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起業ノウハウ
高年齢者職域拡大等助成金の活用
高齢化の流れに対応し、当社では定年年齢の引き上げ、熟練者の得意分野を活かした事業分野の開拓など、高齢者の活用に本格的に取り組むこととしました。しかし、初期投資の負担が大きく、事業計画の完遂が危ぶまれています。このような取り組みに対する支援制度などがあればご紹介ください。
高年齢者職域拡大等助成金をご紹介します。これは、「希望者全員が65歳または70歳まで働くことのできる制度」の導入に際し、高年齢者の職域拡大や雇用管理制度構築その他これに準ずる取り組みを行なう計画(以下「職域拡大等計画」)の認定を受け、計画に基づく取り組みを実施し、高年齢者の職場整備を行なった事業主に対して、当該取り組み費用の一部を支給するものです。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行っている。

目次

解説

以下に、同助成金の受給要件、受給金額、申請手続き等について解説していきます。

【受給するためのおもな要件】

受給できる事業主は、次の1から10のいずれにも該当する事業主です。

1.雇用保険の適用事業主であること

2.職域拡大等計画(その実施期間が2年以内であるものに限る)を記載した職域拡大等計画書を、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出し、職域拡大等計画認定通知書の交付を受けている事業主

3.職域拡大等計画書に基づく措置として、職域拡大等計画の実施期間内に次の(1)から(3)のいずれかの措置(以下「職域拡大等の措置」)を実施した事業主

(1)高年齢者の職域拡大

  • 新事業分野への進出等による高年齢者の職場または職務の創出
  • 機械設備、作業方法または作業環境の導入または改善による既存の職場または職務における高年齢者の就労拡大

(2)高年齢者の雇用管理制度の整備

  • 高年齢者の意欲および能力に応じた適正な配置および処遇を行なうため、高年齢者の職業能力を評価する仕組みおよびこれを活用した賃金・人事処遇制度の導入または改善を行なうこと
  • 短時間勤務制度、隔日勤務制度など、高年齢者の希望に応じた勤務が可能となる労働時間制度の導入または改善を行なうこと
  • 高年齢者の負担を軽減するために、在宅勤務制度を導入すること
  • 就業意欲の向上、新たな職場または職務において必要となる職業能力の付与、高齢期において安全に就業するための知識の付与等を目的とする高年齢者向け研修システム、職業能力開発プログラム等の開発、導入または改善を行なうこと
  • 高年齢者が意欲と能力を発揮して働ける職場とするために必要な知識を付与するための、職場管理者向け研修システム、職業能力開発プログラム、高年齢者活用マニュアル等の開発、導入または改善を行なうこと
  • 高年齢者の意欲と能力を活かすため、高年齢者向け専門職制度の導入等、高年齢者に適切な役割を付与する制度の導入または改善を行なうこと
  • 上に掲げるものの他、高年齢者の就労拡大のために必要な高年齢者の雇用管理制度の導入または改善を行なうこと

(3)その他高年齢者の就労拡大のために必要な措置

  • 高年齢者の健康管理のために必要な法定を上回る健康診断制度等の導入または改善を行なうこと
  • 高年齢者が健康で意欲を持って働けるようにするための福利厚生制度の導入または改善を行なうこと
  • 上に掲げるものの他、1、2に準じる措置であって、高年齢者の就労拡大のために必要な取り組みを行なうこと

4.次の(1)から(3)までのいずれかに該当する事業主であること

(1)70歳雇用確保措置実施事業主
 職域拡大等計画書の提出日の前日において、「定年の定めの廃止」や「70歳以上までの定年の引き上げ」等のいずれの措置も講じていない事業主であって、支給申請日の前日までに就業規則等により、それらのいずれかに該当する措置を講じた事業主

(2)70歳雇用法人等設立事業主
 支給申請日の前日において就業規則等により、「定年の定めのない法人」や「70歳以上の定年を定めている法人」等を、職域拡大等計画の実施期間中に設立したこと

(3)65歳雇用確保措置実施事業主
 職域拡大等計画書の提出日の前日において、「定年の定めの廃止」や「65歳以上までの定年の引き上げ」等のいずれの措置も講じていない事業主であって、支給申請日の前日までに就業規則等により、それらのいずれかに該当する措置を講じた事業主

