トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  起業ノウハウ  >  受給資格者創業助成金の活用法

起業ノウハウ
受給資格者創業助成金の活用法
これまで、会社で働いていましたが、独立して自らITベンチャー企業を起こすことになりました。このような場合にもらえる助成金はありますか。
受給資格者創業支援助成金をご紹介します。この助成金は、雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業後1年以内に継続して雇用する従業員を雇い入れ、雇用保険に加入させた場合に、創業に要した費用の一部を助成するものです。
女性

解説者

社会保険労務士 加藤美香(かとう みか)
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。

雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業後1年以内に継続して雇用する従業員を雇い入れ、雇用保険に加入させた――この場合、受給資格者創業支援助成金を活用すれば、創業に要した費用を一部カバーできる。制度の概要と手続きを解説しよう。

目次

受給するための事業主の要件

1.次のすべてに該当する法人等(法人または個人)を設立(個人は事業の開始)すること

  • 法人等の設立日(設立の登記日)の前日時点で、雇用保険の受給資者であり失業給付の残日数が1日以上ある者(以下「創業受給資格者」という)が設立していること
  • 創業受給資格者が法人等の業務に従事していること
  • 法人の場合、創業受給資格者が出資し、かつ代表者であること
  • 法人等の設立日以後、事業を3カ月以上行なっていること

2.法人等の設立から1年の間に従業員を雇い入れ、雇用保険に加入させること(雇用保険の一般被保険者とすること)

3.法人等を設立する前に、管轄公共職業安定所に「法人等設立事前届」を提出すること

4.創業受給資格者については、退職前に5年以上雇用保険に加入していること

対象となる費用と受給できる額

1.対象となる費用

  1. 法人等の設立に関する計画を作成するために経営コンサルタント等への相談に要した費用等
  2. 法人等を設立する前に、創業受給資格者が自ら従事することとなる職務に必要な知識または技能を修得するための講習または相談に要した次の費用
    1. 資格取得費用
    2. 講習・研修会等の受講費用
    3. キャリア・コンサルタント等への相談に要した費用
  3. 1および2の他、法人等の設立に要した次の費用
    1. 法人の設立の登記手続に要した費用
    2. 法人等の設立に要した費用で次の費用
      1. 各種許認可等の手続に要した費用
      2. 事務所等の改装及び賃借に要した費用(賃借料を除く)
      3. 設備・機械・機器・備品・車両等の動産、営業権等の購入費等
      4. 労働者の募集・採用、就業規則の策定等に要した費用
  4. 法人等に雇用される従業員に対し、その者が従事する職務に必要な知識または技能を修得させるための講習または相談に要した次の費用
    1. 資格取得費用
    2. 講習・研修会等の受講費用
    3. キャリア・コンサルタント等への相談に要した費用
  5. 創業受給資格者が自ら従事する職務に必要な知識または技能を修得するための講習または相談に要した次の費用
    1. 資格取得費用
    2. 講習・研修会等の受講費用
  6. キャリア・コンサルタント等への相談に要した費用
  7. 法人等に雇用される従業員の雇用管理の改善に関する事業(労働者の募集・採用、就業規則の策定、職業適性検査の実施等)に要した費用
  8. 4〜6の他、法人等の運営に要した費用
    1. 各種許認可等の手続に要した費用
    2. 事務所等の改装及び賃借に要した費用(賃借料を除く)
    3. 設備・機械・機器・備品・車両等の動産、営業権等の購入費
    4. 事務所等の賃借料、設備・機械・備品・機器・車両等の動産のリース料等、各種団体の所属会費等定期的に支払の発生する運営費
※対象となる費用として認められないもの
  • 登記費用(登録免許税)
  • 印紙代(印紙税)等の税金
  • 給与等の人件費
  • 事務所となる不動産の購入経費
  • 事務所の賃貸借に係る敷金・税金・保険料
※事務所の「賃料」についての留意点
  • 事務所が賃貸の場合、契約日が「法人等設立事前届」の提出日前のときは、賃料を費用とすることはできません。
  • 事務所が賃貸の場合、使用目的が「事務所使用」でない場合は費用とできません。
  • 代表者の所有不動産を会社に賃貸する場合、および代表者の賃貸不動産を会社に転貸する場合とも、費用にすることはできません。

2.受給できる額

(法人設立に要した費用 + 法人設立日から起算して3カ月の期間内に支払の発生原因が生じた費用で第1回目の支給申請時までに支払が完了したもの)×3分の1。
ただし、その額が、200万円を超えるときは、200万円が限度です。

