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起業ノウハウ
中小企業労働環境向上助成金の活用(1)
当社は介護サービスに関する事業を行なっていますが、従業員にかかるストレスが大きい事業でもあります。このため従業員の負担軽減策を講じる必要があると感じています。そのための具体的な施策に対する支援制度があれば、ご紹介下さい。
「中小企業労働環境向上助成金の活用(個別中小企業助成コース/介護福祉機器等助成)」をご紹介します。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。

目次

解説

本助成金は、介護サービス事業主が、介護労働者の身体的負担を軽減するために、新たに介護福祉機器等を導入し、適切な運用を行なうことにより、労働環境の改善がみられた場合に助成されるものです。

【対象となる事業主】

対象となる事業主の主な条件は、以下のとおりです。

  • 雇用保険の適用事業の中小企業事業主
  • 介護福祉機器等を導入する事業所において、介護サービス(※1)の提供(他業種との兼業も可)を事業として行なう事業主
  • 雇用管理責任者(※2)を選任し、選任した者について事業所内に周知していること
  • 介護福祉機器等を導入する事業所(雇用保険適用事業所単位)において、「導入・運用計画」(※3)の初日の前日から起算して6カ月前の日から、事業主都合による解雇(勧奨等退職を含む)をしていないこと

※1:対象となる介護サービスは、以下のようなサービスです。

<介護保険法関連>

訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、老人訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護、複合型サービス、居宅介護支援、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護、介護予防短期入所療養介護、介護予防特定施設入居者生活介護、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型共同生活介護、介護予防支援

<障害者総合支援法関連>

障害福祉サービス等

<児童福祉法関連>

地域活動支援センター、障害児入所施設、児童発達支援センターで行なわれる介護サービス

<その他>

要介護者の移送、要介護者への食事提供(配食)、他の福祉サービス・保険医療サービス

※2:雇用管理の改善への取り組み、労働者からの相談への対応、その他労働者の雇用管理の改善等に関する管理業務を担当する人をいいます。
※3:計画は、3カ月~1年の期間のもので、「導入する介護福祉機器等」「導入機器の使用を徹底するための研修に関する事項」「介護技術に関する身体的負担軽減を図るための研修に関する事項」「導入機器のメンテナンス方法」「導入効果を把握するスケジュール」といった項目を盛り込む必要があります。

【受給できる額】

以下の合計額(税込)の2分の1(上限300万円)が助成されます。

  • 介護福祉機器等の導入費用(※4)
  • 保守契約費(保守契約を締結した場合)(※5)
  • 機器の使用を徹底させるための研修費
  • 介護技術に関する身体的負担軽減を図るための研修費(※6)

※4:介護福祉機器等を賃借する場合は、「導入・運用計画」期間内に実際に賃借した期間の費用のみが対象となります。また、介護福祉機器等を購入し、分割で支払う場合は、支給申請日までに支払完了した分のみ(利子を含む)が対象です。
※5:保守契約に関して、「導入・運用計画」期間を超えて締結する場合は、「導入・運用計画」期間内に相当する額(月割・年割などで計算)が対象となります。
※6:理学療法士など一定の資格を有する者を講師とする場合は、講師への謝金も対象となります

【受給のための手続き】

本助成金を受給するためには、以下のステップを踏む必要があります。

Step1.「導入・運用計画」の作成と提出

「導入・運用計画」を作成し、計画開始日(最初に介護福祉機器等を導入する月の初日)からさかのぼって6カ月前~1カ月前に、介護福祉機器等を導入する事業所の所在地を管轄する都道府県労働局へ提出します。

Step2.介護福祉機器等の導入・運用

認定を受けた「導入・運用計画」に基づいて介護福祉機器等を導入し運用します。導入から支給申請までの間は、当該機器に関する請求書、領収書、納品書を保管し、機器販売者には「介護福祉機器等販売・賃貸証明書」を記入・押印してもらいます。

Step3.介護福祉機器等の導入効果の把握

導入効果は、「機器の導入前」と「機器の導入後、計画期間終了までの間」に実施するアンケート調査(介護労働者の身体的負担などに関するもの)の結果に基づき、「(1)身体的負担が大きいと感じている職員数の改善率」と「(2)身体的負担軽減に資する作業方法が徹底された職員数の改善率」で評価します。(1)の改善率が60%以上であった場合には機器の導入関係費用、(2)の改善率が60%以上であった場合には介護術研修関係費用についての支給が決定されます。

Step4.支給申請

計画期間終了後2カ月以内に、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局へ支給申請を行ないます。

【よくある質問】

Q1.対象となる介護福祉機器等はどのようなものですか?
A1.介護労働者が使用することにより、直接的に身体的負担の軽減を図ることができ、労働環境の改善が見込まれるもので、1品10万円以上の介護福祉機器等が対象です。具体的には、移動用リフト、自動車用車いすリフト、座面昇降機能付車いす、特殊浴槽、ストレッチャー、自動排泄処理機、昇降装置、車いす体重計が該当します。

Q2.「導入・運用計画」の認定に際しての審査基準はどのようなものですか?
A2.都道府県労働局へ提出された「導入・運用計画」は、次のような認定基準に照らして審査されます。

  • 介護福祉機器等の導入、適切な運用により労働環境を改善し、それが介護労働者の雇用管理の改善につながる計画内容であること。また、その計画の実施により、介護労働者の身体的負担軽減などに一定の効果が見込まれること
  • 「導入・運用計画」の内容が明確かつ具体的であり、実効性が高いと判断されること
  • 導入機器が事業所の実情に即し、労働環境の改善に必要と認められること
  • 助成金の支給終了後も引き続き、その介護福祉機器等の使用が見込まれること

【問い合わせ先】

本助成金の詳細につきましては、以下の問い合わせ先でご確認下さい。
・ハローワーク案内:
http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
・各都道府県労働局:
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/

掲載日:2013年7月30日
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