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注目のニュービジネス
子どもの安全を確保する連絡網

新学期がスタートした。この春、新入学をした子どもの保護者は、喜びと同時に心配も大きいだろう。とくに、子どもが巻き込まれる事件も多い昨今、親の心配は切実だ。そんな時世にあって、子どもの安全を確保する連絡網サービスの導入が増えている。

目次

送達確認機能もついた連絡網サービス

20080918_1.PNG緊急時の対応手段として、学校では電話での連絡網を作っているが、共働きが進んだ現在、家に電話をかけてもいないなど、連絡網が機能しないのが実情だ。かりに電話がつながった場合でも、口頭での伝言では、誤った内容が伝わってしまうという問題もある。したがって最近は、PTAなどから携帯メールへの一斉配信を希望する声が多いが、費用の問題などから実現していないケースも多い。

こうした問題を解決するサービスとして登場したのが、NTTデータの「FairCast(フェアキャスト)子ども安全連絡網」(以下、「FairCast」)だ。

「FairCast」は、メール・電話(音声)・FAXへの一斉連絡サービスで、通常時は事前に登録した主たる連絡先に一斉送信をするが、緊急時には事前に登録した複数の連絡先に、メール・電話・FAXの順に一斉送信するというように、通常時と緊急時とで連絡方法を使い分けられるのが特徴だ。

また、送信した情報が相手に伝わったかを確認する「送達確認機能」もついており、これにより、"つながらない""内容が誤って伝わる""連絡に時間がかかる""伝わったかわからない"といった従来の電話での連絡網の問題が解決される。

料金の安さも特徴だ。同社によれば、「契約形態により料金は異なるが、類似のASPサービスを行なう他社商品に比べ、競争力のある料金設定にしている」そうで、これにより、学期の途中での導入やPTA会費や個人負担による導入も容易になるという。

子どもをもつ女性社員の視点で事業化

「FairCast」は、小学生の子どもをもつ同社社員の住田典子さんの発案から生まれた。奈良県在住だった住田さんは、近くで奈良女子児童殺害事件が起こったさいに、通常の電話による連絡網の限界を感じた。彼女自身、保育園のPTA役員をしていた時代には、保護者と話し合って、電話やメール、FAXによる連絡網を独自で作り、好評を得たという経験があった。そこで、「正確、迅速、公平な連絡網のサービスを作れば、需要がある」と、会社に対し事業化を提案したのだ。

20080918_2.PNG事業化にさいしては、同社の"新規ビジネス支援ファンド「i3(アイキューブ)ファンド」"を活用した。これは、期の途中に発生したビジネスアイディアを事業化するために創設されたもので、総務や広報といったスタッフ部門に所属していた住田さんもこの施策の活用を申請した。

システム開発で意識したのは、誰にでも利用しやすいものを作ることだった。操作する数が多いほどシステムとしては作りやすいが、利用者にとっては、逆に使いにくい。住田さんは、システム開発の素人だっただけに、「100%利用者の視点に立った要望を開発担当者に伝えることができ、使い勝手のよいサービスを作ることができた」(住田さん)。

ビジネスプランの提出からサービス開始までに要した期間は、約1年8カ月。その間に実証実験も行ない、そこで得られた利用者の声もサービスに反映させた。その結果、「FairCast」は、クチコミで利用が広がり、現在、約200校が利用する人気サービスに成長している。

30万世帯の加入をめざす

今後の事業展望については、「より多くの学校で利用してもらうこと」をめざしている。利用者が増えているとはいえ、サービスの利用料金を上述の通りライバル商品に比べてかなり安く設定したため、まだ黒字化が達成できていない。

社会貢献的な側面や企業の知名度向上への貢献などから、事業に対する社内の評価は悪くはないが、事業として取り組む以上、採算性は重要である。同社は、09年までに30万世帯を目標に、加入者の獲得に力を入れている。

このほか、既存の利用者からさまざまな要望も寄せられていることから、「将来は、こうした要望を反映させたサービスも検討していきたい」考えだ(住田さん)。

●会社概要

社 名 株式会社 NTTデータ
代表者 山下徹
資本金 1425億2000万円
売上高 1兆449億1800万円 (07年3月期)
従業員数 8829名
所在地 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
URL NTTデータ:http://www.nttdata.co.jp/
 FairCast:http://www.faircast.jp/
掲載日:2008年9月18日
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