経営ノウハウ

中小企業が直面する経営課題について、各分野の専門家が実践的にお応えします。

輸出品にかかる放射線検査
当社では来月、食料品をアメリカに輸出することになっていますが、輸出に際しては放射線検査結果の証明書の添付が必要だと聞きました。当社の地元は被災地ではなく、放射線の問題も軽微であると考えていたため何の準備もできていません。どのようなことが必要になるのでしょうか。
東日本大震災から1年半が過ぎましたが、各国の放射線汚染物質に対するガードは固く、生産地が被災地でなくても日本からの輸入品に対しては受入国で放射線検査をする、または日本での放射線量検査結果の証明書の提出を要求する動きがあるようです。各国の輸入規制状況に関しては情報収集を怠らず、また、適切な検査結果の証明書などを提出する必要があります。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。

目次

解説

【諸外国の輸入規制状況】

商品の輸出をする際は、輸出先国における放射線汚染物質に対する輸入規制動向をあらかじめ知っておく必要があります。対放射線を含めた諸外国の輸入規制状況は、以下のホームページなどで確認することができます。

諸外国・地域における放射線検査 実施状況等(鉱工業品分野):経済産業省(PDFファイル)

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応:農林水産省

東日本大震災の国際ビジネスへの影響:ジェトロ

なお、各国・地域の貿易をめぐる環境は日々刻々と変化しています。タイムリーで詳細な情報を必要とする場合は、直接、輸出先国・地域の関連機関で確認されることもお勧めします。

例)
  ■米国食品医薬品局(FDA:U.S. Food and Drug Administration)

中華人民共和国 国家質量監督検験検疫総局

上記の他、各国の在日大使館や領事館でも情報提供をしてもらえる場合があります。この場合、各国大使館または領事館の商務部または貿易担当官などにご確認下さい。

【放射線量の証明書の発行(放射線検査機関)】

日本からの輸出品について、放射線量の証明書添付を求められた場合には、検査機関に依頼をして放射線量の(測定値の)証明書を発行してもらう必要があります。国内にある放射線検査機関は以下のホームページなどで紹介されています。

国内放射線検査機関(民間、国内全国対応):ジェトロ

検査機関には、食品専門、工業製品専門などそれぞれ得意とする分野があるため、事前に検査機関へ確認し、当該輸出商品の品目に応じた検査機関を選択しましょう。また、都道府県をはじめとする地方自治体等においても、放射線検査を実施している機関があります。

国内放射線検査機関(地方自治体等):ジェトロ

上記いずれの検査機関をご利用になる際も、事前に検査可能な商品や内容について確認されることをお勧めします。

【サイン証明書の発行(商工会議所)】

貿易証明業務を取り扱っている商工会議所では、放射線量について客観的な事実を記載した申請者の自己宣誓文に対し「サイン証明書」を発行しています。

ここで言う「客観的な事実」とは、輸出品の最終生産地における環境放射線水準などです。サイン証明書の発行には、商工会議所であらかじめ「貿易登録」を行なう必要があり、サイン証明書を発行できる商工会議所は貿易事務を取り扱っている商工会議所に限られます。

詳細は、各地の商工会議所または日本商工会議所国際部でご確認下さい。

各地商工会議所の連絡先

【よくある質問】

Q.放射線検査にかかる費用の助成制度などはありますか?
  A.国や地方自治体などが支援制度を設けている場合があります。
経済産業省は「輸出事業者向けの輸出品の放射線検査料補助事業(貿易円滑化補助事業)」として特定の検査機関での検査料金の一部を補助により減額する制度を設けています。また、山形県白鷹町は「平成24年度 白鷹町農畜産物等放射性物質対策補助金」として、同じく検査料金の一部を補助する制度を設けています。

輸出事業者向けの輸出品の放射線検査料補助事業(貿易円滑化補助事業)(PDFファイル)

平成27年度 白鷹町農畜産物等放射性物質対策補助金
 同様の制度は、他の自治体におきましても随時、実施される可能性がありますので地元の自治体の広報ページなどを確認されますことをお勧めします。

掲載日:2012年12月 4日