経営ノウハウ

中小企業が直面する経営課題について、各分野の専門家が実践的にお応えします。

振替休日の取扱いについて
人員を大幅に減らした影響から、一部の社員には法定休日にも出勤してもらわざるをえない状況が続いています。その際には、別の日に振替休日を設けるようにして、休日労働にはならないようにしているのですが、実際には、業務多忙ゆえに振替休日と指定した日にも働いてしまっています。
 振替休日に休ませることができない場合、どのように対処をすればよいのでしょうか?
(東京都 P社社長)
振替休日の消化がどうしても難しい場合には、代休扱いに切り替え、休日労働の割増賃金を支払うことも検討してみましょう。
男性

解説者

社会保険労務士 富岡英紀(とみおか・ひでき)
経営・労務に関するコンサルティングのほか、ベンチャー企業への助成金コンサルティングや就業規則によるリスクヘッジなど付加価値の高いサービスにとくに力を入れている。
社会保険労務士 加藤美香(かとう・みか)
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。

目次

解説

休むはずの日に仕事をしてもらい、別の日に休みを取ってもらう方法には、「振替休日」と「代休」の2種類があります。これらは混同してしまいがちですが、要件や給与計算の面で扱いが異なるので、まずはその違いを整理しておきましょう。

はじめに「振替休日」ですが、法定休日と勤務日とを事前に入れ替えることをいいます。この場合、勤務日と休日とが入れ替わるだけなので、休日労働にはならず、休日労働の割増賃金も発生しません。

一方の「代休」ですが、休日出勤をした場合にその代償として他の勤務日の労働を免除するもので、振替休日のように勤務日と休日が入れ替わっているわけではないため、休日出勤はそのまま休日労働となります。したがって、休日労働に対する割増賃金を支払う必要があります。つまり、同じように休日出勤をしても、「振替休日」か「代休」かによって割増賃金に違いが生じます。

もう一つの違いが、事前に休日(振替休日)を特定するか、事後に代わりの休日(代休)を与えるかという違いです。振替休日とする場合には、次の要件を満たしていなければなりません。

1.就業規則に振替休日の規定を定めていること

2.前に振り替える休日を特定していること

3.法定休日(週1回の休日)を確保していること

4.遅くとも振替日の前日までに本人に予告していること

これらの要件を満たしていない場合には、休日労働の割増賃金を支払う必要がでてきます。

今回の相談内容は、振替休日の指定日に休みを取らせることができない場合の対処法ということですが、理想としては、本来の目的通り振替休日を消化させることです。しかし、どうしても難しい場合には、代休扱いに切り替えて割増賃金を支払うことで対応することも検討してみましょう。

【資料1】振替休日と代休の違い(PDF:30KB)
【資料2】就業規則 規定例(PDF:18KB)

掲載日:2011年9月20日
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