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0円から使えるスマートなiPad受付システム

来訪者が最初に目にする、いわば会社の顔とも言えるオフィスの受付。でも、人件費が大きく影響する中小企業の場合、立派な受付ロビーを作って、専属の受付スタッフを配置する、というのは難しいところがあります。しかしそれだけに、あまり気を配ることもできず、ともすれば飾り気のない、殺風景なスペースになってしまいがち。かといって企業規模に見合わない過剰な装飾を施すのは、かえって会社のイメージを損なってしまいかねません。

そこでおすすめなのが、クラウド型の受付システムを設置すること。受付周りの雰囲気がガラッと変わり、先進的なテクノロジーにも対応可能な、成長し続ける会社という印象を与えることもできるかもしれません。今回は大きなコストをかけずに使い始めることができ、スマートな受付を可能にするシステムを3種類、ご紹介します。

目次

10名以下の企業は無料の、シンプルな「RECEPTIONIST」

https://receptionist.jp/

「RECEPTIONIST」は、iPadを利用したクラウド型受付サービスです。iPadを受付に設置することで、来訪者がiPadの画面から訪問先の担当者を検索し、その担当者に対して来訪したことを知らせることができる仕組みになっています。内線電話のような音声通話機能はないため設定は難しくなく、ハードウェアのコストもほとんどiPadだけで済むのがうれしいところです。

来訪者から訪問相手への通知は、定型メッセージになります。メールか、あらかじめ設定したチャットツールの特定のルーム(チャンネル)、あるいはチャットの担当者ID宛にメッセージが送られるので、誰かが取り次ぐことによるタイムラグや伝え忘れが発生することもありません。Slack、チャットワーク、LINE WORKSなど、主要なビジネス向けチャットツールに対応します。

訪問者宛の事前通知メール。記載のコードを受付で入力するだけでスムーズに担当者を呼び出せます
訪問者宛の事前通知メール。記載のコードを受付で入力するだけでスムーズに担当者を呼び出せます

担当者側であらかじめ来訪者と来訪予定日時を登録しておき、来訪者宛に受付コードを発行することもできます。この受付コードは、当日受付でiPadの画面に入力してもらうことで、担当者を検索する手間なしに、スムーズに受付処理できるようになるものです。来訪履歴は自動で記録され、誰がいつ来社したのか後から確認することも可能です。セキュリティ意識が高い会社にとっても安心ではないでしょうか。

利用料金は、社員10名以下の登録なら無料。その後は50人ごとに月額5000円から、という形になります。とりあえずiPadが1台あれば、あとのコストはかけずに先進的な無人受付を仕立てられるのが魅力と言えるでしょう。

1名の個人事業主から規模の大きな企業まで対応する「ACALL」

https://www.acall.jp/

幅広い企業規模に対応可能な受付サービスが「ACALL」です。こちらも、受付に設置するのはiPad。来訪者はiPad上で担当者を検索して、来訪したことを通知します。通知に使用する定型メッセージは、メール送信はもちろんのこと、Slack、チャットワーク、Skype for Businessなどのビジネス向けチャットツールに対しても送信可能。有償プランではSMSや自動音声通知、FaceTimeを使った音声会話にも対応できます。

担当者があらかじめ来訪者と来訪予定日時を登録しておく「アポイント」機能では、来訪者に対してQRコードを発行できます。来訪者は受付のiPadでQRコードを読み取らせるだけで受付が完了するので、手間が最小限で済むのが利点。画面表示は日本語だけでなく英語にも対応し、海外からの訪問客が多い企業でも導入しやすいでしょう。来訪したときの受付(入館)時刻は自動で記録され、退館も担当者による管理画面の操作で記録可能なことから、個人情報保護法などコンプライアンスの関係上、来訪者の入館・退館をきっちり管理しなければならない企業にも向いています。

入館だけでなく退館もしっかり管理。QRコードで受付処理を簡単にすることもできます
入館だけでなく退館もしっかり管理。QRコードで受付処理を簡単にすることもできます

