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起業ノウハウ
中小企業労働環境向上助成金の活用(2)
当社は介護予防サービスに関する事業を行っていますが、従業員にかかるストレスが大きいとともに、従業員のレベルがそのまま業績に現れるシビアな事業でもあります。このため従業員に対しては教育に力を入れるとともに様々なフォローの必要もあると感じています。そのための具体的な施策に対する支援制度があれば、ご紹介下さい。
「中小企業労働環境向上助成金の活用(個別中小企業助成コース/雇用管理制度助成)」をご紹介します。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。

目次

解説

本助成金は、労働環境向上のための措置を講じた中小企業事業主に対して助成するものであり、雇用管理の改善と雇用創出を図ることを目的としています。

【対象となる措置】

対象となる措置は、以下の(1)(2)(3)のいずれかの雇用管理制度の導入です。なお、いずれの制度においても次の要件を満たしている必要があります。

  • 通常の労働者(※1)に対する制度であること
  • 当該制度が適用されるための合理的条件が労働協約または就業規則に明示されていること

(1)評価処遇制度
 次のすべてに該当する制度であること。

  • キャリアパス制度、昇進昇格基準、賃金体系制度、諸手当制度など、評価処遇に対する制度の導入
  • 賃金体系制度や諸手当制度については、制度導入後の賃金総額が低下しないものであること

(2)研修体系制度
 次のすべてに該当する制度であること。

  • 新入社員研修、管理職員研修、幹部職員研修など、教育訓練制度や研修制度の導入
  • 労働関係法令等により実施が義務づけられていないものを含むこと
  • 生産ラインまたは就労の場における通常の生産活動と区別して業務の遂行の過程外で行なわれる教育訓練等(Off-JT)であること
  • 1人につき10時間以上(休憩時間、移動時間等を除く)の教育訓練等であること
  • 当該時間内における賃金のほか、受講料(入学金・教材費を含む)、交通費等の諸経費を要する場合は、全額を事業主が負担するものであること
  • 教育訓練等の期間中の賃金について、通常の労働時の賃金から減額されずに支払われていること

(3)健康づくり制度(介護サービスの提供事業主のみ)
 次のすべてに該当する制度であること。

  • 法定の健康診断以外の健康づくりに資する制度であって、「腰痛健康診断」「B型・C型肝炎検査」「インフルエンザ予防接種」「結核検査」「検便」「メンタルヘルス相談」のいずれかに該当するものであること
  • 健康診断等の受診等により費用を要する場合は、費用の半額以上を事業主が負担していること

※1:通常の労働者とは、次の項目のいずれにも該当する労働者をいいます。

  • 事業主に直接雇用される者であって、事業主と期間の定めのない労働契約を締結する労働者
  • 当該事業所において正規の従業員として位置づけられていること
  • 所定労働時間が、事業所においてフルタイムで働く労働者と同等であること
  • 社会通念に照らして、労働者の雇用形態、賃金体系等(例えば賞与、定期的な昇給等の有無)が正規の従業員として妥当なものであること
  • 雇用保険の一般被保険者であること
  • 社会保険の適用事業所に雇用されている場合は、社会保険の被保険者であること

【対象となる事業主】

対象となる事業主の主な条件は、以下のとおりです。

  • 雇用保険の適用事業の中小企業事業主
  • 重点分野等の事業を行なう事業主(※2)
  • 対象となる雇用管理制度の導入を労働協約または就業規則に新たに定め、実際に重点分野等の事業に従事する1人以上の通常の労働者に適用させること。また、労働者の適正な雇用管理に努めること
  • 事業所ごとに雇用管理責任者(※3)を選任し、選任した者を事業所内に周知していること
  • 「雇用管理制度整備計画」(※4)の初日の前日から起算して6カ月前の日から、事業主都合による解雇(勧奨等退職を含む)をしていないこと。
  • 「健康づくり制度」の導入においては、介護サービス(※5)の提供を事業(他業種との兼業でも可)として行なう事業主であること

※2:対象となる事業分野に関しましては、別レポート「こんなときどうする?/正規雇用労働者育成支援奨励金の活用」の【対象となる事業主】の項をご参照下さい。
※3:雇用管理の改善への取り組み、労働者からの相談への対応、その他労働者の雇用管理の改善等に関する管理業務を担当する人をいいます。
※4:計画は、3カ月~1年の期間のもので、「導入する雇用管理制度の内容」「雇用管理制度の導入予定日」「雇用管理制度の対象となる通常の労働者数見込」といった項目を盛り込む必要があります。
※5:対象となる介護サービス事業に関しましては、別レポート「中小企業労働環境向上助成金の活用(1)」の【対象となる事業主】の項をご参照下さい。

【受給できる額】

受給できる額は、以下のとおりです。導入した制度に応じた金額が助成されます。

  • 評価処遇制度の導入...40万円
  • 研修体系制度の導入...30万円
  • 健康づくり制度(介護サービス事業所のみ)の導入...30万円

【受給のための手続き】

本助成金を受給するためには、以下のステップを踏む必要があります。

Step1.「雇用管理制度整備計画」の作成と提出
「雇用管理制度整備計画」を作成し、計画開始日(最初に雇用管理制度等を導入する月の初日)からさかのぼって6カ月前~1カ月前に、本社所在地を管轄する都道府県労働局へ提出します。

Step2.認定を受けた「雇用管理制度整備計画」に基づく雇用管理制度の導入
対象となる雇用管理制度を労働協約または就業規則を変更し新たに定めます。就業規則を変更した場合は、実際に適用する前に労働基準監督署に届出を行ない、その内容について事業所内に周知を行ないます。

Step3.雇用管理制度の実施
重点分野等の業務に従事する通常の労働者(「健康づくり制度」については、介護サービス事業に従事する通常の労働者)1名以上に対し制度を実施します。
また、制度の実施状況を報告するため、就業規則等の変更内容がわかる書類、対象労働者の出勤簿、賃金台帳等の書類を整備しておきます。

Step4.支給申請
計画期間終了後2カ月以内に、本社所在地を管轄する都道府県労働局へ支給申請を行ないます。

【よくある質問】

Q.「雇用管理制度整備計画」の認定に際しての審査基準はどのようなものですか?
A.都道府県労働局へ提出された「雇用管理制度整備計画」は、次のような認定基準に照らして審査されます。

  • 雇用管理制度が支給要件に合致し、雇用管理の改善に向けた取り組みや労働者の労働環境の向上改善を促し、労働者の確保定着につながるものであること
  • 「雇用管理制度整備計画」を達成するための措置内容、実施スケジュールが適正なものであること

【問い合わせ先】

本助成金の詳細につきましては、以下の問い合わせ先でご確認下さい。

掲載日:2013年8月 1日
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