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注目のニュービジネス
発売半年で1500個のセールス

日々増える名刺の整理は面倒なもの。だが、仕事上、不可欠でもある。メディカルサポート(埼玉県羽生市)が開発した「Dater」は、名刺入れに日付のスタンプを押す機能を持たせ、整理の効率化に貢献している。

目次

もらった名刺の整理中、新商品のヒントを得る

20110524_1.PNG 新商品のアイデアは身近なところに転がっている。「Dater」開発の道のりはその好例だろう。

 同社の林裕之社長が「Dater」のコンセプトを思い付いたのは、会社設立の挨拶回りをしていた時のこと。交換した名刺を後日整理していると、いつ受け取ったのかわからないものも少なくなかった。

 「名刺にもらった日付を印字できないか」。林氏は以前勤務していた会社の同僚である樋口昭夫氏に相談した。プリンターの開発設計に携わった経験を持つ樋口氏は、その話を聞き、「そんな商品があったら便利だ」と共感した。

 そこで樋口氏は勤めていた会社を辞め、メディカルサポートに入社。同社は医療器具の企画開発を行っている会社だが、樋口氏は「名刺に日付を印刷するグッズ」の開発を担当する運びとなった。

20110524_2.PNG 5年前に開発を開始。その際に考えたのは名刺入れに印字機能を持たせることだ。もらった名刺は名刺入れに入れる。その段階で印字ができれば、「いつ会ったのか」がわかり整理しやすい。

 具体的な商品イメージが浮かび、樋口氏は「プリンターのメカニズムを小型化すれば簡単にできるだろう」と考えた。

小型化に苦戦するものの黒電話から光明を見いだす

20110524_3.PNG 名刺入れに印字機能を付けるかたちで第一号の試作品は完成。しかし、一般的な名刺入れよりも一回り以上大きくなってしまった。

 サイズが大きくなった原因は、印字に使う数字をロール状にしていた点にある。日付を印字するには、日の部分は毎日、月の部分は月に1回、年の部分は年に1回数字を変えなければならない。

 そこで、0から9までの数字を並べ、それをくるくると回すようにした。名刺入れにそのロール状の装置を加えた分、大きくなったのだ。これではスーツの内ポケットには入らず、携帯しづらい。

 樋口氏は改良を重ね、サイズを一般的な名刺入れに近付けた。小型化するにあたりヒントとなったのが黒電話だった。今では珍しくなった黒電話は、ダイヤルを回して電話をかける。そこからヒントを得て、樋口氏はダイヤルのように印字する数字を円盤の上に並べることを考えた。

 円盤なら厚さが薄くなる。そのため、名刺を収納する部分に円盤のスタンプを重ねられるので、厚みは出るものの名刺入れ自体は小さくできるのだ。

 スタンプの厚みのために名刺が入らなくなっては本末転倒だ。樋口氏は周囲の意見を聞き、名刺が10枚ほど入るようにした。

500枚近い名刺への印字を可能に

20110524_4.PNG 完成品の仕組みはこうだ。「Dater」を開くと、左側に名刺、右側にカーボン紙と数字のスタンプが入っている。印字の際には、まず日付を合わせて名刺入れを閉じる。それから上部に取り付けたシャッターをスライドしてロックを解除。その後ボタンを押すと印字ができる。

 ロックを解除するたびにカーボン紙が少しずつ移動するように設定した。毎回違う箇所を使用するため、500枚分の印字が可能だ(メディカルサポートのテスト値)。
 開発を始めてから4年後、ようやく完成。そこで展示会に出した。

 展示してみたものの、「なんだ、名刺入れか」と素通りする人は多かった。日付が印字できる点をアピールすると、その珍しさで注目される。

 それは実店舗での販売時も同じだった。ただ商品を並べていても特徴が伝わらない。デモンストレーションを行い、実際に印字してみせると感嘆の声があがる。販売を担当する開発営業課の金子竜生課長は「特徴を伝えると、『こんな商品がほしかった』と言ってもらえるが」と話す。

20110524_5.PNG 今まで名刺をもらった後に日付を書き込むわずらわしさを解消する方法を考える人は少なかった。誰もが解決を試みなかった分野で勝負したため、消費者の興味をひくことに成功。これまでに1500個が売れている。

 身近なところからニーズを拾い、具現化したメディカルサポート。今後は、商品のよさをいかにして伝えるかを考え、実行するつもりだ。

●会社概要

企業名 メディカルサポート
所在地 埼玉県羽生市西1-8-12
資本金 1000万円
従業員 32人
電話 048-560-2500
URL http://www.medical-sp.co.jp/
掲載日:2011年5月24日
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