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家系図をつくりながら自分のルーツを確認

先祖代々のルーツが記された家系図。テレビなどで目にすることはあっても、実際に自分の家系図を所有している人は少ないだろう。だが、そんな家系図を自作できる「家系図作成キット」の売れ行きが好調だ。

目次

先祖が身近に感じるツールを

20120710_1.PNG 本格的な家系図をつくろうと思えば、先祖代々の戸籍を調べ上げ、郷土の古文書などを解読する必要がある。専門家に依頼する仕事なので値段も高く、数十万円することも多い。

 もし戸籍の見方がわかり、自分で手軽に家系図をつくれるツールがあれば、需要があるのではないか―。

 「家系図作成キット」を開発した日本法令(東京都千代田区)の開発宣伝課統括マネージャー飯田義久氏は、発想のきっかけをそう語る。

 もともと同社は官公庁や社労士などの専門家向けに、実務書や申請用紙を企画販売している。だが2008年に同社が一般向けに発行した『自分のルーツはこうしてたどれ!わかりやすい戸籍の見方・読み方・とり方』(伊波喜一郎・山崎学・佐野忠之 共著)は、予想以上にヒットした。これが「家系図作成キット」の開発に踏み切らせた。

 目指したのは「自分のルーツ探しを楽しめるキットにすること」と飯田氏は語る。そのため、キットには戸籍の見方がわかる小冊子を添えた。また、人物について、趣味や性格が書き込める「人物票」を付けた。

 戸籍を調べるうちに、自分の父母や兄弟姉妹、祖父母、伯父、従兄弟など、さまざまな人の生い立ちが判明してくる。人物票に「曽祖父は剣術の達人だった」など、判明した事実を書き込むことで「先祖に対してより親近感がわく」と飯田氏は語る。

若い女性からも高まる需要

20120710.PNG また、系図の書き方にも工夫をこらした。従来の家系図は父系のみをたどり、一本の線で代々遡っていく形式だ。だがこの方法では、兄弟姉妹の配偶者など、自分の生活に関係の深い人たちが書き込めない。そこで「父系や母系に限らず、より自分に近い親族を書き込めるようにした」(飯田氏)。横幅の広い紙を採用し、ヒモでつづる古文書のようなスタイルができあがった。

 さらに装丁にも気を遣った。美しい柄の友禅和紙を採用し、それを手作業で一枚ずつ貼り付けて表紙をつくる。そのため大量生産することはできなくなった。だが家系図である以上、装丁に手を抜くわけにはいかない。「その家のルーツを記した貴重な資料になる」と飯田氏は語る。

 2011年11月に発売された「家系図作成キット」は、最初に販売された1500部がすぐに売り切れた。

 「今まで知らなかった自分の親族が判明した」「先祖の話で親戚との会話が盛り上がった」など、大きな反響があった。現在までに累計3000部が発行されたが「製造が間に合わない状態だ」(飯田氏)と言う。

 これまで家系図には、年配男性が主なターゲットというイメージがあった。だが東日本大震災の後、改めて自分の家族の大切さに思い至った人も多く「独り暮らしの若者や独身女性の間で、自分のルーツへの関心が高まった」と飯田氏は指摘する。

 家系図をつくりながら自分のルーツを確認する。中には、失われた系図の情報を拾い集めるため、親戚や先祖ゆかりの地を巡る旅をする人もいる。自分探しを通じた「ロールプレイングゲームのような楽しみ方が、若い世代の消費者に受け入れられている」(飯田氏)。新しい家系図の楽しみ方と言えそうだ。

●会社概要

企業名 株式会社日本法令
所在地 東京都千代田区岩本町2-1-7
電話 03-3862-5031
URL http://www.horei.co.jp/
掲載日:2012年7月10日
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