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事業を育てる
スマートフォンが冷え切った消費を刺激する?

昨今、機能の充実度も高くバリーション豊富なスマートフォンの登場により、消費者のライフスタイルに変化が起きている。さらには、購買行動にも新しい傾向がみられるとあり、大手企業に限らず中小企業にも商機が生まれる可能性が期待できる。

目次

物が売れにくい時代に活路を見いだした"スマホ"

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携帯電話市場は、キャリア(通信事業者)による2年契約制度の導入のほか、さまざまなルール変更により消費者の端末買い換えサイクルが伸びたことなどで、2008年に出荷台数が前年比で落ち込みかけていた。そんななか、08年夏に登場したのがiPhone3G。これを大きな契機として、スマートフォンの認知度が低かった日本でも携帯電話の新時代が訪れた。

従来型の携帯電話を「フューチャーフォン」と呼ぶのに対して、そもそもスマートフォンとはどんなものか。MM総研では次のように分類しているので抜粋する。

(1)次のOSを搭載(iOS、Android、Windows Mobile、BlackBerry OS)
(2)音声通話が可能
(3)高機能かつアプリケーション(アプリ)やソフトウェアなどのカスタマイズが可能
(4)OS環境として(アプリ)開発仕様が公開されていること
(5)キャリアおよびメーカーがスマートフォンと位置づけている製品

c7_111004_02.png最近では「スマホ」と呼称され、雑誌などで特集を組まれるなど各所で話題になっている。そして、スマートフォンを使う消費者は、通話やメール機能だけでなく、インターネット閲覧やアプリ利用など、フューチャーフォン以上に端末との接触時間が増加しているという傾向がある。

スマートフォン契約数は16年に約6割に!

ではまず、スマートフォンの市場動向を見てみる。MM総研の11年7月予測のデータによると、スマートフォンの契約数は11年3月末時点で3%と、全体からみると極少数である。しかし、将来的には従来型のフューチャーフォンを上回ると予想されており、16年には57.1%になると推測されている。当然、少子化の進む日本で急激な人口増加が想定できないため、フューチャーフォンの市場を奪う形となっていく。

グラフ1:スマートフォン契約数の推移・予測 出所:MM総研調べ(2011年7月予測。※12年3月末以降は予測値)グラフ1:スマートフォン契約数の推移・予測
出所:MM総研調べ(2011年7月予測。※12年3月末以降は予測値)

また、昨今のスマートフォンユーザーの性年代別特徴として、20代女性の保有率が高まっている。ディーツーコミュニケーション「スマートフォン普及動向調査」11年1月のデータによると、所有者の内、女性が占める割合が28.6%となっている。さらに、1年以上の利用者では、男性が86%。1年前と比較すると、女性所有者の割合が増加していることが読み取れる。つまり、ここ数年でスマートフォンを使い始めた女性が急増していることがわかる。

グラフ2:スマートフォンユーザー・性年代別構成比 出所:ディーツーコミュニケーション「スマートフォン普及動向調査」(2011年1月調査)グラフ2:スマートフォンユーザー・性年代別構成比
出所:ディーツーコミュニケーション「スマートフォン普及動向調査」(2011年1月調査)

このように、スマートフォンの存在感がじわじわと出てきているといえよう。このことは、私たちのライフスタイルにも影響を及ぼしている。まず、スマートフォンユーザーの特徴として、情報収集や発信、お金の使い方に変化があるという人が約9割という結果に(モバイルマーケティング・ジャパン主催スマホリサーチ「スマートフォンユーザーの実像と仕様用途に関する調査」11年7月調査)。そして、スマートフォンを使ってのショッピングが活発になってきているという。

スマートフォンを活用した企業の消費者へのアプローチ

企業がスマートフォンを活用する際には、「消費者の情報接触機会を増やし、結果的に購買につなげる」という方法が考えられるが、それに関して主に3つの視点を挙げる。

(1)スマートフォン専用サイトの設置
 スマートフォンでは、液晶の大きさやダウンロードの容量を踏まえると、データは軽めで使いやすいものが好まれる。そこでは、動画などの特殊な細工がされたPC用サイトは敬遠される傾向がある(※ユーザビリティの追求)。

(2)スマートフォンのアプリの開発
 プロモーションとして、専用のアプリを開発することで、ユーザーの利用頻度を促すことも考えられる。代表的な例では、11年「第11回モバイル広告大賞」のアプリケーション部門の優秀賞となったドミノ・ピザ・ジャパンは、ピザやパスタを注文することができるアプリを開発。外出先や屋外からでも、GPSを利用して地図から配達先を指定でき、割引クーポンなどにも対応している。サービス開始から1年2カ月程度で、アプリからの売り上げが5億円を突破したという(11年6月時点)。

(3)ソーシャルメディアを介してのアプローチ
 スマートフォンユーザーの多くは、専用アプリを使うことで、ソーシャルメディア(blogやTwitter、mixi、Facebookなど)の活用がしやすくなった点に注目。例えば、自社の公式Facebookページを設置し、自社情報を発信し、まずは既存のお客さんとの交流の場として活用する。

(1)と(2)は自社で開発した製品を介して消費者と接触をもち、(3)はTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを介してのアプローチとなる点で、やや視点が異なるが、消費者との接点という点で同様に取り上げた。いずれも、導入したことで、短期間で飛躍的に売上が伸びるという"近道"ではないことを断言しておく。まずは、消費者との接触機会を増やすことを前提にすることと認識してほしい。

まずはソーシャルメディアを介して消費者と会話を重ねる

前述した3つの視点のうち、専用サイトの設置やアプリの開発は、いずれも専門知識とコストがかさむことは否めない。その費用対効果から実行が難しいケースが多いなか、ソーシャルメディアの活用については、ぜひ情報収集をした上で積極的に取り組んでいただきたい。当然、短期的な成果を求めることは正直難しいといえるが、継続的に"企業のファン"を増やすことで、結果的に購買へ繋がるという手法。そこには、スマートフォンという多機能な携帯電話がピッタリなのだ。スマートフォンユーザーが今後も増加することを踏まえると、導入を好機と捉えたい。

とはいえ、前述してきたデータでも分かるように、現在のところスマートフォンユーザーは一部の消費者に限られており、さらにユーザーへ向けたサービスも発展途上であることも考慮しながら、徐々に進めていくことが大切である。


掲載日:2011年10月 4日

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