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デジタル機器普及による新市場「ブルーライト対策商品」

液晶ディスプレイから発せられるブルーライトから目を守るメガネなどが登場している。昨今のデジタル機器の普及に伴い、長時間利用による目への負担が問題視されているからだ。この新しい市場といえる「ブルーライト対策」について紹介する。

目次

デジタル社会による「現代病」か?

液晶ディスプレイを長時間見ることで起こるブルーライトによる目への影響が懸念されており、そういった生活者の関心から、ブルーライト(青色光線)対策商品が各メーカーから続々と発売されている。

デジタル機器の普及に伴い、パソコン、スマートフォン(スマホ)、タブレット、液晶テレビなど、日常生活において朝から就寝する直前まで液晶ディスプレイを見るといった現代人の生活が背景にある。

モバイル広告大手の株式会社D2Cの2013年5月の調査(対象:全国15~69歳の男女、携帯電話・PHS・スマートフォン所有者3,096名)によると、各デバイスのネット利用状況は、「スマートフォン+タブレット端末+PC併用者」のネット利用時間が「スマートフォン」55.1分、「タブレット端末」51.6分、「PC」135.8分となり、単純計算しただけでも、4時間(242.5分)という結果。おそらく、世代別で見ると若年層を中心に利用時間が増えているであろうし、またテレビの視聴を加えると「ディスプレイを見る時間」は今後も増えると推測される。

【参考】株式会社D2C「マルチデバイス利用動向調査(2013年5月調査)」

その結果、「目が疲れやすい、眠れない、頭痛がする」などの悩みを抱える人が増えている。これは、いわばデジタル社会における現代病といえるだろう。

ブルーライトカットの「PCメガネ」が市場を牽引

目への影響を及ぼすブルーライトとは、どんなものだろうか。ブルーライトとは、可視光線(目に見える光線)の中でも、波長380~495nm(ナノメートル/10億分の1メートル)あたりの光線をいい、エネルギーが非常に強く、角膜と水晶体を透過し、目の奥の網膜にまで届いてしまう。おもに、パソコンなどのデジタル機器のディスプレイから発せられている。

網膜にまで届く光線のため、目の疲れや、ひどくなると眼疾患を起こす可能性があるほか、ブルーライトを感知すると、生体リズムを司る脳を刺激してしまい、メラトニン(眠気をもたらす成分)の産生を抑えて目が覚めてしまい、不眠の原因になることも分かっている。

このブルーライトへの対策としては、意識的にディスプレイを見る時間を減らすことがまず考えられるが、現代人は仕事でもプライベートでもデジタル機器に依存しているケースが多く、利用時間を減らすことはなかなか難しいだろう。そのため、ブルーライト対策をするアイテムの利用が話題となっている。

代表的なのが「PCメガネ」と呼ばれるもので、JINが2011年9月にブルーライトを55%カットできる「JINS PC」を発売し、2012年のヒット商品となった。2013年8月時点で、250万本の売上を記録している。

ブルーライトに注目した商品市場の拡大

メガネは大きく2種類の方式で作られている。一つは「対極にある色同士は補色作用で互いの色を消す」という色相関の性質を利用し「青色の対極の色である黄色のレンズを利用する」という視点から作られたメガネ。もう一つは、透明レンズの表面にコーティングがしてあり、ブルーライトを反射させる機能を持つメガネである。「JINS PC」の発売に続き、PCメガネと呼ばれるものは、Zoff、眼鏡市場、サンワダイレクトなど、様々なメーカーから発売されている。

一方、メガネ以外のブルーライト対策商品も登場している。たとえば、スマホ向けのブルーライト対策液晶フィルム「ブルーライトガードフィルム」(ソフトバンクセレクション)や、「ゼウスジー」(HOYA)といったカバー商品のほか、ディスプレイの眩しさを軽減するPCモニター「フレックススキャン EV2436W-FS 24.1型」(EIZO)、「NTTドコモ MEDIAS X N-06E」にはブルーライトカットモードが搭載されている。さらには、ブルーライトによる目の疲れを改善する目薬「サンテPC」の登場など、製薬会社の参入にも注目が集まっている。

このように、ブルーライト対策に関する商品は、メガネやカバーをはじめ、多岐にわたり展開が進んでおり、今後も拡大すると予想できる。

企業の福利厚生でPCメガネ

今後も、ブルーライト対策商品は、あらゆる分野で登場することが考えられる。競争が激化する中でも、差別化していくポイントとして、企業や眼科医との連携も有効と考えられる。

パソコンを長時間使用する企業は社員の目のケアにも敏感である。「JINS PC」は、2012年頃より、日本マイクロソフトやヤフーなどの大手IT企業の福利厚生として導入されるようになった。このような企業連携の取り組みは、ブランド普及やPR効果といった面も併せ持つ。

また商品の研究開発という点では、眼科医との協力も忘れてはならない。開発段階で医師の意見を取り入れるほか、病院に商品の推奨を依頼するといった協力体制をとるといったことは、商品のブランド力向上にも寄与するだろう。
 デジタル機器普及の弊害から生まれたブルーライト対策市場は、今後も拡大が期待できるとあり、注目していきたい。


掲載日:2013年9月26日

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