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注目のニュービジネス
うつ病対策の有料電話悩み相談サービス

自殺者数が14年連続で3万人を超え、大きな社会問題になっている。警察庁によれば、自殺の理由のうち6割強が健康問題で、その4割強を「うつ」が占めている。また、自殺をしないまでも、「うつ病」が原因で会社を休職する人も多く、メンタルヘルスは企業にとって避けては通れない課題となっている。

目次

話し相手からうつ病カウンセリングまで

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うつ病が深刻な社会問題となるなか注目を集めているのが、電話によるメンタルヘルスケアのサービスだ。「命の電話」のように無料の電話相談サービスは以前からあったが、最近は有料の電話相談サービスも登場している。Kikiwellは、その先駆者的な企業だ。

同社が提供しているのは、下記の4つのコース。

  1. 聞き上手倶楽部(トークルーム)
    話を聞いて欲しいと思っている人の話し相手になるサービス。
  2. 聞き上手倶楽部(リアルルーム)
    うつ病ではないけれど、心が疲れてしまった人の話を聞くサービス。
  3. うつ病カウンセリング(ユカリズルーム)
    うつ病と診断された人向けの有資格者によるカウンセリングサービス。
  4. マザーカウンセリング(スマイルルーム)
    子育て中の母親向けのカウンセリングサービス。

相談を希望する人は、まず、受け付けに電話をして予約をとり、予約した日時になったら、専用の電話番号に電話をかける。同社のホームページに掲載された相談員の中から、相談相手を指名することもできる。利用料金はどのコースも10分につき1000円で、電話した日から3日以内に銀行口座に振り込むという仕組みだ。

4つのコースのうち最も利用が多いのは「聞き上手倶楽部」のリアルルーム。うつ病ではないが、悩みで心がいっぱいいっぱいになってしまった人たち向けの相談サービスだ。

 

利用者の中心は30代から40代で、仕事での人間関係の相談が多い。平均利用時間は70分で、最高9時間も話し続けた人もいるという。料金は後払いだが、「不払いは1000件に6件程度」(菊本裕三社長)と極めて少ない。

美容師からカウンセラーに転身

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菊本社長がこのサービスを始めたのは2006年。美容師だった菊本社長は、先輩美容師の接客を見ながら、話が上手な美容師より聞き上手な美容師のほうが人気が高いことに気がついた。その後、独立して2店舗を経営するまでになったが、腰を痛め、美容師を辞めなければいけない状況になった。そんな時、TVでたまたまカウンセラーの話を聞いた際、「自分の方がもっと上手に話を聞ける」と思ったことがこの事業のきっかけとなった。

知り合いに事業の構想を話したところ、ほとんどが「ビジネスにならない」という評価だったが、1人だけ賛同してくれる人があり、その人とともに2006年、事業を立ち上げた。

事業開始当初、チラシを20万枚ほど作り配布したが、最初の1年半ほどは、ほとんど反応がなく、「事業を続けるためにアルバイトをした」(菊本社長)と言うほど経営は厳しい状況だった。

しかし、「このサービスは絶対に必要とされているはず」との思いから、あきらめずに続けたという。やがてHPを立ち上げたところ、次第に利用者も増えていき、メディア等で採り上げられるようにもなり、経営的にも安定してきた。当初は個人で行なっていたが、企業との提携を考え、2010年に法人化した。

相談者が満足するまで話せる環境を提供

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同社のサービスの特徴は「自分が話したいだけ話したいように話させる点」(菊本社長)だ。無料の電話サービスでは、悩み事に対してアドバイスをするが、同社のサービスは、アドバイスはせず、もっぱら聞き役に回るのだという。

「悩みを持っている人はアドバイスが欲しくて電話をするのではなく、とにかく誰かに話を聞いてもらいたいから電話をしてくる。アドバイスされる内容はたいてい自分でもわかっていることで、それができないから悩んでいるのだ。無料の電話サービスでアドバイスをされ、それが嫌で当社のサービスに電話をしてくるようになった人もある」(菊本社長)

したがって、サービスを提供する上でもっとも重要になるのが、スタッフの対応力だ。

相談員は同社の「スタッフ・カウンセラー」の講座を受講し、テストに合格することが条件だが、「過去にうつ病を克服した人」やカウンセラーの経験者などはできるだけ採らない。というのも、うつ病克服者やカウンセラー経験者は、クライアントに対し、経験者としてのアドバイスをしてしまいがちだからだ。

スタッフは相手の話に感情移入せずに客観的な聞き役になれることが大切で、そうした対応ができる人材の確保・育成が難しいという。現在、電話相談に応じるスタッフは10人おり交代で対応しているが、サービスの拡充には人材の確保がカギになりそうだ。

先にも述べた通り、同社のサービスの利用者は、うつ病ではないがストレスがたまった人たちが中心だ。しかし菊本社長は、ストレスを抱えた人たちだけでなく、楽しく話がしたいという普通の人たちにももっと利用してもらいたいという。また、ゆくゆくは高齢者の見守りサービスの一環として利用されることも狙っている。

●会社概要

企業名 株式会社kikiwell
所在地 東京都江東区有明3-7-26有明フロンティアビルB棟9F
電話 050-3736-3332
URL http://kikiwell.com


掲載日:2012年12月25日

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