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起業ノウハウ
人材育成型労働移動支援奨励金の活用(1)
新たに正規雇用として迎え入れる中途社員への教育に対して支援を受けられる制度があれば、ご紹介下さい。
「人材育成型労働移動支援奨励金(再就職コース)」をご紹介します。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。

目次

解説

人材育成型労働移動支援奨励金(再就職コース)は、事業主都合で離職した労働者を、正規雇用の労働者として雇い入れ、その労働者に職業訓練を行なった場合に、賃金および訓練経費を支給するものです。職業訓練は、Off-JT(※1)のみの場合、またはOff-JTとOJT(※2)の組み合わせの場合が対象となります。

※1:Off-JTとは、通常業務の過程外で行なわれる(事業内または事業外における)職業訓練のことです。
※2:OJTとは、適格な指導者の指導の下、通常業務の過程内における実務を通じた実践的な技能・知識の習得に係る職業訓練のことです。

【対象となる事業主】

対象となる事業主は、以下の条件をすべて満たす事業主です。

1.職業訓練計画を作成し、対象労働者に訓練を実施した事業主

2.健康、環境、農林漁業分野等の事業主(※3)

※3:対象となる事業分野に関しましては、別レポート「こんなときどうする?/正規雇用労働者育成支援奨励金の活用」の【対象となる事業主】の項をご参照下さい。

【対象となる労働者】

対象となる労働者は、以下の条件をすべて満たす労働者です。

1.直近の離職が、事業主都合による解雇等であって、雇用保険被保険者の資格喪失確認の際に「喪失原因3」とされた労働者。

2.期間の定めのない労働者として雇用されており、雇用保険被保険者である労働者。

【対象となる経費】

対象となる経費は原則、以下の訓練に係る経費です。ただし、事業主が支払いを終えている経費に限ります。

1.事業外訓練(事業主以外が企画し主催する訓練)の受講に係る下記の経費
 受講に際して必要となる入学料、受講料、教科書代など

2.事業内訓練(事業主が企画し主催する訓練)の受講に係る下記の経費
(1)外部講師(社外の者に限る)の謝金・手当(所得税控除前の金額)
 ただし、旅費・車代・食費・宿泊費などは対象外です。また、1時間当たり3万円が上限となります。
(2)施設・設備の借上料
 ただし、教室、実習室、マイク、ビデオなど、訓練で使用する備品の借料で、支給対象コースのみに使用したことが確認できるものに限ります。
(3)学科または実技の訓練に必要な教科書などの購入または作成費
 ただし、支給対象コースのみで使用するものに限ります。

【受給できる額】

受給できる額は、1訓練コースにつき以下の額です。なお、1年度1事業所当たりの支給限度額は500万円です。

1.Off-JT分の支給額
 賃金助成・・・1人1時間当たり 800円(上限1,200時間)
 経費助成・・・1人当たり 30万円を上限

2.OJT分の支給額
 実施助成・・・1人1時間当たり 700円(上限680時間)

【受給のための手続き】

本奨励金を受給するためには、以下のステップを踏む必要があります。

Step1.受給資格認定申請
「職業訓練計画(※4)」を作成し、労働局またはハローワークに提出します。
Step2.計画認定/職業訓練の開始
職業訓練計画が認定されたら、職業訓練を開始します。 (平成25年度末までに受給資格認定申請書を提出した上で、当該提出日から6カ月以内に訓練を開始してください。)
Step3.職業訓練の終了/支給申請
訓練計画終了後、2カ月以内に必要書類を揃え、労働局またはハローワークに支給申請します。
Step4.支給(不支給)決定
中央職業能力開発協会から事業主に支給(不支給)決定通知書が送付され、支給決定の場合、決定額が振り込まれます。

※4:職業訓練計画とは、「対象労働者に対して、いつ、どこで、どのような訓練を受けさせるか」を記載したものです。

  • 訓練計画期間は1年以内です。
  • 計画に入れられる訓練コースは、Off-JTのみの場合10時間以上、Off-JTとOJTを組み合わせた訓練の場合、Off-JTを10時間以上としなければなりません。
  • 訓練コースは、健康、環境、農林漁業等の業務に関するものであることが必要です。
  • 対象労働者ごとに職業訓練計画を作成します。ただし、同一の職業訓練計画の対象労働者が複数名いる場合は、一つの職業訓練計画にまとめることができます。
  • 訓練計画の内容に変更があった場合は、速やかに変更届を提出する必要があります。
  • 趣味・教養と区別の付かない訓練などは対象外です。
  • OJTは、以下の条件をすべて満たしていなければなりません。
    (1)Off-JTの科目、職種の内容と相互に密接な関連を有するものであること
    (2)科目、職種などの訓練内容について専門的知識または技能を有する者により行なわれるものであること
    (3)訓練の評価が実施されるものであること
    (4)支給対象訓練の総時間に占めるOJT時間の割合が9割以下であること

【よくある質問】

Q.申請時に必要な書類等は何ですか?
 A.受給資格認定申請時、支給申請時に下記の書類等が必要です。

<受給資格認定申請手続きに必要な書類>
  • 人材育成型労働移動支援奨励金(再就職コース)受給資格認定申請書
  • 人材育成型労働移動支援奨励金(再就職コース)職業訓練計画(全体、訓練コース)
  • 雇用保険適用事業所設置届(写し)
  • 健康、環境、農林漁業分野等に該当する事業を行なっていることを証明する書類(登記事項証明書、会社案内、定款など)
  • 期間の定めのない労働者として雇用された日が確認できる書類(雇用契約書雇入れ通知書の写し、労働条件等申立書など)
  • OJT担当講師の経歴書(OJTを実施する場合)
  • OJT評価シート(OJTを実施する場合)
  • 対象労働者一覧表(複数の対象労働者が同一の職業訓練計画を実施する場合)
<支給申請手続きに必要な書類>
  • 人材育成型労働移動支援奨励金(再就職コース)支給申請書
  • 人材育成型労働移動支援奨励金(再就職コース)申請額内訳
  • Off-JT実施・出席状況報告書
  • OJT実施状況報告書(OJTを実施した場合)
  • 労働条件等申立書
  • 受給資格認定(認定変更)通知書(写し)
  • OJT評価シート(OJTを実施した場合)
  • Off-JTの実施内容などを確認するための書類

■事業所内でOff-JTを実施した場合

  • 外部講師(社外の者に限る)の謝金、手当(所得税控除前の金額)を支払ったことを確認するための書類(講師の略歴、領収書など)
  • 施設、設備の借上料を支払ったことを確認するための書類
  • 学科または実技の訓練を行なう場合に必要な教科書、教材の購入、作成費を支払ったことを確認するための書類(品名、単価、数量を明記した領収書など)
  • 訓練の受講者数を確認するための書類

■事業所外でOff-JTを実施した場合

  • 受講に際して必要となる入学料、受講料、教科書代などを支払ったことを確認するための書類(領収書、受講料の案内など)
  • 訓練の受講者数を確認するための書類
  • 対象者が立替払いをしている場合は、対象労働者本人に返金するなどにより事業主が負担したことが確認できる書類
  • 訓練期間中に賃金が支払われていたことを確認するための書類(賃金台帳、給与明細書など)
  • 対象労働者一覧表(複数の対象労働者に同一の職業訓練計画を実施した場合)

【問い合わせ先】

本奨励金の詳細につきましては、以下の問い合わせ先でご確認下さい。

掲載日:2013年5月28日
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