5.支給申請日の前日において、当該事業主に1年以上継続して雇用されている60歳以上の常用被保険者(70歳雇用法人等設立事業主にあっては、当該事業主の常用雇用者のうち60歳以上の常用被保険者または65歳以上の者)が1人以上いること

6.70歳雇用法人等設立事業主にあっては、支給申請日の前日において、当該事業主の常用雇用者に占める55歳以上の者の割合が3分の2以上であること

7.職域拡大等計画書の提出日の1年前の日から支給申請日の前日までの期間に、高齢法第8条または第9条の違反がないこと

8.職域拡大等の措置の実施に必要な許認可等を受けていることをはじめとして、法令を遵守し、適切に運営する事業主であること

9.職域拡大等の措置の実施に要した経費であって、「受給できる額」に掲げる対象経費を支払った事業主であること

10.職域拡大等の措置の実施状況が分かる書類を整備していること等

【受給できる額】

受給できる額は、職域拡大等計画の実施期間内に要した経費の3分の1です。ただし、対象経費には人件費を含まず、支給申請日までに支払いが完了したものであって、証拠書類により支払いの事実が確認できるものに限ります。

受給できる額の上限は、支給申請日の前日において当該事業主に1年以上雇用される55歳以上の常用被保険者(※1)の人数に10万円(※2)を乗じた額(※3)です。

※1:70歳雇用法人等設立事業主の場合は、当該事業主の常用雇用者のうち55歳以上の常用
※2:70歳雇用確保措置実施事業主および65歳雇用確保措置実施事業主のいずれにも該当する場合は20万円
※3:その額が500万円を超える場合は500万円

【受給のための手続き】

高年齢者職域拡大等助成金を受給するためには、以下のステップで申請を行なう必要があります。

1.計画申請
 職域拡大等計画書と必要書類を、計画の開始日の6カ月前の日から3カ月前の日までに、当該事業主の主たる事務所が所在する都道府県の高齢・障害者雇用支援センターを経由して高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出し、認定を受けます。

2.支給申請
 職域拡大等計画の実施期間の終了日の翌日から起算して2カ月以内に、高年齢者職域拡大等助成金支給申請書と必要書類を、当該事業主の主たる事務所が所在する都道府県の高齢・障害者雇用支援センターを経由して高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に申請します。

【よくある質問】

Q.職域拡大等計画の実施に要した経費であれば、すべて対象となりますか?
  A.対象となる経費は、以下のとおりです。

1.定年引き上げ等の措置に必要な経費
就業規則等の改正等に係る社会保険労務士への委託経費等、定年引き上げ等の措置の実施に伴い必要と認められる経費

2.職域拡大等の措置の実施内容の検討に要する経費
 職域拡大等の措置の詳細な実施内容を定めた計画(以下「実施計画」)の策定に要する次の経費

  • 実施計画の策定のための会議の設置および運営費
  • 市場調査費
  • 現況調査分析費
  • 実施計画の策定に係る相談経費
  • その他実施計画の策定に必要と認められる経費

3.職域拡大等の措置の実施に必要な経費

  • 新事業分野への進出等による高年齢者の職場または職務の創出の措置に要した経費
  • 機械設備、作業方法または作業環境の導入または改善による既存の職場または職務における高年齢者の就労拡大に要した経費
  • 高年齢者の雇用管理制度の整備およびその他高年齢者の就労拡大のために必要な措置に要した経費

なお、上記1~3にかかわらず、助成金を申請する事業主と次の者との間の取引に要した経費は支給対象経費から除外されます。

・当該事業主が個人の場合
 当該事業主の配偶者、当該事業主またはその配偶者の1親等以内の親族、当該事業主の従業員またはこれらの者が役員である法人

・当該事業主が法人の場合
 当該法人の役員、当該法人の役員の配偶者、当該法人の役員またはその配偶者の1親等以内の親族、当該法人の従業員またはこれらの者が役員である法人

【問い合わせ先】

当奨励金の詳細につきましては、以下の問い合わせ先でご確認ください。

最寄りのハローワーク、または各都道府県の労働局
ハローワーク案内:http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
各都道府県労働局:http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/

掲載日:2012年9月 6日
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