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ウェブ経営指南
アンケート分析の手法(1)
広く消費者の意見を集め、自社商品の改善に活かしたいと考えています。その際に、アンケート調査を実施するのですが、取得したデータをどのように分析して商品改善に活かすか思案しているところです。アンケートデータの分析の仕方について教えてください。
自社商品のポジショニングマップを作成されることを提案します。
男性

解説者

専門社会調査士 出口義和(でぐち・よしかず)
修士(経済学)。同志社大学経済学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。 金融機関の顧客満足度調査分析や消費者動向の調査研究などを行なっている。

目次

解説

企業が行なう消費者調査は、マーケットの実態と自社のポジションを把握し、そして、自社を目指す方向へ変えていくための施策を探るため、アンケート調査というかたちで数多く行なわれています。そして、適切な条件下での調査結果で得られたデータについては、適切な集計や統計分析などを行なうことで、企業経営に有益な様々な情報を得ることができます。

・評価点と重要度による分析
 最も簡単な方法として挙げられるのは、消費者がマーケットに対して持つ思い(重視する点)と自社に対して持つ思い(評価)を直接問いかけ、その結果をポジショニングマップという形で表現することでしょう。

たとえば、商品開発や商品改善をテーマとしている場合は、アンケートで「その商品において重要だと考えている項目」と「自社商品の各項目に対する評価」を問いかけます。そして、回答結果を集計し、横軸を「その商品において重要だと考えている項目」の集計値、縦軸を「自社商品の各項目に対する評価」の集計値(または平均値)とした図に、各項目の値をプロットします。これが、その商品に関する自社のポジショニングマップとなります。

このポジショニングマップの右上には、「マーケットで重視され、かつ、自社も評価の高い項目」が位置し、右下には「マーケットで重視されているが、自社は評価の低い項目」が位置します。すなわち、図の右上に位置する項目は、まさに自社の強みであると考えられ、図の右下に位置する項目は、自社の弱みであり至急改善を要する重要な項目であると考えられます。

「起業ABC/フォーマット」の「市場調査シート(活用例)」(PDF/48KB)では、「自家用車マーケットにおけるA社製自家用車のポジショニングマップ」の例が挙げられています。ここでは、「安全性」が図の右上、「燃費」が図の右下に位置しています。すなわち、この図からは、「安全性」を強みとしてアピールすると良く、「燃費」については至急改善を要すると判断されるわけです。

・評価点と重要度の推測による分析
 上記の方法で、「その商品において重要だと考えている項目」は回答者が自ら直接判断し選択するものでした。しかし、自ら判断し選択することが難しいような場合は、項目別の満足度と全体的な満足度を同時に聞くことで、重要度を推測することができます。
 上記の例で言えば、質問1において、各項目の満足度と全体的な満足度(総合満足度)について質問します。質問2は、上記の例と同じです。

<質問例>

次に、調査対象者全員の回答結果を基に、全体的な評価(総合満足度)と項目別評価との間の相関係数(※1)を計算し、これをポジショニングマップの横軸とします。

※1:2組のデータ間の相関関係(親和性)の強さを表す指標です。2組のデータの共分散をその2つの標準偏差で割って算出します。相関係数は-1以上+1以下の値を取り、+1に近いほど、2組のデータ間では正の相関関係(親和性)が強いと判断されます。

この例で言えば、「総合満足度と燃費評価の間の相関係数」「総合満足度評価と馬力評価の間の相関係数」といったように、それぞれに計算して、横軸の各項目の値とします。縦軸は「自社商品の各項目に対する評価」の集計値(または平均値)とします。この図に各項目の値をプロットし、これをこの商品に関する自社のポジショニングマップとします。

<ポジショニングマップ例>

横軸の意味は重要度を推測したものと考えることができます。重要度の推測には、厳密には偏相関係数(※2)を用いるのが良いと言えますが、項目数が多い場合は計算がかなり複雑になります。

また、商品の性質によっては全体的な評価として「総合満足度」という項目ではなく「購入意思」や「利用意思」などといった名称の項目で評価することもできます。その場合、ポジショニングマップの横軸は、購入意思(あるいは利用意思)と各項目別評価との間の相関係数(あるいは偏相関係数)となります。

このポジショニングマップ内の各位置の意味は前項と同じです。

※2:3組以上のデータ間において、純粋に2組のデータ間の相関関係のみを抽出し、その強さを表した指標です。相関係数同様、-1以上+1以下の値を取り、+1に近いほど、その2組のデータ間では正の相関関係(親和性)が強いと判断されます。

相関係数や偏相関係数の計算は、電卓を使っては複雑すぎますので、パソコンで表計算ソフトなどを使って行なうと良いでしょう。

掲載日:2013年12月 5日
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