリーディングカンパニーをめざし、10年後に1,000億円企業にするという目標を掲げています。私は9年後に40歳になるので、その年までに引退しようと考えています。
――ありがとうございました。

2007年6月4日に新オフィスがオープン。都築社長は、オフィス環境を向上させれば優秀な人材を採用できるという考えを具現化させた2007年6月4日に新オフィスがオープン。都築社長は、オフィス環境を向上させれば優秀な人材を採用できるという考えを具現化させた

●会社概要

社名 株式会社新日本電気サービス
資本金 1,000万円
所在地 大阪市北区梅田1-11-4 大阪駅前第4ビル
TEL 0120-650-874
従業員 約490名(正社員約80名)
売上高 40億円(07年7月期見込み)
URL


掲載日:2007年8月17日

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