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ウェブ経営指南
日報の大切さとその活用
当社では日報提出をルール化しているのですが、一部社員の抵抗などもあり、なかなか定着しません。スムーズに日報提出を定着させるためのポイントなどを教えて下さい。
次の2点が大切です。
・日報の意義や重要性を社員に告知して納得してもらうこと
・日報に盛り込むべき項目やスタイルを明確にし、運用ルールを決めること
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行っている。

目次

解説

以下では、日報の意義やスムーズに提出を定着させるためのポイント等を解説します。

1.日報の意義

どのような業種であっても、社員が日報を毎日書くことは大変重要で意義あることです。日報を書くことの意義は大きく次の3点に集約されると考えられます。

(1)社内への情報共有
 社員ひとりひとりの活動は、社内で情報共有されていない場合、他のメンバーからは見えにくいものです。もし、情報が共有されメンバー相互の活動が見えていたら、互いに支援しあったり足りない部分を補完しあったりもできるでしょう。しかし、互いの活動が見えないという状況下では、「協力しえないし相乗効果も発揮しえない」という機会損失が発生していると考えるべきです。

また、社員各人が日報の中で、その日の成功要因や失敗要因の分析をするならば、他のメンバーにとっても、気付きや学びを共有できることになります。社員が日報を毎日書くことは、経営者や上司が社員や部下の仕事の進捗状況を確認できることだけでなく、社員にとっても価値ある情報を共有しあえることになるのです。

(2)上司や同僚からのタイムリーなコメントやアドバイス
 経営者や上司が社員や部下の仕事の進捗状況を日々正確に確認することで、タイムリーなコメントやアドバイスを発することが可能になります。そして、コメントやアドバイスを受けた社員は、自らの業務の見直しをスピーディーに行なうことができ、「計画(plan)→実践(do)→進捗確認(check)→改善(act)」という、いわゆるPDCAサイクルのスピードを上げることに繋がります。

(3)仕事を振り返る際のデータベース化
 日報の情報が蓄積されていくと、それが仕事を振り返るためのデータベースにもなっていきます。日報の情報がデータベース化されれば、他の社員の仕事の振り返りも可能となります。これは、担当者不在時に緊急対応しなければならない事態が生じた際に対する備えにもなりますし、業務引継ぎ後の担当者が参考にすることもできます。

2.日報に盛り込むべき項目

どのような項目を日報に盛り込むかによって、日報の価値は大きく変わってきます。以下の項目は、どの業種においても効果を発揮しうるものだと思います。

(1)予定・目標
 日報には、まず予定や目標を書きます。予定は具体的に、また数値化できる目標は数値化して記入します。

(2)実績・達成状況
 次に、実績や達成状況を書きます。できるだけ長文は避け、結論だけを簡潔に書きます。数値化された目標に対しては実数値や達成率、数値化できない目標に対しては「達成」「未達成」など統一した言葉を記します。言葉の代わりに「○△×」など記号を用いるのも良いやり方です。

(3)問題点・原因
 (2)の実績・達成状況を踏まえて、達成・未達成要因を分析して書きます。達成したのは何らかの施策が有効だったからなのか偶然なのか、未達成だったのは特別な背景があったからなのか手法に問題があったからなのか、などを担当者の目線で考え、問題点や原因を突き止めるようにします。

(4)改善策
 (3)の問題点・原因を踏まえ、どうすればもっと上手くできるか、改善できるかを考えます。ここでは正しい答えは出せなくても、担当者の目線で改善策を考えます。

(5)次回予定・目標
 次の営業日の予定や目標を書きます。(1)と同様に具体的に、また数値化できる目標は数値化して記入します。

(6)所感・考察
 仕事に関して思うこと考えていることなどを、何でも良いので自由に書きます。

(7)コメント欄
 日報の書式には「コメント欄」を設けておきます。日報を読んだ人は誰でもこの欄に自由にコメントを書いたりアドバイスを書いたりします。

3.日報活用のために

日報を最大限活用するために、次のような運用ルールを設けておくとよいでしょう。

(1)日報は原則、翌日の朝までに出すこと
 日報の提出納期は、原則「翌日の朝」とするとよいです。「次の出勤日の朝」ではなく「翌日の朝」である点に注意して下さい。日報には「情報を速やかに共有する」という意義もあるため、休暇を挟まずに提出するのが理想的です。

(2)関与するメンバーの日報には毎日目を通すこと
 上司・同僚・部下など関与するメンバーの日報には毎日必ず目を通すことをルール化するとよいです。この部分が欠落していると情報共有の意味がなくなりますし、タイムリーなコメントやアドバイスが活きてきません。とくに上司は部下の日報が提出されたら速やかにこれに目を通し、必要に応じて適切な指示を出すようにしましょう。

皆がせっかく時間をかけて作成する日報です。価値ある日報を作成して共有し、最大限に活用したいものですね。


掲載日:2012年6月12日

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