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起業ノウハウ
精神障害者雇用安定奨励金(社内理解促進奨励金)について
当社には、うつ病で1年間休職している従業員がおりますが、来月には職場復帰する予定です。職場復帰にあたっては、周囲の従業員の理解が何より重要と聞いたので、「精神障害者をどのように支援したらよいのか」などを理解するための講習を専門家に行なってもらうことにしました。このような場合に助成してもらえる制度がありましたら教えてください。
精神障害者雇用安定奨励金のうち、社内理解促進奨励金を紹介します。この奨励金は、従業員に精神障害者支援のための講習を受けさせた場合に一定額を助成するものです。
女性

解説者

社会保険労務士・中小企業診断士 加藤美香(かとう・みか)
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。

目次

解説

【受給するためのおもな要件】

次のいずれの要件も満たすことが必要です。

1.雇用保険を事業所に適用していること

2.次のいずれにも該当すること
・障害者雇用促進法に規定する精神障害者である求職者(以下「対象精神障害者」という)(※1)をハローワークまたは、地方運輸局の紹介により、雇用保険の一般被保険者として雇い入れ、継続的に就労させること
・障害者雇用促進法に規定する精神障害者である65歳未満の休職者(※2)を職場復帰させ、継続的に就労させること

3.精神障害者の支援に関する知識を習得するため、一定の講習(以下「精神障害者支援講習」という)をその事業所の労働者に受講させること

4.精神障害者支援講習の開始日の前後6カ月間に、対象精神障害者の雇い入れまたは休職者の職場復帰を行なうこと

5.対象精神障害者を雇い入れる場合は、雇い入れ日の前後6カ月間にその事業所の雇用保険被保険者を解雇等(勧奨退職等を含む)していないこと

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【精神障害者支援講習とは】

1.講習時間
1回につき2時間以上です。

2.講習の対象
雇い入れた精神障害者または職場復帰した休職者と同じ職場の労働者です。

3.講習方法と講習内容
次のいずれかの者を講師とする講習またはその事業所以外の機関が実施する講習で、内容は精神障害者の支援に関するものです。

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【受給できる額】

精神障害者支援講習1回につき、要した費用の1/2です。(5万円が上限)
 ただし、支給対象となる講習期間は1年間が上限で、1年間の講習回数は5回が上限です。

1.対象となる費用
講師謝金、講師旅費、講習を実施する会場使用料、教材費・資料代、外部機関が実施する講習の受講料等

2.対象とならない費用
労働者が精神障害者支援講習に参加するための旅費や講習期間中の賃金等
その事業所において選任されている産業医や産業保健スタッフ、その事業所の労働者を講師とした場合の講師謝金および講師旅費

【受給するための手続き等】

1.利用届を提出します。
対象精神障害者の雇い入れまたは休職者の職場復帰、精神障害者支援講習の開始の予定を記載した利用届を、その雇い入れ、もしくは職場復帰の日、または精神障害者支援講習の開始日のいずれか早い日の前日までに、本社等の主たる事業所を管轄する労働局に提出します。

2.雇い入れまたは職場復帰を実施します。

3.講習を開始します。

4.支給申請をします。
次のアまたはイのいずれか遅い日の翌日から起算して1カ月以内に、必要な書類を添えて支給申請書を労働局に提出します。
 ア.対象精神障害者の雇い入れ日または休職者の職場復帰日から6カ月を経過した日
 イ.精神障害者支援講習修了日

5.奨励金が支給されます。
審査の上、奨励金が支給されます。

 2.対象精神障害者の雇い入れまたは休職者の職場復帰、3. 精神障害者支援講習の開始のいずれかについて、利用届の提出日から6カ月以内に実施します。
 なお、2. または3. を実施した日から6カ月以内に、もう一方の取り組みを実施します。
 2. と3. の順序は問われませんが、利用届の提出日から6カ月以内に、いずれも実施しなかった場合は、支給申請をすることはできません。

【よくある質問】

Q1.対象とならない講習の例を教えてください。
  A1.セルフケア(受講する対象者が自分のストレスや心の健康について理解し自らのストレスを予防、軽減するあるいは対処すること)に関する講習や通信教育による講習は対象となりません。

Q2.対象精神障害者または休職者が、支給申請時までに離職した場合、支給申請はできるのでしょうか。
  A2.自己都合により離職した場合については、離職日から1カ月以内に新たに精神障害者を雇い入れるか、または、別の休職者が職場復帰した場合は、奨励金の支給を受けることができます。一方、事業主都合で離職した場合は、奨励金の支給を受けることはできません。

Q3.精神障害者支援講習の開始日と対象精神障害者の雇い入れまたは休職者の職場復帰は、どちらが先でもよいのでしょうか。
  A3.順序は問われませんが、精神障害者支援講習の開始日の前後、6カ月以内に行なうことが要件となります。

Q4.精神障害者雇用安定奨励金には社内理解促進奨励金のほかにどのような奨励金がありますか。
  A4.精神障害者専門家活用奨励金、精神障害者支援専門家養成奨励金、ピアサポート体制整備奨励金があり、いずれも精神障害者の雇用を促進し、職場定着をはかるための奨励金です。
 精神障害者の雇用や休職者の職場復帰の際のさまざまな場面で利用することができます。複数の奨励金を組み合わせて利用することもできます。

【問い合わせ先】

 都道府県労働局一覧:http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/
   ハローワーク一覧:http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html

掲載日:2011年1月18日
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