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注目のニュービジネス
「体験型ギフト」を提供する新ビジネス

贈り物がモノであるとは限らない。日常では味わえない"体験"を相手にプレゼントする体験型ギフトを、日本で初めて事業化したのがソウ・エクスペリエンス(東京都品川区)だ。遊び心にあふれるその企業理念を聞いた。

目次

学生時代に起業家向けの大会で優勝を果たす

20100907_1.PNG ソウ・エクスペリエンスのウェブサイトでその企業理念を見ると、「プレイフル・スパイラル」という言葉がある。徹底的に遊び尽くす。その間に抱く興味や、身につける知識とスキルをブラッシュアップして、事業につなげていく。

 「プレイフル・スパイラル」とは、そのプロセスを表す言葉だという。ただし「その言葉を考えた起業時ほど、実際の事業の上でその言葉を意識はしていない」という同社・西村琢社長の言葉に、気負いは感じられない。

 西村氏は大学時代に株式の投資クラブを友人たちと結成。実際に株式投資を運用する傍ら、マネックス証券の松本大社長など、さまざまな経営者を訪問し、"仲間"を増やしていた。

 「株式で儲けることより、仲間とプロジェクトを企画することのほうが楽しかった」(西村氏)

 お金に楽しさを見出せなくなり始めた2002年、西村氏は松下電機産業(現パナソニック)が主催するアントレプレナーインターンシップ(起業を目指す者が事業案を競う)に参加。
 優勝すれば3000万円の出資金がおりるというイベントに参加した結果、見事に優勝を果たす。

 参加者500人の頂点に立ったその事業案は、さびれた数々のカート場(レース初心者向けのゴーカート)を情報で結び、競技者の各レース場のレース結果を総合して、ペナントレース形式で優勝を争うことにより集客するというものだった。

 各カート場を結集してイベントを興すことで活性化を図ったのだ。

面白ければ真似でもいい。フットワークの軽さが強み

20100907_2.PNG その事業案自体、自らカートを体験して「こんなに楽しいものになぜ人が集まらないのか」と考えたところから始まった。

 本当に遊び好きな人間は、一つのアイデアに留まれないのかもしれない。カート事業は、結局西村氏の手によって実現されることはなかった。

 大学を卒業して働きながらビジネスプランを練り、05年の5月に大学時代の友人とソウ・エクスペリエンスを設立。

 初めて事業化したのが、世界中の数百のビジネスモデルを探して見つけたイギリスの体験型ギフトだった。

 イギリスではヴァージン・グループ(航空、メディア事業大手)もそのサービスを手がけるほど、体験型ギフトは一般的なもの。

20100907_3.PNG 「面白くて事業化できそうなら真似でも構わない」(西村氏)というフットワークの軽さで、同社は日本初の体験型ギフト事業を始める。

 ヨガ、ショートゴルフコース、茶道、酸素カプセル...初めに準備した10コースの提携先と手を結ぶのに、それほど苦労はしなかったという。

 「相手にリスクはないし、こちらも営業というより『協働しましょう』という姿勢で話を持ちかけた」(西村氏)

 父母に贈るギフトとして、あるいは恋人に贈るギフトとして"ちょっと変わった贈り物"の需要は多種多様にあったようだ。

遊びの情報を結集。さらなる"協働"を

20100907_4.PNG 企業のキャンペーン・プレゼントとして、有名企業から「体験型ギフトのOEM」を依頼されることもしばしばあった。

 その際には顧客企業のキャンペーン・サイト制作も請け負う。同社には洗練されたイメージづくりに長けたWEBデザイナーやコンピュータ・エンジニアがいる。

 珍しい事業としてメディアに取り上げられた効果もあり、09年度には約1億円の売り上げを果たす。
 価格が低い体験コースは5000円から、高いコースは5万円まで、現在のコース数は150に及ぶ。それでも西村氏の"遊び心"は満たされないようだ。

 「エクナビというサイトを始めたところ。遊びに行きたいエリアや店舗を検索できるサイトだ」

 もちろん"漠然と検索する"サイトではない。情報は「ゴージャス&ロマンティック」「癒されキレイになる」などわかりやすいコピーで分類化され、登録した会員たちによる"クチコミ評価"を受ける。

 今のところエクナビは利益を生み出す構造にはなっていない。それでも「本当に楽しめる情報が提供できて、登録会員数が増えていけば大きな可能性がある」と西村氏は期待を語る。

 エクナビと体験型ギフトのリンクも同社は忘れていない。エクナビのアクセス数が増えれば、お金を払ってでもそこに情報を載せたい企業や店舗が出てくるだろう。"協働の時"を西村氏は楽しみながら待っている。

●会社概要

企業名 ソウ・エクスペリエンス
所在地 東京都品川区西五反田3-8-3 町原ビル4F
資本金 1400万円
売上高 約1億円(2009年12月期)
従業員 8人(2009年12月現在)
電話 03-6431-8360
URL http://www.sowxp.co.jp/
掲載日:2010年9月 7日
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