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起業ノウハウ
安全衛生管理:安全衛生管理体制の整備
当社では、先日労働災害が発生した際、労働基準監督署より「安全衛生管理体制」を整えるようにとの指導を受けました。とは言え、何から手を付ければよいのかわからない状況で困っています。従業員の安全と健康のために自社で取り組むべき事柄を教えてください。
まずは「安全衛生管理体制」の全体像をご説明します。自社にとって必要な対応は何か、再度確認してみてください。
女性

解説者

社会保険労務士 岩野麻子(いわの・あさこ)
勤務時代から、350社の中小企業に対する労務コンサルティング業務に従事し、企業内人事部では、従業員約3,000人をサポートした経験を持つ。現在は独立開業し、就業規則の作成や助成金の申請等を行なっている。

目次

解説

【安全衛生管理の重要性】

印刷業を営む事業場において、胆管がんを発症した従業員等から労災請求がされる事案が発生し、その後の厚生労働省の調査で同様の事例が全国で複数発覚したのは、まだ記憶に新しいことと思います。換気に問題は無かったのか、健康診断はきちんと行われていたのかなど、職場の安全衛生に関する管理体制の大切さを痛感させられるような出来事でした。

安全衛生に関する分野は、「会社の利益に直結しない上、短期的に見ればコストもかかる」という印象を持たれがちであるために、多くの会社で後回しになっているのが現状です。しかしながら、人間の健康、安全、そして生命にかかわる重要な分野であるため、安全衛生に配慮することは、事業者の重要な責務でもあります。

【一般的な安全衛生管理体制】

安全衛生管理体制とは、労働安全衛生法で規定する「企業の安全衛生活動を推進するための体制」のことで、言いかえれば、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を作っていくための体制と言えます。

労働災害を防止するためには、「防火扉前には荷物を置かない」など、一定の災害防止基準を設け、日ごろから職場を安全かつ快適な状況に保つ必要があります。また、現場の指揮をとる管理者や、安全衛生に関する担当者を事前に決めておくことも重要です。そこで、これらの安全衛生への取り組みについて具体的に組織化し定めたものが、安全衛生管理体制です。労働安全衛生法では、安全衛生に関する管理者や担当者、その職責まで明確に規定されています。

一般的な安全衛生管理体制一般的な安全衛生管理体制

【管理者、産業医選任の要件等】

安全衛生管理体制を構築するために必要な衛生管理者、産業医等の選任等については、事業の種類や規模によって細かく規定されています。  「安全衛生管理体制一覧表」(※資料参照)で、自社に必要な対応を確認してみましょう。

【よくある質問】

Q1.安全衛生管理をしなかった場合、罰則などはあるのでしょうか?
 A1.労働安全衛生法は、労働基準法から分離独立した法律であるため、労働者保護の観点から「労働刑法」的な側面を持ち合わせています。そのため、違反の内容によっては罰則もあります。例えば、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医を選任していなかった場合などは、「50万円以下の罰金」が科されます。

Q2.当社は日々の業務に追われて、安全衛生管理をする余裕がないのですが...
 A2.お気持ちはよくわかりますが、「重要度が高く、緊急性が低い仕事に取り組める」企業こそ競合他社との勝負に勝てる、と耳にします。従業員の健康や職場環境に配慮することは、企業のイメージアップにもつながります。また、結果として従業員の生産性も高まるのであれば、会社にとっても良いことではないでしょうか。安全衛生管理への取り組みは、身近なところからで構いません。通路をふさいでいた荷物を片付けたり、暗かった照明器具を明るくするだけでも、作業の効率が上がって、従業員も快適に働いてくれるかもしれません。

【資料】

安全衛生管理体制一覧表(PDF:51KB)

【問い合わせ先】

安全衛生の詳しい内容につきましては、最寄りの労働基準監督署安全衛生課にお問い合わせください。

■労働基準監督署案内:http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html

掲載日:2012年9月25日
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