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注目のニュービジネス
"着せ替えサンダル"や独自のテキスタイルで新事業に挑戦

オリジナルデザインのテキスタイルを使った、ユニークな発想の"着せ替えサンダル"を開発したネオクリエイト(福岡県福岡市)の篠原徹氏。日本におけるデザインの価値を高めるべく、独学と情報収集、そして人脈づくりで新しい事業に挑戦している。

目次

日本におけるデザインの価値を高めたい

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成熟産業のように見えるファッション業界だが、実はまだまだアイデア次第でさまざまな可能性があるということを感じさせてくれるのが、ネオクリエイトの篠原徹氏が開発したユニークな新商品だ。篠原氏はグラフィックデザイナー、クリエイティブディレクターとして20年以上広告業界で活躍。広告の企画制作会社に勤務していたが、2006年に独立し、本業の傍ら、2008年から既存事業とは異なる商品開発という新事業への挑戦を始める。

その根底にあるのは「デザインの価値を上げたい」という熱い想い。「イタリアなどと違って、日本ではデザインよりも技術力などの価値が優先されがちです。もっと日本でデザインの価値そのものを高め、デザインで売れるような、デザインで心を動かせるような商品を作りたいと思ったんです」と篠原氏は言う。そして着目したのが、グラフィックデザイナーとしての経験も生かせるテキスタイル(図案)の世界。自己満足ではなく、一般の消費者にも価値が見い出せるようなテキスタイルを作ろうと思い立つ。

独学で染色の勉強をし、発色のいい「捺染(なつせん)」という染色法の本場が横浜だとわかると、さっそく横浜へ。業者を訪ね、捺染に適した生地や最近人気の生地についてもアドバイスを受け、オリジナルのテキスタイルを完成させた。そして篠原氏はその独自のテキスタイルを生かせるものは"何か"をさまざまな角度から検討し、服そのものよりは参入しやすいファッション雑貨に照準を当てた。

"ワクワクする気持ちを毎日"という発想から生まれたサンダル

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テキスタイルのデザインだけでなく、商材開発の視点と発想も斬新だ。例えば、女性がお気に入りの洋服やバッグやストールなどを買って、身につけて出かけるときのワクワクする気分がある。そんな気持ちを毎日体感できないものかと考えるうち、篠原氏は"着せ替え"という発想に辿りつく。その発想を具現化するためにもっとも適している商材として、最初に製作に取り組んだのがサンダルだった。

サンダルの基本構造は、靴底と、布や革などで作ったアッパーの組み合わせ。そこで篠原氏は、アッパーの部分を取り換えてまったく違う表情のサンダルに変身できるという商品を考え出した。ひとつのサンダルを作って売るだけでなく、いろいろなテキスタイルを使ったアッパーを作り、別売りするという仕掛け。「サンダルだけでなく、別売りのアッパーを選ぶ楽しさという付加価値も提供できます。しかも、お客さまにとってはプラスアルファの価格でアッパーを買い足すだけでサンダルを2足買ったのと同じ価値があり、売る方にも買う方にもメリットがあります」(篠原氏)。

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このオリジナル着せ替えサンダルは現在特許出願中。本格的な販売はまだこれからだが、別売りとなるアッパー部分もテキスタイルの種類やデザインが豊富。2つ、3つとアッパーを買い足す人も出てくるだろう。また、"着せ替え"ではないが、ネオクリエイトではサンダル以外にも、すでに傘やバッグ、スカーフなど、独自のテキスタイルを使った商品を開発している。

夢を共有する仲間とチームで

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「もっとも苦労したのは人脈づくり」という篠原氏。アパレル関係に人脈があったわけではないため、前述したように独学で学び、さまざまな情報を集め、例えば染色なら横浜、靴のメーカーなら神戸、傘なら大阪、というようにあちこちの業者を訪ね歩いた。テキスタイルのデザインに関しても、篠原氏一人では限界がある。氏が企画・設定したテーマに基づいて独自の感性で仕上げてくれるテキスタイルデザイナーが必要と考え、ネットワークを広げるため現在も人材を探している最中だ。

「とにかくいろんな人に声をかけています。ただ、デザインの価値を重視するといっても、デザイナーの作品展を開くわけじゃありませんから、きちんと市場を動かす、つまり売れるものを作るという姿勢を持ったデザイナーと協働していきたいと思っています」。

販路としては、通信販売のサイトを検討・構築中。現在でもすでに傘は注文があれば、最小ロット(300本)で受注し、オーダーメードで生産できるが、個人向けに売ることを考えるとやはり通信販売が望ましいからだ。将来はSNSからショッピングサイトへの誘引、フェイスブックやツイッターを活用した販促活動も視野に入れている。

しかし、「売る場所や数量は限定し、大量生産はしない」が信条。在庫を抱えるリスクを避けるためだけではなく、デザインの価値を高めるには希少性も大切な要素だからだ。だからこそ、かえって大量生産品ではできないこともできる。ユニークな商品で他店との差別化を図りたいと思っているブティックやセレクトショップなどには最適の商品だし、各地のまちおこしと連動させたテキスタイルの開発など、可能性はさまざまに広がる。

売り方も、独自のコーディネイトを提案するなど、まだ企業秘密だが篠原氏の胸のうちにはアイデアが盛りだくさんだ。そのためにも、作る人、売る人、デザイナーなどさまざまな人とのコラボレーションが今後さらに重要になってくる。

「まだまだこれからですが、デザインの価値を高め、個性的なファッション雑貨を多くの人に身につけて欲しいという夢を共有できる人たちと、ひとつのチームとしてこの事業の可能性を追求していきたいですね」。

●会社概要

企業名 ネオクリエイト
所在地 福岡県福岡市東区香椎照葉3-2-1シーマークビル203
電話 092-985-0763
URL http://www.neocreate.net/


掲載日:2012年12月18日

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