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起業ノウハウ
通年雇用奨励金の活用
当社は地元では比較的規模の大きな中堅企業ですが、地域貢献の一環として、季節労働者の積極的な受け入れにも力を入れていきたいと考えております。しかし、雇用を通した地域貢献には資金面の負担が大きいことも事実です。当社のような取り組みに対する支援制度などがあれば教えてください。
通年雇用奨励金をご紹介します。この奨励金は、北海道、東北地方等気象条件の厳しい積雪寒冷地において、季節的業務に従事する労働者(以下、「季節労働者」)を通年雇用した事業主に支給されるものです。
女性

解説者

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行っている。

目次

解説

当奨励金で定義される「季節労働者」とは次の者です。

季節労働者:指定地域(※1)に所在する事業所において、指定業種(※2)に属する事業を行なう事業主に、季節的業務に従事する労働者として雇用され、各年度10月1日以降に離職した特例受給資格者(当該受給資格に基づき特例一時金を受給した者を含む)で65歳未満の者

※1:積雪または寒冷の度合いが特に高い地域として厚生労働大臣が指定する地域。北海道、青森県、秋田県等13道県の全市町村または一部市町村。
 ※2:厚生労働大臣が指定する業種。林業、建設業、水産食料品製造業等。

【受給できる事業主】

受給できる事業主は、次の(1)(2)(3)のいずれかに該当する雇用保険の適用事業の事業主です。

(1)指定地域所在の事業所において、指定業種に属する事業を行なう事業主で、季節労働者を対象期間(※3)中、継続雇用し、かつ、その後において少なくとも翌年度12月15日まで継続雇用することが見込まれること。ただし、当該年度の対象期間初日(※4)に65歳以上である者は除きます。

(2)指定地域所在の事業所において、指定業種に属する事業を行なう事業主で、新規継続労働者を3人以上雇い入れ、かつ、その後少なくとも翌年度12月15日まで継続雇用することが見込まれ、指定業種以外の業種に属する事業を実施するために必要な事業所(以下「新分野事業所」)を設置等し、最初の新規継続労働者雇入日から起算して18カ月以内に新分野事業所の業務に従事させること(以下「新分野進出」)。

(3)指定地域所在の事業所において、指定業種以外の業種に属する事業を行なう事業主で、季節労働者を試行雇用(以下「トライアル雇用」)し、トライアル雇用終了後も引き続き一般被保険者として雇い入れ、かつ、当該対象労働者を奨励金支給後も引き続き雇用することが確実であると認められること(以下「季節トライアル雇用」)

※3:12月16日~翌年3月15日
  ※4:12月16日。季節労働者を季節的業務以外の業務へ転換(以下「業務転換」)させる場合はその開始日。

【受給できる額】

受給できる額は、申請内容に応じて異なります。

(1)事業所内就業および事業所外就業の場合
 申請対象者1人あたりにつき、1対象期間について支払った賃金の1/2(新規継続労働者については2/3)の額が支給されます。ただし、申請対象者1人あたり54万円(新規継続労働者については71万円)を限度に、受給回数は継続3回までとします。支給対象事業主が対象期間内に指定地域外に移動して請負事業を行なった場合は、申請対象者の移動に要した経費相当額が支給されます。ただし、移動距離に応じた額とし、1人あたり15万円を限度とします。なお、この移動経費に対する助成は、平成25年3月15日までの暫定措置です。

(2)休業の場合
 申請対象者1人あたりにつき、1休業期間(1月1日~4月30日)について支払った休業手当(最大60日分)および1対象期間について支払った賃金(休業手当を除く)の合計の1/3(第1回目については1/2)の額が支給されます。ただし、申請対象者1人あたり54万円(新規継続労働者については71万円)を限度とし、(1)の事業所内就業および事業所外就業の受給回数3回のうち、2回まで休業を選択して申請できます。

(3)業務転換の場合
 申請対象者1人あたりにつき、業務転換の開始日から6カ月の期間に支払った賃金の1/3の額が支給されます。ただし、申請対象者1人あたり71万円を限度に、受給回数は1回限りです。

(4)(1)または(2)の助成に加算して、申請対象者1人あたりにつき、1対象期間に事業主が支払った季節的業務に係る職業訓練経費の1/2(季節的業務に係る職業訓練以外の職業訓練については2/3)の額が支給されます。ただし、申請対象者1人あたり3万円(季節的業務に係る職業訓練以外の職業訓練については4万円)を限度に、受給回数は3回までです。

(5)新分野進出の場合
 事業所の設置等に要した経費の1/10の額が支給されます。ただし、500万円を限度に、受給回数は継続3回(2回目、3回目も同額)までです。

(6)季節トライアル雇用の場合
 申請対象者1人あたりにつき、トライアル雇用終了後に常用雇用に移行した日から6カ月の期間について支払った賃金の1/2(平成25年4月1日以降は1/3)の額からトライアル雇用により支給された試行雇用奨励金の額を差し引いた額が支給されます。ただし、申請対象者1人あたり71万円を限度に、受給回数は1回限りです。

【受給のための手続き】

「季節トライアル雇用」の場合と「それ以外」の場合に応じて、以下の手順で手続きを踏む必要があります。

(1)季節トライアル雇用の場合

  1. 季節労働者を試行雇用します。
  2. 「通年雇用奨励金季節トライアル雇用支給申請書」等を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。提出期間は、トライアル雇用終了日直後の賃金締切日翌日から起算して6カ月後の賃金締切日の翌日から1カ月以内です。

(2)季節トライアル雇用以外の場合

  1. 「通年雇用届」等を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。提出期間は12月16日から翌年1月31日までです。
  2. 「通年雇用奨励金支給申請書」等(以下「支給申請書等」)を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。提出期間は3月16日から翌年度6月15日までです。

(補足)申請内容に応じて、追加で提出する申請書類があります。

  • 「業務転換に係る助成」を申請する場合
     「通年雇用届(業務転換用)」等を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。提出期間は業務転換開始日から起算して1カ月以内です。そして、その後3月16日から翌年度6月15日までに「通年雇用奨励金業務転換支給申請書」等を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。
  • 「職業訓練に係る助成」を申請する場合
     職業訓練を実施する前日までに「通年雇用奨励金職業訓練実施計画書」等を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。そして、その後3月16日から翌年度6月15日までに「通年雇用奨励金職業訓練支給申請内訳書」等を、支給申請書等と併せて、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。
  • 「新分野進出に係る助成」を申請する場合
     設置等した施設の引渡前までに「通年雇用奨励金新分野進出事業所設置・整備および雇入れ計画書」等を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。そして、その後、最初の新規継続労働者雇入日から起算して18カ月経過日までに「通年雇用奨励金新分野進出事業所設置・整備完了届兼支給申請書」等を、事業所所在地を管轄する公共職業安定所経由で道県労働局長に提出します。

【よくある質問】

Q.対象期間のみに集中して従業員を雇用するなどの場合でも奨励金の対象となりますか?
 A.季節トライアル雇用以外の場合、支給対象事業所において、申請対象者が奨励金の受給要件を満たしていても、常用労働者数が一定の式において基準数を下回る場合は、奨励金が支給されないことがあります。

【問い合わせ先】

当奨励金の詳細につきましては、以下の問い合わせ先でご確認ください。

最寄りのハローワーク、または各都道府県の労働局
 ・ハローワーク案内:http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
 ・各都道府県労働局:http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/

掲載日:2012年8月 2日
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