経営ノウハウ

中小企業が直面する経営課題について、各分野の専門家が実践的にお応えします。

非正規雇用労働者育成支援奨励金の活用(2)
非正社員を戦力化すべく教育を行なうに際して支援を受けられる制度があれば、ご紹介下さい。
「非正規雇用労働者育成支援奨励金(有期実習型訓練)」をご紹介します。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。

目次

解説

非正規雇用労働者育成支援奨励金(有期実習型訓練)は、有期契約労働者等(※1)に対し、Off-JT(※2)とOJT(※3)を行なった場合の賃金や訓練経費を助成するものです。

※1:「有期契約労働者等」の定義に関しましては、別レポート「こんなときどうする?/非正規雇用労働者育成支援奨励金の活用(1)」をご参照下さい。
※2:Off-JTとは、通常業務の過程外で行なわれる(事業内または事業外における)職業訓練のことです。
※3:OJTとは、適格な指導者の指導の下、通常業務の過程内における実務を通じた実践的な技能・知識の習得に係る職業訓練のことです。

【対象となる事業主】

対象となる事業主は、健康、環境、農林漁業分野等の事業(※4)を行なっており、キャリアアップ管理者を配置したうえで、都道府県労働局長に認定された「キャリアアップ計画」「職業訓練計画」の下で、Off-JTとOJTを実施した事業主です。

※4:対象となる事業分野に関しましては、別レポート「こんなときどうする?/正規雇用労働者育成支援奨励金の活用」の【対象となる事業主】の項をご参照下さい。

【対象となる訓練】

対象となる訓練は、以下の条件を満たす訓練です。

  • 「一般職業訓練」に規定されたOff-JT(※5)とOJTを組み合わせて実施する職業訓練であって、正社員経験の少ない非正規雇用労働者を対象に、管轄労働局長が訓練基準に適合する旨の確認を行なった職業訓練であること。
  • 企業でのOJTと教育訓練機関等で行なわれるOff-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること。
  • 実施期間が3カ月以上6カ月以下であること。
  • 総訓練時間が6カ月当たりの時間数に換算して425時間以上であること。
  • 総訓練時間に占めるOJTの割合が1割以上9割以下であること。
  • 訓練修了後にジョブ・カード(※6)により職業能力の評価を実施すること。

※5:「一般職業訓練」に規定されたOff-JTに関しましては、別レポート「こんなときどうする?/非正規雇用労働者育成支援奨励金の活用(1)」の【対象となる訓練】の項をご参照下さい。
※6:ジョブ・カードに関しては以下のサイトをご参照下さい。
厚生労働省ホームページ(ジョブ・カードの概要)

(注)有期実習型訓練では、既に雇用されている、または新たに雇用される労働者が助成対象となります。助成対象となる対象労働者数に制限はありませんが、助成は同一労働者に対して1年度において1回のみとなります。

【受給できる額】

1訓練コースにつき以下の額が支給されます。(カッコ内は大企業の場合の額)

<Off-JT分の支給額>
賃金助成:1人1時間当たり 800円(500円)
経費助成:1人当たり 30万円(20万円)を上限

<OJT分の支給額>
実施助成:1人1時間当たり 700円(700円)
なお、1年度1事業所当たりの支給限度額は500万円です。

【受給のための手続き】

本奨励金を受給するためには、以下のステップを踏む必要があります。

Step1. 受給資格認定申請

  • 「キャリアアップ計画(※6)」を作成し、労働局またはハローワークに提出します。
  • キャリアアップ計画と同時またはキャリアアップ計画認定後に、「職業訓練計画(※7)」を作成し、 労働局またはハローワークに提出します。

Step2. 計画認定/職業訓練の開始
 キャリアアップ計画および職業訓練計画が認定されたら、職業訓練を開始します。

Step3. 職業訓練の終了/支給申請
 訓練計画終了後、2カ月以内に必要書類を揃え、労働局またはハローワークに支給申請します。

Step4. 支給(不支給)決定
 中央職業能力開発協会から事業主に支給(不支給)決定通知書が送付され、支給決定の場合、決定額が振り込まれます。

※7:「キャリアアップ計画」「職業訓練計画」に関しましては、別レポート「こんなときどうする?/非正規雇用労働者育成支援奨励金の活用(1)」の【受給のための手続き】の項をご参照下さい。

【よくある質問】

Q. 申請時に必要な書類等は何ですか?
  A. 受給資格認定申請時、支給申請時に下記の書類等が必要です。

<受給資格認定申請(キャリアアップ計画)手続きに必要な書類>
  • 非正規雇用労働者育成支援奨励金キャリアアップ計画書
  • 登記事項証明書、定款等
<受給資格認定申請(有期実習型訓練)手続きに必要な書類>
  • 非正規雇用労働者育成支援奨励金(有期実習型訓練)計画届
  • 登記事項証明書、定款等(キャリアアップ計画提出後に変更があった場合)
  • ジョブ・カード(評価シート)
  • 訓練カリキュラム
  • Off-JTの講師要件を確認するための書類 等
<支給申請(有期実習型訓練)手続きに必要な書類>
  • 非正規雇用労働者育成支援奨励金支給申請書
  • 賃金助成および実施助成の内訳
  • 経費助成の内訳
  • Off-JT実施状況報告書
  • 労働条件通知書または雇用契約書等(訓練期間中の労働者の雇用形態を確認できる書類)
  • 訓練期間中の出席状況を確認するための書類
  • 賃金台帳または給与明細書等(訓練期間中における賃金の支払いを確認できる書類)
  • 領収書、振込通知書または請求内訳書等(訓練に係る経費の負担を確認できる書類)
  • OJT実施状況報告書
  • 訓練対象者毎のジョブ・カード
  • 卒業証書等(新規学卒者に対して実施する場合)

【問い合わせ先】

本奨励金の詳細につきましては、以下の問い合わせ先でご確認下さい。

掲載日:2013年5月 9日