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注目のニュービジネス
新聞紙で紙薪をつくろう

日本では一般的ではないが、海外では新聞紙を利用した紙薪(かみまき)づくりが盛んだ。T&T(東京都練馬区)が開発した「紙与作」は、そんな紙薪が手軽にできる機器だ。エコ意識が高まる中、日本でも紙薪づくりが注目されるようになり、2009年にはバージョンアップした「新 紙与作」も発売。ともに販売数を伸ばしている。

目次

日本人向けに施した改良

20120911_1.PNG ヨーロッパやアメリカの田舎では、今でも暖炉のある家庭がある。燃料として使うのは木の薪だけでなく、「紙薪も盛んに利用されている」とT&Tの萩原輝久社長は語る。

 紙薪とは、水で濡らした古新聞を型に入れて乾燥させた紙製の薪のこと。新聞紙のリサイクルになる上、木の伐採を減らせる。海外では、紙薪つくり器なども利用され、紙薪づくりが広く行なわれている。

 だが日本では、紙薪はまだあまり知られていない。そこで、海外とも取り引きがあったT&Tの萩原氏は「紙薪は日本でも需要があるのではないか」と考えた。

 ところが、「海外製の"紙薪つくり器"は大雑把なつくりで、日本人には使い勝手が悪かった」(萩原氏)。紙薪つくり器は新聞紙と水と人の力だけで紙薪をつくる機器だ。濡らした新聞紙を型に入れ、圧縮する際にはハンドルを握って体重を加える。だが、海外製はハンドルがむき出しの鉄板でできていて、握ると手が痛かった。また、何度も使うと本体がゆがむ不具合もあった。

 そこでT&Tは、海外製に大幅な改良を施した、日本人向けの紙薪つくり器を開発した。ハンドルには握り手を付け、力を加えても痛くないようにした。またハンドルの長さも伸ばし、少ない力で圧縮できるようにテコの原理を働かせた。本体には筋交いを設け、何度使ってもゆがまない丈夫さを備えた。

20120911_2.PNG さらに、日本人が馴染みやすいようにパッケージや名前を変更し、2008年4月、販売を開始した。これが「紙与作」だった。

雪国に広まる紙薪

20120911_3.PNG 間もなく「紙与作」は大きな反響を呼ぶ。同年8月に出展した日曜大工道具の展示会「DIY ホームセンターショー」では、「新商品コンテスト」で銀賞を受賞。「人と環境にやさしい商品部門」でエコ賞を受賞した。また、翌年は金賞を受賞し2年連続受賞となった。

 これらの受賞がきっかけになり、バイヤーを通じて全国のホームセンターで販売されるようになった。

 すると、北海道や東北地方を中心に「紙与作」は販売数を伸ばしていった。冬場にたくさんの雪が積もるこれらの地方では、部屋の暖を保つため、火力の強い薪ストーブを使っている家庭が多かった。

 ちょうど08年頃は石油価格が高騰した時期でもあり、長い冬場の燃料費を抑えるため、石油ストーブを止やめて薪ストーブを使う人が増えていた。そんな人たちに「紙与作」は受け入れられた。古新聞から自分で手づくりする紙薪ならば、ほとんどコストが掛からないからだ。

 実際、「紙与作」を使うと新聞紙20枚で紙薪が1個つくれる。1個は400グラムほどの重さしかないが、新聞紙なので火をつけるとよく燃える。燃焼時間も長く、紙薪1個で40分~1時間半ぐらい燃えつづける。

 こうした実用性も注目され、2011年の東日本大震災以降は、非常時の燃料づくりのために購入する人が増えた。こうした背景もあり、「紙与作」は累計で2万個を販売している。紙薪づくりは、日本でも着実に広まっているようだ。

●会社概要

企業名 T&T
所在地 東京都練馬区旭丘1-58-9 工匠ビルディング4F
電話 0120-439-414
URL http://tnt.ne.jp/
掲載日:2012年9月11日
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