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ウェブ経営指南
売上減少の原因究明と売上拡大の視点
都内にリラクゼーションサロンを経営しています。最近、売上が落ち込んできているのですが、低価格のマッサージを売りにするチェーン店が近隣にも多く出店してきたことが影響しているのではないかと考えています。対抗策として、新たな商品の販売やサービスの導入などを考えた方がよいのか、考えがまとまりません。どうすればよいかアドバイスをお願いします。
競合店の出現だけが売上減少の原因ではありません。まずは、自社と他社の現状を把握し、現状に即した対策を立てるようにしましょう。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。

目次

解説

成長しているマーケットには参入する企業も多く、競争が激化するにつれて、他社との差別化を図るべく様々な業態が展開されます。

貴社の店舗の周辺にも多くの競合店が出現しているとのことであり、おそらく店舗の売上に影響を及ぼしているものと考えられますが、売上が落ちこんでいる原因を競合店の出現だけによるものと決めつけてはいけません。
 売上の落ち込んでいる原因は、自社の店舗運営によることも考えられるからです。例えば、提供するサービスの質が低下していたり、接客が悪くなっていると顧客離れが進みます。これは競合店の出現とは関係なく、自社の運営レベルに原因があると言いえます。店舗を取り巻く外部環境について的確に把握し分析することは重要ですが、それだけでなく、自社の店舗にも問題がないか考えてみましょう。

【自社を知る】

売上は客数×客単価で算出されます。売上が減少している場合は、(1)客数が減少しているのか、(2)客単価が低下しているのか、(3)客数、客単価ともに減少しているのか、について分析し、客数や客単価が減少する要因について考えてみましょう。例えば、要因として以下のようなものが挙げられるでしょう。

<客数が減少する要因の例>
(1)既存顧客の減少

  • サービスレベルが低下している
  • 競合店に顧客を奪われている
  • 周辺の環境が変化した(オフィスの移転、住人の転居など)
  • 来店頻度が落ちてきている

(2)新規顧客の減少

  • 営業活動ができていない
  • 店舗について悪い評判が広がっている
  • 店前通行量が減少している
  • 販促効果が落ちてきている

<客単価が減少する要因の例>
(1)単価の低いサービスが多く利用されている
(2)利用時間が短くなっている
(3)オプションサービスが利用されていない

営業活動や販売促進の効果は数値で把握することができるため検証しやすいのですが、データを取得していなければ検証することはできません。活動の効果測定は常に行いましょう。

サービスレベルの低下や来店頻度の落ち込みは自社では客観的に判断しにくいため、来店客にアンケートを実施して確認する方法もあります。アンケートを実施するのであれば、サービスについての感想だけでなく、また来店したいか、他の人に紹介したいか、誰に紹介したいか、などについても確認すると様々な要素でデータを分析することができます。

【他社を知る】

店舗周辺環境については巡回することで把握することができます。様々な店舗を見て回り、他店がどのようなメニューを提供しているのか、どのくらいの店舗面積があるのか、サービスレベルはどの程度なのか、どのような客層なのか、などについて定期的に確認しておく必要があります。

実際に自らが利用客として訪問して施術を受けることで他店の状況を研究する会社も数多く存在します。生活サービス業を展開するある会社では、直営店の店長が店舗周辺にある競合店を月一回利用することが義務付けられています。そこで、競合店の利用客やキャンペーンの内容など、いくつかのチェック項目を確認することで競合店の動向を把握しています。

また、調査会社を利用して、競合企業を調査する方法もあります。自社が生き残るためには競合企業に打ち勝たなければなりませんが、相手のことを的確に把握していなければ勝ち得る方法を考えることもできません。費用はかかりますが、店舗を利用するだけでは分からないことも把握することができるため、適宜利用するとよいと思います。

【売上拡大の視点】

自社と他社の現状を把握し、売上減少の原因が明らかになったら、その原因となるものの改善策を考えます。例えば、自社のサービスレベルが低下しているのであれば「施術者の技能研修のあり方を見直す」、販促効果が落ちてきているのであれば「新たな広告媒体の利用を検討する」など、自社の店舗運営のあり方の見直しを図ります。

自社の商品やサービスの競争力が競合他社に比べ相対的に落ちてきている、という判断に至った場合には、新商品・新サービスを投下することの検討も必要になってきます。その時、人気の高い商品やサービスをそのまま自社に取り入れる方法もありますが、自社の顧客に受け入れられなければ期待している効果は得られません。

事業の多角化や異業種への参入ではなく、現在営んでいる事業をそのまま継続した上での新商品・新サービス開発を行うのであるなら、基本的に自社のターゲットとする顧客の嗜好に即したものを開発することが望ましいと言えます。

ある食品メーカーでは、顧客ターゲット層に合致したモニターを会員組織化して、さまざまな試作商品を実際に賞味してもらい、味やパッケージなどについて意見を収集し、新商品開発を行っています。

同じことは他のBtoCの業界にもあてはまるでしょう。新商品、新サービス開発においては、自社のターゲットとなる消費者の嗜好について深く把握しておくことが必要です。
 自社の店舗運営の改善、新商品・新サービスの開発、いずれにおいても、現状把握、そしてそのための情報収集と分析が基礎となります。短絡的な発想や思い込みによることなく、科学的な視点から確かな改善、開発を目指しましょう。

掲載日:2013年10月29日
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