明治・大正・昭和のベンチャーたち

日本はいま百年に一度あるかどうかの一大変革期であり、新しいビジネスを生み出す絶好のチャンス。同じ変革期であった明治・大正・昭和の経済人たちから、無から有を為す技を学ぶ。

岩崎弥太郎 - 維新の政商ベンチャー

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 士魂商才という言葉がある。維新後、各藩や幕府の碌を離れたサムライたちに明治政府が支給した一時金を元手に商売をはじめた、いわゆる武士の商法のことで、商いに失敗したサムライを揶揄する言葉として使われる。いまで言えば、大蔵省や通産省など役所を辞めた高級官吏がベンチャービジネスに乗り出し、敢えなく事業に失敗するケースなどが類似の行為として想起される。明治の侍たちは気位ばかり高く、たいていは失敗に終わる。けれども数少ないサムライたちが維新の荒波を乗り越え、事業家として立身に成功した士魂の人たちもあった。ここに登場する土佐の地下浪人岩崎弥太郎も、その一人である。