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事業を育てる
バイク業界の復活策

若者のバイク離れやバイクユーザーの高齢化などで国内バイク市場は近年、減少傾向であったが、ここ数年、新たなニーズが注目され復調の兆しがみえてきた。今回はバイク業界の今をみていく。

目次

復調の兆しを見せるバイク市場

国内のオートバイク(以下、バイク。引用資料により二輪車の表記あり)の新車販売台数は近年減少傾向にあり、2010年には42万台にまで市場は落ち込んだ。しかし、2010年で下げ止まり、2013年には460,463台(前年比4.1%増)と、緩やかではあるが復調をみせている。

国内二輪車台数推移(新車販売ベース、単位:台)

出典:一般社団法人日本自動車工業会
注1)輸入車を含む。
注2)原付第一種・原付第二種は出荷台数、軽二輪は届出台数、小型二輪は検査届出台数。

バイクの新車購入や保有者減少の背景

バイクの新車購入や保有者減少のおもな理由としては、若者のバイク離れとユーザーの高齢化、2006年以降の都市部での駐車場問題などが挙げられる。

一般社団法人日本自動車工業会「2011年度二輪車市場動向調査」によると、40代や50代の二輪車ユーザーは増加しているが、10代から30代の二輪車ユーザーは大きく減少している。この結果、ユーザーの平均年齢は2003年度の39.9歳から、2011年度には48.5歳にまで上昇した。

また、2006年に施行された「改正道路交通法」により、違法駐車の取り締まりが強化され、特に都市部において、路上駐車せざるを得ないバイクの駐車違反件数が激増する事態が起きた。それまで問題視されていた駐車場不足が顕在化し、今なお改善が求められている。

バイク業界の生き残り策

バイク市場が落ち込む要因が重なる中、バイク業界は新しいニーズ開拓に向けて、てこ入れを始めている。

(1)世界戦略車
 軽二輪・小型二輪市場では、走りを楽しむことに重点が置かれた250cc前後の「ロードスポーツバイク」に人気が出てきている。これらは世界戦略車として、多くの国や地域で販売する同仕様の製品として、国産メーカーでありながら中国やタイなどの新興国で生産され、日本に逆輸入されているものである。国内生産から海外生産に切り替えることで、低価格にバイクを提供できる。

(2)リターンライダー
 1970-80年代にバイクを楽しんでいたが、家族を持つなどの理由で一旦、バイクから離れた人が、子育てなどを終えて再び余暇としてバイクを楽しむ中高年ライダーが増えてきている。彼らは「リターンライダー」と呼ばれ、バイク市場の新たな需要の担い手として期待されている。

(3)女性ライダー
 一昔前に比べ、昨今は年齢を問わず女性がフィットネスクラブに通うなど、活動的な女性が増えてきている。女性のライダーも増加傾向にあり、2006年には女性ライダー向けの専門雑誌が創刊されるまでに至っている。

2020年までのバイク国内販売台数目標は100万台、世界シェア目標は50%超

国も、高度成長期に経済を支えてきた日本の得意分野であるバイク産業復活の方向を打ち出している。2013年には、経済産業省主導で「BIKE LOVE FORUM」が行われ、8月19日(バイクの日)に、バイク産業がめざす姿として、2020年までに国内販売台数100万台、世界シェア50%超を目指すことなどが掲げられた。

国やバイクに関わる企業の力が発揮できたとしても、国内バイクの新車販売台数がピーク時(1982年)の320万台にまで回復することは、人口減少などの理由から難しいかもしれない。しかし、新しいニーズを捉え、業界としての存在価値を発揮することは重要である。近年みえてきた復調の兆しを契機に、日本のバイク産業復活への取り組みの成果が期待される。


掲載日:2014年3月 6日

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