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注目のニュービジネス
「タクシー相乗り」をスタンダードに

深夜、都市部ではタクシー乗り場に行列が。乗り込むのは1人だが、向かう方向はおおむね同じ。その光景に違和感を覚え、スカイミント(東京都新宿区)は相乗り希望者を募るインターネットサービス「タクトモ.com」の提供を開始、利用者数を伸ばしている。

目次

ネット世代に訴求 利用者1万人超え

20100304_.PNG 「反響の大きさも利用者の伸びも予想外だった」─。スカイミントの岩崎かおる社長は、タクシー相乗りを募集する携帯電話向けのウェブサイト「タクトモ.com」の成果に驚きを隠さない。岩崎氏はIT企業を退職後、インターネット関連のサービスを柱に起業、自身の疑問から出発した「タクトモ.com」は利用者が1万人を超える反響を得ている。

 そのサービスの肝は、利用者が携帯電話からサイトにアクセス、自身の情報を記入して登録後、「新宿から八王子まで午前1時」といったように相乗りを募るというもの。

 「起業後、深夜帰宅でタクシーを利用する機会が増えた。1人で乗り込んでも同じ方向へ行くことが多く、不合理だと感じた」と岩崎氏はタクトモ.com開発のきっかけを語る。「電車を逃して会社に寝泊まりしたりするサラリーマンも、リーズナブルになればタクシーで帰宅したいはず」と考え、「思いついてから3日で開発してリリース(発表)した」のだった。

20100304_2.PNG タクトモ.comはまず2008年12月、「単純な掲示板の形として」(岩崎氏)スタート。知人に知らせながらフィードバックを得て09年1月5日に正式リリースした。以降、利用者にはユーザー登録を求め、年齢、属性(男女)などの情報が記録されるようにした。利用に先だって行うこの登録は無料。

 金融危機を経て節約志向が強まったこともあり、「3月頃から反響の大きさが実感されるようになった」(岩崎氏)という。サービス利用者の7〜8割は20〜30歳代の男性。この世代がネットをリアルの活動へ自然につなげる世代である以上、ネット経由の相乗りも違和感なく受け入れられているようだ。こうして利用者は09年9月、1万人を突破した。

都心から郊外に向かう利用者 「ワリカン」は自然に

20100304_3.PNG 岩崎氏によると、現在、利用は首都圏が全体の9割を占める。以下、大阪、名古屋、福岡と経済規模の大きさが反映されているという。サイトの利用時間帯は午前0時から3時までが中心であり、まさに夜型のサービスだ。

 相乗り募集が売りのタクトモ.comだが、「1人で乗る人も多い」と岩崎氏は明かす。「相乗り募集をとりあえずかけて、成立したら使う。そうでなくても『タクシーを呼ぶ』機能として使う。そんな二段構えで利用する人が多い」と分析している。

 相乗りとなれば「ワリカン」が基本。サービス開始後、しばらくは利用者同士のマナーに任せていた。利用者が降車するたびにメーターを見て割り算し、その結果出た負担分を最後に降車する人に渡す。これが常だった。

 だが利用者が増加するにつれ、料金の支払いに関する問い合わせも入るようになった。そこでサイト内に「ワリカン電卓」を設置した。

 そのほかにも機能は適宜追加してきた。「相乗り診断」では、募集する地点での過去の相乗り成約率を示す。例えば「新宿から八王子」で相乗りを募った場合の成約率は6割だ(09年6月初旬時点)。

 こういった配慮と遊び心を感じさせる機能に加え、「ひまつぶしする」というボタンを押すと、広告にリンクしており、これがタクトモ.comのアフィリエイト収入につながる仕組みだ。

タクシー乗務員の利用も 安全性には十分な配慮

20100304_4.PNG サイトの収益はアフィリエイト広告に加え、タクシー乗務員が支払う「登録料」によるものだ。タクシー乗務員向けに専用登録画面が設置されており、自分のタクシーの基本料金、カード使用の可・不可などの情報を登録する。

 タクシー側からすると、「相乗りでも得られる収入は変わらないため、むしろ相乗りであろうと利用者が増えれば歓迎しているというのが実情」(岩崎)のようだ。

 08年12月のスタート時から指摘のあった安全性については、利用者の携帯電話の番号が登録されているため、「キャリア(携帯電話会社)に記録が残る。万一トラブルが発生してもこれを警察に提出するなど対処できる」(岩崎氏)。

 ネットを介した相乗りということを不安視する向きに対し、岩崎氏は「タクシーの中には乗務員という第三者が常にいる。ネガティブな想像をするのではなく、利便性や節約に果たす意義に注目してほしい」と話す。実際にサービス開始からこれまで相乗り客同士のトラブルは発生していないという。

 09年9月1日からは健全なイメージを打ち出すべく「萌え」のイメージを持たせたキャラクターを打ち出した。名前は「タクトモタン」とかわいらしさを意識し、今後は「タクトモ.com」サービスの広告塔として、キャラクターグッズ展開も考えているという。

 また、インターネット上でユーザーが短い「つぶやき」を発する「ツイッター」にも相乗り募集の情報を流すようにした。岩崎氏は「ネットメディアと親和性のある若い層にリアルタイムで訴求できるのではないか」と語る。

 今後は法人を対象としたサービス利用を促進すべく営業を強化する。
 「企業側の利用は無料。企業専用サイトを当社で用意するだけで導入できるメリットを理解してもらいたい。いずれ相乗りを世のスタンダードに押し上げられたら」と岩崎氏は言う。景気に左右されがちなタクシー業界を横目に見ながら、節約志向を捉えたタクトモ.comはまだまだ利用者を増やしそうだ。

●会社概要

企業名 株式会社スカイミント
所在地 東京都新宿区新宿6-28-8 ラ・ベルティ新宿1002
電話 050-5809-7750
URL http://www.takutomo.com/
http://www.skymint.net/
掲載日:2010年3月 4日
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