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おでかけのきっかけは携帯ゲーム

移動距離に応じて仮想通貨が貯まる。それを使い自分の「コロニー」を充実させる。そんなゲームを開発したのがコロプラ(東京都渋谷区)だ。移動距離が長いほどゲームが進むため、「ゲームは家の中で楽しむもの」という概念を覆し、注目を集めている。

目次

メーンユーザーは社会人

20110111_1.PNG 「ゲームばかりやっていないで外で遊びなさい」。子どもの頃、親から怒られた経験はないだろうか。

 しかし、コロプラが開発したゲーム「コロニーな生活☆PLUS(プラス)」なら遊んでいても怒られないかもしれない。というのも屋外で楽しむゲームだからだ。

 仕組みはこうだ。携帯の全地球測位システム(GPS)機能を利用して、自分がいる場所を登録。移動後に再び登録すると、最初に登録した場所から現在地までの距離がわかる。1キロメートルの移動につき、仮想通貨1プラが手に入る。この仮想通貨を使い、ゲーム内の自分の土地に建物などを建造したりアイテムを購入したりして楽しむ。

 このゲームは2003年に同社の馬場功淳(なるあつ)社長が個人で開発。昼間はサラリーマン、夜はゲーム制作・提供という二足のわらじを履く日々が続いた。

 しかし、サラリーマン生活を続けていては安定した品質でゲームを提供するのは難しい。そこで08年にコロプラを立ち上げた。現在、会員数が110万人を突破している(10年5月10日現在)。

 個人の取り組みから始まったこのゲームを、馬場氏は「日常をエンターテインメント化するゲーム」と評する。

 通勤や営業などの「当たり前の移動」が、ゲームによって「プラを貯められる楽しみな時間」になる。プラを貯めるために、いつもより遠回りをして帰宅する。休日も少し足を伸ばして出かけるようになる。ユーザーの行動範囲が広がり、出かけた先での新発見に結び付く。

 「『コロニーな生活☆PLUS』はおでかけのきっかけを提供している」と馬場氏は語る。移動距離が長ければ長いほどプラが貯まる。そのため、ユーザーは学生よりも仕事で日々出歩く社会人の方が多い。

仮想お土産目当てに店で買い物

20110111_2.PNG さらにおでかけを促進するため、同社は「おでかけの目的」の提供も開始した。きっかけは栃木県日光市にある企業から広告を出したいと言われたことだった。
 そこで、ゲームとタイアップしたお土産を開発。ゲーム内で紹介したところ、ユーザーが買いに行くようになったのだ。

 「日本各地にあるよいものをゲーム内で紹介し、それをおでかけの目的にしてもらおう」と馬場氏は考えた。

 各地の企業と提携し、そこの商品を紹介。ユーザーが店舗で買い物をすると「コロカ」と呼ばれるカードが渡される。そこに記入されている英数字を入力すると、ゲーム内でも仮想のお土産が手に入る。

 当初は仮想のお土産を手に入れるために現実世界の店に行く人が多かった。しかし、同社が紹介している商品の質の高さから、今ではその商品自体を目的とする人もいるという。

決定までは2~3カ月

20110111_3.PNG コロプラは広告費をとらず、お土産が売れたら売り上げの一部をもらう。そんな仕組みのため、現在では月に200~300社から掲載希望の連絡が来るという。

 だが、同社はゲーム内で紹介するのは200社と決めている。この数であれば10年くらいかければ全部行くことができるからだ。

 一つの県につき紹介するのは4社(残りは離島)。そのため掲載を決める際は慎重だ。  まずは書類審査を行う。それから、全社員で試食・試飲する。「紹介したい」と思ったものに、社員それぞれが票を入れる。同社の社員は20~50歳代と幅広い。趣味も嗜好もバラバラだ。全員から票が入ったもののみ、次のステップにいく。

 最後は現地調査だ。実際に製造・販売しているところへ行き、つくり方や製造に至った背景などを聞く。そして審査に受かったもののみ紹介する。

 試食・試飲用に取り寄せる費用から、現地調査のための交通費など、すべてコロプラが負担。審査開始から掲載決定まで、2~3カ月を要する。コストもかなりの金額に上る。だが、「広告費をとっていないからこそ、ユーザーも紹介した商品を信頼してくれる」と馬場氏は語る。

 人を外出させるゲームを開発し新境地を開いたコロプラ。その試みは広がりを見せている。

●会社概要

企業名 コロプラ
所在地 東京都渋谷区恵比寿南3-1-1 恵比寿グリーングラス5階
資本金 1600万円
電話 03-5725-1312
URL http://colopl.co.jp/
掲載日:2011年1月11日
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