経営ノウハウ

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高校生を雇用する際の注意点
先日、アルバイトの募集をしたところ、高校生が半数以上を占めていました。応募の理由を聞いてみると、その多くが家庭の経済状況が厳しくなり生活費や学費の一部を稼がなくてはならないとの理由でした。なんとか力になりたいと思うのですが、当社ではこれまで高校生を雇ったことがありません。高校生を雇う際の注意点について教えてください。
(埼玉県 F社社長)
年齢確認と証明書類の備え付け、労働時間(時間外・休日労働の禁止)がポイントです。
男女

解説者

社会保険労務士 富岡 英紀(とみおか・ひでき)
経営・労務に関するコンサルティングのほか、ベンチャー企業への助成金コンサルティングや就業規則によるリスクヘッジなど付加価値の高いサービスにとくに力を入れている。
社会保険労務士 加藤美香(かとう・みか)
就業規則作成、人事制度(賃金・評価・退職金制度)設計、社員教育などを通じて、企業の労務トラブルの防止や組織活性化の支援に取り組んでいる。

目次

解説

労働基準法では、満18歳未満の労働者を「年少者」としており、いくつかのルールを定めています。以下、年少者を雇用する際の注意点をまとめました。

(1)年齢の確認
 満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者(児童)は、原則として使用することはできません。

(2)年齢確認の証明書類の備え付け
 年少者については、年齢を証明する戸籍証明書(住民票など)で年齢を確認し、その書類を社内に備え付けなくてはなりません。この証明書類を備え付けないまま年少者を雇入れた場合、労働基準法違反となりますのでご注意ください。

(3)雇用契約・賃金
 年少者の場合にも、雇用契約は本人と結ぶ必要があります。親権者が本人に代わって契約をすることはできません。ただし、契約締結については親権者等の同意を取り付けておいた方が良いでしょう。また、賃金についても本人に直接支払う必要があります。

(4)労働時間の制限
 年少者は、労働時間についても制限があり、原則として法定労働時間内で働くことになります。「変形労働時間制」、「フレックスタイム制」、「36協定による時間外・休日労働」などを適用することはできません(ただし、週40時間の範囲内において、1週間のうちの1日の労働時間を4時間以内に短縮すれば、他の労働日を10時間まで延長することができます。また、週48時間、1日8時間の範囲内であれば、1カ月単位または1年単位の変形労働時間制を適用することもできます)。

(5)深夜業の禁止
 深夜(午後10時から午前5時まで)の業務や、危険・有害な業務などに就かせることも原則禁止されています(ただし、交代制勤務の場合、満16歳以上の男子については深夜労働が認められています)。

高校生のアルバイトを雇う場合には、以上の点に十分注意してください。

【資料1】親権者の同意書(ひな型)(PDF:20KB)

掲載日:2011年11月 8日