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起業ノウハウ
職場意識改善助成金について
弊社は、社員の定着率やモチベーションアップをはかるため、社員の様々な事情に対応できる労働時間制度の導入や有給休暇の取得促進などをはかることを考えています。このような取り組みに対して助成してもらえる制度がありましたら教えてください。
職場意識改善助成金を紹介します。この制度は、中小企業における労働時間や休日・休暇の設定の改善をはかることによって、職場意識の改善を促すため、職場意識改善に関する2年間の計画を作成し、計画に基づく措置を効果的に実施した中小企業の事業主に対して、助成金が支給される制度です。

女性

解説者

社会保険労務士 加藤美香(かとう みか)
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。

目次

解説

1.受給するためのおもな要件

    1. 労働者災害補償保険(労災保険)を事業場に適用させていること
    2. 次の範囲の中小企業であること
製造業・建設業・運輸業その他の業種 資本金または出資の額が3億円以下、または従業員数が300人以下
卸売業 資本金または出資の額が1億円以下、または従業員数が100人以下
サービス業 資本金または出資の額が5000万円以下、または従業員数が100人以下
小売業 資本金または出資の額が5000万円以下、または従業員数が50人以下
    1. 事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長に「職場意識改善計画」を届け出て、認定を受けた事業主であること
◆認定されるためには次の要件が必要です。
2年間にわたり、労働時間制度や有給休暇制度の改善などを通じて、職場における意識の改善に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる計画であること
  1. 「職場意識改善計画」に基づいて、必要な体制の整備(例えば、労使が話し合える場を設置する)など、職場意識改善に関する措置を行ない、効果的に計画を実施したこと
  2. 職場改善に関する措置の実施の状況を明らかにする書類を整備していること

2.職場意識改善計画とは

職場意識改善計画とは、労働時間等の設定の改善(※1)や職場における意識の改善に関する計画のことで、次の(1)〜(3)の措置を盛り込む必要があります。

(1)実施体制の整備のための措置

・労働時間等設定改善委員会(※2)の設置など労使の話し合いの機会を整備すること
  ・労働時間等に関する個々の苦情、意見及び要望を受け付ける担当者の選任をすること

(2)職場意識改善のための措置

・労働者に対して職場意識改善計画の周知をすること
  ・職場意識改善のための研修を実施すること

(3)労働時間等の設定の改善のための措置(必須項目は必ず、選択項目は1つ以上を選択します)

◆必須項目(必ず盛り込む措置)
・年次有給休暇の取得促進のための措置
・所定時間外労働削減のための措置
◆選択項目(いずれか一つを選択して盛り込む措置)
・労働者の抱える多様な事情や業務の態様に対応した労働時間の設定
・労働時間等設定改善指針(労働時間等見直しガイドライン)(※3)に定められた特に配慮を必要とする労働者に対する休暇の付与等の措置
・ワークシェアリング、在宅勤務、テレワーク等の活用による多様な就労を可能とする措置

※1 労働時間等の設定の改善とは...各事業場では、労働時間や休日、また年次有給休暇やその他の休暇について定めますが、その場合に労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応できるよう労使で自主的に取り組くむ改善のことを言います。
 ※2 労働時間等設定改善委員会とは...労働時間等の設定の改善の具体的中身について労使で話し合いを行なうための委員会のことを言います。
 ※3 労働時間等設定改善指針(労働時間等見直しガイドライン)とは...厚生労働省が示す指針で、職場内で労働時間や休日・休暇の設定を、労使が自主的に見直すための基本的な考え方や具体的な取り組みメニューなどを示したものです。

3.受給できる額

2年間の計画を実施し、各年度に効果的に措置を実施し、定められた基準に達した場合に、それぞれの年度に50万円が支給され、2年とも効果的に実施した場合は、さらに50万円が支給され、合計で150万円が支給されます。

◆第1回(1年度目)
職場意識改善計画に基づき、1年間取組を効果的に実施した場合(事業実施前に比べ設定改善指標の得点が向上した事業主)
※ 設定改善指標の得点が、50点に満たない場合は支給されません。
→50万円
◆第2回(2年度目)
職場意識改善計画に基づき、1年度よりさらに取組を効果的に実施した場合(設定改善指標の得点が、1年度よりさらに向上した事業主) ※設定改善指標の得点が、70点に満たない場合は支給されません。 →50万円
◆2年間にわたり効果的な取組を実施し、顕著な成果を上げた場合
具体的には次のような成果があった場合です。
・年次有給休暇の平均取得率が60%以上
・事業実施前と比較して所定外労働時間数の平均を20%以上削減
・職場意識改善計画に基づいた措置を行なうとともに、効果的に実施
※設定改善指標の得点が100点以上
→50万円

※設定改善指標とは、職場意識改善計画に基づく取り組みや、同計画、労働時間等見直しガイドラインに基づく、効果的な取り組み度合いを点数化したもので す。実施体制の整備、職場の意識改善、労働時間等の設定の改善などの観点から、取り組み項目ごとに点数が設定され、総合計で160点満点となっています。

4.受給するための手続き

  1. 都道府県知事に「職場意識改善計画」を提出します。
  2. 承認された場合には、「職場意識改善計画認定通知書」により通知されます。
  3. 承認された計画に基づいて、措置を実施します。
  4. 1年度(事業実施承認を受けた年度)目の支給申請を行ないます。
  5. 都道府県労働局にて、申請書類の審査があり、適当と認められれば、「職場意識改善助成金支給決定通知書」により、支給決定の通知が行なわれます。
  6. 2年度(事業実施承認を受けた年度)目の支給申請を行ないます。
  7. 審査後、助成金が支給されます。
  8. 都道府県労働局にて、申請書類の審査があり、適当と認められれば、「職場意識改善助成金支給決定通知書」により、支給決定の通知が行なわれます。
  9. 助成金が振り込まれます。

※支給申請時期について
1カ年度(事業実施承認を受けた年度)および2カ年度とも、その年度の2月1日から2月末日までです。

5.よくある質問

Q.1 実施体制を整備する際に、労使が話し合える場を設けることが必要ですが、労働時間等設定改善委員会の他は、どのようなものが考えられるでしょうか?
  A.1 既存の衛生委員会、プロジェクトチーム、労働組合、労使懇談会などが考えられます。

Q.2 特に配慮を必要とする労働者とはどのような労働者でしょうか?
  A.2 心身の健康保持に配慮する必要がある者、育児・介護をする者、妊娠中・出産後の女性・単身赴任者などです。

Q.3 有給休暇取得促進のための措置は、どのようなものが考えられるでしょうか?
  A.3 休暇計画表を作成したり、半日単位の年次有給休暇の取得を認めたりすることが考えられます。

Q.4 所定外労働削減のための措置は、どのようなものが考えられますか?
  A.4 フレックスタイム制など変形労働時間制の導入や、ノー残業デーの取り組みなどが考えられます。

掲載日:2009年1月13日
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