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起業ノウハウ
中小企業雇用安定化奨励金について
当社は、創業間もないベンチャー企業です。これまでは、契約社員を積極的に雇ってきたのですが、優秀な者が多く、もっと活躍して欲しいので、正社員に登用する制度を設けようと考えています。このような制度を設けた場合に、もらえる助成金があれば、教えてください。
中小企業雇用安定化奨励金を紹介します。この奨励金は、中小企業において、就業規則や労働協約により、新たに契約社員やパートタイマーを正社員に転換させる制度を導入し、実際に転換させた場合に、奨励金が支給されるものです。
女性

解説者

社会保険労務士 加藤美香(かとう みか)
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。

目次

解説

1.受給するためのおもな要件

    1. 雇用保険を事業所に適用していること
    2. 次の範囲の中小企業であること
製造業・建設業・運輸業その他の業種 資本金または出資の額が3億円以下、または従業員数が300人以下
卸売業 資本金または出資の額が1億円以下、または従業員数が100人以下
サービス業 資本金または出資の額が5000万円以下、または従業員数が100人以下
小売業 資本金または出資の額が5000万円以下、または従業員数が50人以下
  1. 雇用するすべての契約社員やパートタイマーなど(以下、有期契約労働者という)を対象として、通常の労働者(以下、正社員という)に転換させる制度(以下、転換制度という)を労働協約または就業規則に新たに定めたこと
  2. 転換制度を定めた労働協約または就業規則に基づき、有期契約労働者を1人以上、正社員へ転換させたこと
  3. 転換制度を公平かつ適正に実施していること

2.対象となる有期契約労働者とは?

  1. 正社員への転換前に、6カ月以上の期間、有期契約労働者として雇用されており、雇用保険の被保険者であること(ただし、被保険者でない者は、公共職業安定所または、有料・無料職業紹介事業者の紹介により雇用された者であること)
  2. 正社員への転換後においても引き続き継続して雇用することが見込まれる者であること
  3. 正社員への転換日の前日から起算して過去3年間にその中小企業の正社員であったことがないこと
  4. 正社員として雇用することを前提として雇い入れた有期契約労働者ではないこと

3.転換制度の内容は?

  1. 転換のための条件が明示されていること
  2. すべての有期契約労働者を対象としていること
  3. 転換後は、直接雇用で、期間の定めのない労働契約をすること
  4. 転換後の所定労働時間が、フルタイムで働く労働者の所定労働時間の9割を超えていること
  5. 転換後の待遇が、雇用形態、賃金体系等(賞与、定期的な昇給等の有無、社会保険への加入など)が正社員として妥当なものであること
  6. 転換後は、雇用保険の一般被保険者とすること

ワンポイント!
  転換制度の条件としては、以下のようなものが考えられます
  ・能力評価がB以上であること
  ・1年以上の勤続年数があること
  ・1日8時間かつ1週40時間の勤務が可能であること
  ・実技試験や人事部長の行なう面接試験に合格したこと

4.受給できる額

  1. 転換制度導入事業主の場合
    新たに転換制度を導入し、かつ、制度を適用してその雇用する有期契約労働者を1人以上正社員に転換させた場合・・・・1事業主につき35万円
  2. 転換促進事業主の場合
    制度を導入した日から3年以内に3人以上の有期契約労働者を正社員に転換させた場合・・・・対象者1人につき10万円(10人が限度)

ワンポイント!
  有期契約労働者に母子家庭の母がいる場合は、拡充措置があります。
  新たに転換制度を導入した日から3年以内に2人以上の有期契約労働者を通常の
  労働者に転換させた場合
  母子家庭の母である対象者・・・1人につき15万円
  母子家庭の母でない対象者・・・1人につき10万円

5.受給するための手続き

  1. 就業規則または労働協約に転換制度を新しく導入します。
  2. 1. に基づいて、実際に有期契約労働者から正社員に転換させます。
  3. 対象者を正社員として、1カ月分の基本給を支給した日の翌日から起算して1カ月以内に支給申請書(初回申請用)を都道府県労働局または、公共職業安定所に提出します。(転換制度導入事業主の場合)
  4. 審査があり、適正であれば、奨励金が支給されます。
  5. 正社員への転換制度を導入した日から3年以内に3人以上を正社員へ転換させます。
  6. 対象者に正社員としての6カ月分の基本給を支給した日の翌日から起算して1カ月以内に中小企業雇用安定化奨励金支給申請書(2回目以降申請用)を都道府県労働局または、公共職業安定所に提出します(転換促進事業主の場合)。
    ※ただし、正社員へ転換した労働者が3人目(母子家庭の母を含む場合は、2人目)に達するまでは支給申請を行なうことはできず、3人目(母子家庭の母を含む場合は、2人目)に達した時にまとめて申請します。
  7. 審査があり、適正であれば、奨励金が支給されます。
※母子家庭の母を含む場合は、2人以上

    ※母子家庭の母を含む場合は、2人以上

6.よくある質問

Q.1 就業規則に既にパートタイマーから正社員への転換制度が設けてある場合は、対象となりますか?
  A.1 平成20年4月1日以降に、新たに就業規則または労働協約に転換制度を定め、実際に対象者が出ることが要件となります。以前から転換制度が設けられていた場合は、対象となりません。

Q.2 奨励金を受給中に労働者を解雇した場合は、支給対象となりますか。
  A.2 解雇をした場合は、それ以降の奨励金は受給できなくなります。

Q.3 派遣社員を正社員として採用した場合も対象となりますか?
  A.3 派遣社員を採用しても対象となりません。

Q.4 有期契約労働者とは、パートタイマーだけですか?
  A.4 嘱託社員、契約社員など、名称によらず、期間の定めのある雇用契約を結んでいる者のことをいいます。

掲載日:2009年2月17日
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