また、社員数が多い企業では、社内の人事データを扱う基幹システムと、受付システムが完全に分かれていると、管理作業が二度手間になるのが課題です。退職したはずの従業員が、いつまでも受付システムに残っている、なんてことにもなりかねません。こうした課題を解決する連携機能をもっているのもACALLの特徴。基幹システムがActiveDirectoryを採用していれば、例えば基幹システム側の人事データ、部署データの変更に同期するので、ACALL側の登録情報を手動で修正する必要はありません。

料金プランは、従業員15名までの「スターター」からホスト登録数が無制限の大企業向け「エンタープライズ」、シェアオフィス・コワーキングスペース向けの「シェアオフィス」など、社員数や使える機能によって複数用意されています。30日間は無料で利用できるので、自社に適したサービスかを試してみることもできます。

iPad台数制限なし、英語版ながらも親切機能盛りだくさんの「Envoy」

https://envoy.com/

フロアごとに受付がある、本社と工場が別の建物に入っている、などの理由で、受付を複数用意しなければならないケースもあるかもしれません。そういった企業でもコストを抑えながら使える受付システムが「Envoy」です。無料のプランでもiPadを台数制限なく利用できるので、フロアごと、建物ごとに受付がある場合でも、問題なく対応できます。訪問者がiPadの画面上で担当者を検索する、というのは他のサービスと同様ですが、通知方法には電子メールやSMSのほか、専用アプリをインストールしたスマートフォン宛のプッシュ通知も選択可能となっています。

訪問者宛の事前通知メールには、地図やスケジューラーに登録するリンクが記載されています
訪問者宛の事前通知メールには、地図やスケジューラーに登録するリンクが記載されています

担当者が、あらかじめ訪問者と訪問予定日時を登録しておく「Invites」機能は、訪問者に事前通知するメールに自社の地図が貼り付けられ、Google カレンダーなどに簡単に予定登録できるリンクも記載されているという親切設計。そのメールから「事前登録」できるようにもなっているのも訪問者にとってうれしい機能です。これにより、通常は訪問当日、受付のiPadで入力しなければならない自分の名前、入館時に求めるNDA文書へのサインを、事前に済ませておくことができます。

訪問を「事前登録」できるのも特徴。NDAへのサインなどが可能です
訪問を「事前登録」できるのも特徴。NDAへのサインなどが可能です

海外企業が開発したシステムのため管理画面の言語は英語になっていますが、iPadの画面については日本語表示に切り替えることも可能。来訪者へのメールテンプレートやNDA文書などは英語のままなので、その部分だけは独自に翻訳して登録する必要はあるものの、その手間を考慮しても使いたくなる、他の国産システムにはない魅力がたっぷりのサービスです。

3つのサービスの使いどころは?

今回ご紹介した3つのサービスのうち、特に「Envoy」は、受付が複数ある企業にとって導入しやすい、という点でわかりやすいシステムです。海外発のサービスのため、とっつきやすさの面で判断が分かれそうですが、訪問者にとっても便利な機能が数多くある点も考慮に入れて検討したいところです。

一方、日本製の「RECEPTIONIST」と「ACALL」は、社員数がそれほど多くない中小企業の視点から見ると、どちらを選んでも大差はないかもしれません。強いて言うなら、運用上も手間をかけずにシンプルに使いたい企業は「RECEPTIONIST」を、将来の大きな成長も見越している企業は「ACALL」を、それぞれ導入するのがベターと言えそうです。

いずれのサービスもiPadを利用するため、スマートな受付システムの実現のためにiPadを購入できるかどうか、という点が最初のハードルと言えます。ただし、受付システムは高い性能が要求されるものではないため、必ずしも最新のiPadを用意する必要はありません。業務で使わなくなった古いiPadを再利用する形でも、受付用としては十分にその役割を果たしてくれるはずです。