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起業ノウハウ
従業員と会社を助ける保険制度:育児休業・職場復帰
育児休業中の従業員が受けられる制度や、職場復帰後の注意点があれば教えてください。
 育児休業中の従業員の雇用を維持するため、一定の要件を満たした育児休業中の雇用保険の被保険者には、育児休業給付金が支給されます。育児休業を中心に、さまざまな制度をご紹介します。
女性

解説者

特定社会保険労務士 岩野麻子(いわの・あさこ)
勤務時代から、350社の中小企業に対する労務コンサルティング業務に従事し、企業内人事部では、従業員約3,000人をサポートした経験を持つ。現在は独立開業し、就業規則の作成や助成金の申請等を行なっている。

目次

解説

【育児介護休業とは】

 育児休業とは、育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行なう労働者の福祉に関する法律)で定められている制度で、原則として1歳に満たない子を養育する労働者からの申し出により、子が1歳に達するまで(1歳の誕生日の前日まで)の期間で、取得することができます。
 育児休業は原則として、一人の子につき1回まで取得することができ、休業期間等は次の通りです。

20140204.PNG

 育児休業取得中の給与を無給にすることも可能です(ノーワーク・ノーペイの法則)。休業中の給与の取り扱いについては、事前に就業規則等で定めておくと良いでしょう。また、法律の基準を上回る育児休業制度を自社で定めることも可能です。

【育児休業の対象者】

 育児休業は女性だけでなく、男性も取得することができます。また、契約期間の定めのある労働者についても、1年以上の雇用実績があり、かつ育児休業を終了した後も引き続き雇用されることが明らかな場合など、一定の条件を満たせば、育児休業の取得が可能です。

 一方、日雇い労働者は育児休業の対象外となります。また労使協定により、次の者を対象から除外することもできます。

(1)入社後1年未満の者
(2)休業申し出から1年以内(1歳から1歳6カ月に達するまでの育児休業を取得する場合には、6カ月以内)に雇用関係が終了することが明らかな者
(3)1週間の所定労働日数が2日以内の者

【社会保険料の免除】

 育児休業等を取得している期間については、健康保険・厚生年金保険(あわせて社会保険)の保険料は「育児休業等取得者申出書」を提出することにより、被保険者負担分および会社負担分ともに徴収が免除されます。

 保険料が免除される期間は、育児休業等開始月から終了予定日の翌日の月の前月(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業終了月)までです。また、2014年4月からは、産前産後休業中の社会保険料についても徴収が免除されます。

【育児休業給付金】

 雇用保険の一般被保険者である労働者で、原則として育児休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(過去に雇用保険の基本手当の受給資格の決定を受けたことのある場合は、受給資格決定を受けた後のものに限ります。)が12カ月以上ある者が育児休業を取得する場合、条件を満たせば育児休業給付金が支給されます。

 ただし、育児休業を開始する時点で、育児休業終了後に退職することが決まっている場合などは支給の対象となりません。

 育児休業給付金は原則として、「休業開始時賃金日額」×支給日数×40%(ただし、当分の間は50%)に相当する額が支給されます。休業開始時賃金日額とは、原則として育児休業開始前(産前産後休業を取得した被保険者の方が育児休業を取得した場合は、原則として産前産後休業開始前)6カ月間の賃金を180で除した額を言います。

20140204_1.PNG 一方、支給対象期間に賃金が支払われている場合は、以下のように金額が調整されます。

20140204_2.PNG

 なお、上記の賃金月額には上限額および下限額があります。これらの金額は毎年改定されますので、ハローワークにて最新の額をご確認ください。

 また、育児休業給付金の支給申請は、原則として2カ月に1回、所定の期日までに申請する必要があります。うっかり期限を過ぎてしまうことの無いよう、十分注意してください。

【職場復帰後に利用できる制度】

 育児休業が終了し、職場復帰する際に利用できる主な制度は以下の通りです(女性だけでなく、男性従業員も利用することができます)。

20140204_3.PNG

 日雇いの者など、一部制度が対象外となる労働者もいます。また、労使協定を締結することにより、一定の労働者を制度の適用対象外とすることもできます(入社後1年を経過しない者等)。

【よくある質問】

Q.育児休業を取得したいのですが、査定が下がりそうで不安です。また、従業員数の少ない零細企業なので、育児休業を取得すること自体可能なのでしょうか?
A.従業員から育児休業の申し出があったときに、事業主は、これを拒むことはできません。また、育児休業の申し出をしたことや、実際に育児休業を取得したことを理由として、人事考課で不利益な評価を行なったり、退職を強要するなど、不利益な取り扱いをしてはならないということになっています。
 とは言え、社内に代わりの人材がいない場合には、会社も引き継ぎや代替要員の確保などが必要になりますので、労使双方にとって納得のいく形で、育児休業を取得し、職場復帰できることが望ましいと言えます。

【問い合わせ先】

詳しい内容につきましては、下記にお問い合わせください。

掲載日:2014年2月 4日
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