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1年で10万本超を売り上げたドリンク

2009年4月から3カ月連続で楽天の水・ソフトドリンク/その他部門売り上げ1位を獲得した「飲む生姜の力」。
セゾンファクトリー(山形県東置賜郡高畠町)が製造・販売するこの飲料は08年の夏発売、約1年で10万本超の売り上げを記録している。

目次

職人による手作りが自慢

20100218_1.PNG「おいしさと健康」をものづくりの基本に据える、セゾンファクトリー。ヒット商品の「飲む生姜の力」の企画は、風邪をひいたとき、生姜を擦って飲んでいた従業員の「もっとおいしく飲めないものか」という声から始まった。

齋藤峰彰社長がゴーサインを出してから発売まで、要した期間は約3週間。もともとスピードを意識してものづくりに取り組む同社だが、ヒット商品の誕生にもこの強みが活かされていた。

しかし、「飲む生姜の力」は飲みやすさを追求しただけの商品ではない。素材には細心の注意を払っているのだ。

使用した生姜は高知県産の大生姜。1本の内容量265mlに対し、含まれる生姜は59グラム。全体の4分の1を占める。これだけ大きなものだからこそ、慎重に扱う必要がある。

同社の齋藤雅一常務によると、素材のよさを引き出すため、大部分の製造工程は職人による手作業で行なう。職人自らの目と舌で見た目と味をチェックしているのだ。齋藤社長の父は醤油づくりを手掛けていたため、ものづくりに欠かせない手作業の重要性は日頃から意識しているという。

デザイン重視で女性にアピール

20100218_2.PNGものづくりに対する繊細な心配りは素材や製造工程にとどまらない。デザインもまた「品質を伝え、女性が中心の購買層に喜ばれるために不可欠の要素」として重視してきた。

1988年の創業時から同社商品に専従する外部デザイナーを置き、社内にデザイン部門を2人体制で設置している。

デザインへの配慮はコーポーレートカラーである「サニーイエロー」(=太陽の黄色)、「アースブラック」(=大地の黒)をあしらったパッケージにも表れている。

デザインに力を注いだことにより、大手百貨店に出す直営店では「ディスプレーそのものが商品の魅力として来店者の目に映る」(齋藤常務)という効果が発揮されている。

地方発の商品ながら、全国誌や通販サイトで読者・ユーザーの注目を集めるようになった背景には、こういったデザインに対する高い意識があるといえるだろう。

地元農家と野菜を共同開発

20100218_3.PNG「飲む生姜の力」では地元の水を使用している。「水も空気も澄んでおり、ものづくりには最適な環境」(齋藤常務)を活かした格好だが、こういった地元の恵みに対し、同社では積極的に働きかけている。地元農家と協働した野菜づくりはその一例だ。現在ではドレッシング向きの甘味の強いタマネギを開発中だという。

バジルを栽培・収穫する農園では、運営委託先の作業を社員が積極的に行なう。こういった地元生産者との交流をきっかけに、「新商品の企画が出てくることもある」(齋藤常務)。

地元に根ざしヒット商品を飛ばす同社だが、全国に直営店を26カ所持つ。現在では世界進出も視野に入れている。齋藤常務によると、「大手百貨店のオファーを受け、2010年中に香港進出の予定」だという。

「世界進出にあたり、山形発、"メイドインジャパン"の誇りを持って世界に打って出たい」と語る齋藤常務。地元の良さを引き出すものづくりでこれからは世界に魅力を発信していく。

●会社概要

企業名 株式会社セゾンファクトリー
所在地 山形県東置賜郡高畠町大字元和田1566
資本金 2億1500万円
従業員 260人
電話 0238-56-2244
URL http://www.saisonfactory.co.jp/
掲載日:2010年2月18日