受給するための手続き

  1. 「法人等設立事前届」を作成し、法人等の設立前日までに、必要な書類を添付して、管轄公共職業安定所に提出します。
  2. 法人の設立(個人の場合は事業の開始)をします。
  3. 従業員を雇い入れ、雇用保険の適用事業所になります。
  4. 「支給申請書」を作成し、必要な書類を添付して、所定期間内に管轄公共職業安定所に提出します。
    【第1回目の支給申請】
    雇用保険の適用事業所となった日の翌日から3カ月を経過する日以降(その日から1カ月の間に提出)
    【第2回目の支給申請】
    雇用保険の適用事業所となった日の翌日から6カ月を経過する日以降(その日から1カ月の間に提出)



支給申請のさいに必要な添付書類

  1. 法人等設立事前届の写し
  2. 受給資格者証の写し等(※創業受給資格者であることを確認できる書類)
  3. 法人等の設立を確認できる次のいずれかの書類
    【法人の場合】
    登記簿謄本の写し、定款の写し、役員名簿および出資の確認ができる金融機関発行の株式払込金保管証明書の写し
    【個人の場合】
    開廃業等届け出書の写し(受付印があるもの)および運転免許証等の本人確認ができる書類の写し
  4. 雇用保険適用事業所設置届事業主控の写し
  5. 助成金支給対象費用の支払いを証明できる領収書等の写し
  6. 事業実態を確認できる次のいずれかの書類のうち2種類
    1. 事業報告(計画)書、営業報告(計画)書、会社案内または会社設備概要の写し
    2. 損益計算書または貸借対照表の写し
    3. 預金通帳の写し
    4. 現金出納帳の写し
    5. 源泉所得税の領収書の写し(所轄税務署等の領収印があるもの)
    6. 仕入れ売上に関する伝票

こんなケースでは受給できるのだろうか?

Q.1 創業後1年以内に一般被保険者を雇い入れることが必要ですが、一般被保険者とはどのような人ですか?
A.1 一般被保険者とは、いわゆる正社員のことで、週の所定労働時間が30時間以上で、被保険者の資格を取得した時に、65歳未満の者が該当します。
Q.2 5年以上雇用保険に加入は、ひとつの会社でなくても大丈夫ですか?
A.2 ある会社に3年勤務して退職し、その後、他の会社に2年勤務して退職した場合、通算5年とすることができます。
Q.3 失業給付をすでにもらっていて、残りの支給日数が少なくても、大丈夫ですか?
A.3 法人等設立日の前日において、支給残日数が1日でもあれば受給可能です。
Q.4 経費はいつまでに使ったものが対象になりますか?
A.4 創業して3カ月以内に発生した費用が対象になります。まだ支払が完了していないものは、第1回の支給申請を提出するまでに支払いが完了している必要があります。
Q.5 他の創業関係の助成金も一緒に受給できますか?
A.5 中小企業基盤人材確保助成金はこの助成金と併給できます。
Q.6 営業用に自動車を購入しようと思いますが、費用の対象になりますか?
A.6 会社の事業活動として使用するもので、会社名義であれば認められます。
Q.7 支給申請のさいに領収書がなくても大丈夫ですか?
A.7 原則として領収書がないと費用として認められません。領収書のほかにも契約書、納品書、請求書、工事完了日や引き渡し日の記載された書類等の提出を求められる場合がありますので、これらの書類はしっかりと保管するようにしてください。

受給の可能性は?――チェックリスト

下記の質問にすべて「Yes」の場合は受給できる可能性があります。

  • 5年以上雇用保険に加入していましたか?(ひとつの会社でなくても通算でよい)
  • 法人の設立日の前日までに、ハローワーク雇用保険受給資格者証の写しを添えて、法人等設立事前届を提出しましましたか、または、する予定がありますか?
  • 会社の設立から1年以内に社員を雇い入れ、雇用保険に加入しますか?
  • 創業受給資格者自らが出資し、かつ、代表者になりますか?
  • 創業受給資格者自らが設立した法人の事業にもっぱら従事しますか?

起業20070911.PNG

掲載日:2007年9月11日
  • googleplus
  • hatena
  • pocket
  • line
  • evernote
Copyright © WizBiz Inc.
このコンテンツの著作権は、WizBiz株式会社に帰属します。著作権の承諾なしに、無断で転用することはできません。
このページの先頭へ
起業するコンテンツ一覧
  • 事業計画作りや実際の起業準備そして開業まで。起業を目指す人の『こんな時どうする?』に応えます。

  • 法律知識や経営診断など、起業準備段階はもちろん、実際に起業・開業してからも使える豊富な情報を掲載。

  • 『国の補助金を活用して創業するには?』についてご説明します。

  • 中小企業や個人投資家にとってのメリットを、その仕組みや優遇措置について詳しくご紹介します。

  • 起業・開業を考えている職種の消費者利用動向がすぐにわかる、職種別データ一覧。

  • 200以上の業種・職種から選べる開業準備手引き書。

  • 最新のビジネストレンドや中小企業が直面する経営課題など、読み物コンテンツをまとめています。

  • 若手起業家にインタビュ—。「社会人起業」と「学生起業」それぞれの選択を対比しながら起業のカタチを探ります。