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事業を育てる
今さら聞けない?!されど今こそ知るべきFacebook

書店のビジネス書コーナーには、所狭しと「Facebook」関連の書籍や雑誌が並ぶ。全世界の登録者数7億人という脅威のソーシャル・ネットワークが日本でも流行りはじめた。企業として、これを機会と捉えるか、脅威と捉えるか。

目次

アメリカでは2人に1人が利用

アメリカを中心に世界で普及しているFacebook(以下、フェイスブック)が日本でも注目されている。その理由は、テレビなどのメディアの特集や、同サービスの創業を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」の公開のほか、最近ではエジプトやチュニジアの政変に活用されたことでも話題となった。

同サービスの公式データは発表されていないが、マーケティングのコンサルタント会社Candytechの調査によると、登録者数は全世界で7億2千万人強。日本では約400万人で、人口に対する普及率は約3%。世界ランキング1位のアメリカをみると、登録者数は1億5千万人強となり、普及率は約49%と、全人口の2人に1人という驚異的な値だ(7月31日時点)。

mixi(ミクシィ)やGREE(グリー)、新しいものではTwitter(ツイッター)と言っていたそばから、また新しいものが...と思う人もいるだろう。一方で、プライベートや仕事で使いこなしている人も必ずいる。今回は、比較的ビギナーでも分かるよう、概要と企業として活用する上での機会と脅威をみていく。そのため、使い方といったことは割愛する。

世界中のマルチコミュニケーションが可能に

フェイスブックとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)の一種である。では、そもそもSNSとは何だろうか?これは、インターネット上で、人々のコミュニケーションをサポートするサービスのことで、多くのSNSには、会員同士が情報や写真を共有するほか、メッセージのやり取りができる機能をもっている。Eメールが一方通行の情報発信だとすると、これは、双方向やそれ以上の"マルチ方向"(複数方向)でのコミュニケーションが可能という特徴がある。

SNSにも多数のサービスが存在するが、機能の特徴や誕生から、2軸で分類することができる(図1)。ひとつは機能について、複合的な機能に長けている「複合機能」と、動画やゲームといった専門分野に特出している「専門機能」で二分できる。2つ目に、サービスが「外国で誕生」したものと「日本誕生」のものである。この点については言語がひとつの問題である。

前述の通り、フェイスブックがアメリカで約50%の利用率であることや、英語圏での普及が進んでいることがある。日本語版は2008年5月19日から開始しているが、普及スピードは今ほどではなかった。その理由は、日本にはすでに、mixiやGREEといった独自のSNSが存在し、ある程度根付きはじめているからとも言われている。

ここでフェイスブックの話に戻すと、フェイスブックとはアメリカで誕生したSNSで、ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグらが学内の名簿機能をもたせたコミュニケ-ションツールを開発したことからはじまる。大学内でのコミュニケーションが目的であったため、原則として実名制であるが、それがこのサービスの大きな特徴であり、利点と取るか、課題と取るかさまざまな論議がある。

次に、フェイスブックで何ができるのかといった点を、個人利用の視点を踏まえて、企業の取り組みについてみていく。

図1:おもなSNS(出所:筆者作成)図1:おもなSNS(出所:筆者作成)

「実名制」が及ぼすリアルの世界

個人で利用する場合について、マクロミルが1月に実施したフェイスブックの実態調査から引用する。フェイスブックの使い方の問いに対して、「友達の近況をチェック(50.0%)」が最も多く、次いで「昔の友達を探す(39.4%)」、「自分の近況を報告する(32.4%)」、「海外の友達を探す(30.0%)」となった。また、良い点について尋ねると、「全世界でユーザーが多い(63.6%)」、「実名なので知人を見つけやすい(37.2%)」、「実名なので情報に信憑性がある(34.8%)」となり、2つの質問に対する回答の特徴として、前述の通り、「実名制」だからこそできることを利点と捉えている。

そのほかにも挙げられる利点を整理してみる。

  • 実名制による効果
    旧友捜し、名刺の代用、情報の信憑性など
  • SNSとしての総合的機能を持つため、"人とつながりやすい"
    世界の人々とのつながりが可能
  • 他のサービスとの互換性
    特にtwitterと連動させる利用者が多い
  • 「フェイスブックページ(※)」(旧ファンページ)の交流

※あるテーマを設け、利用者であれば無料で開設できる交流の場。管理人として作成すると、掲示板など情報発信機能を設置でき、そのテーマに関心のあるほかの利用者との交流が可能。登録した利用者を「ファン」と呼称している。

実名制については、利点の一方で懸念点としても挙げられる。個人情報の公開について、抵抗がある人もいれば、過去の情報の履歴を不用意に探られ、悪用されるのではといったことが考えられる。この点については、個人が自己責任の元、現実の公共の場と同じように常識的な言動をとることが、これまでの匿名制のSNS以上に重要となる。

SNS導入率トップはTwitter、フェイスブックは?

次に、企業の利用についてみてみる。企業がプロモーションとして活用する際は、「フェイスブックページ」を開設することである。これは、自社のホームページのように、企業情報や商品・サービス情報を画像や動画で発信でき、実名のお客様とのコミュニケーションを可能とし、ファンを集めることができる。開設は無料。

日本ではフェイスブックページの導入企業はまだ少ないが、アジャイルメディア・ネットワークの調査によると、大手企業ではSNS(※フェイスブックのほか8種類を調査)の活用は普及しているとみている。

また、トップ50企業における各SNSの利用率では、Twitterが最も多く96%で、次いでYouTube(82%)、ブログ(54%)、mixi(34%)と続いた。フェイスブックは24%に留まるが、Twitter同様、日本での普及が本格化し始めるなか、現在導入を検討している企業が多くあると言われている。

現在導入している企業の主な内容は、カタログやコラム、セールやクーポン情報、EC(電子商取引)などである。ECのように直接購入に結びつけること以外に、登録者が登録するメリットと感じられるキャンペーン要素が必要である。

※対象サービス:Twitter、mixi、GREE、モバゲータウン、Facebook、ブログ、YouTube、ニコニコ動画

おしゃべり好きな女性に商機あり?!

日本におけるフェイスブックの今後の見通しについてみてみる。ひとつは、フェイスブックの到来により、既存のSNSとのパイの競争が激化するだろう。また、導入期であるため、利用者数はしばらく増加していくと推測される。なかでも、現在の登録者の割合は、男性57%、女性43%となっており、アメリカで女性が55%占めることを考慮すると、女性に"伸びしろ"があるのではないかとも考えられる。また、元々女性の人口が多い点や、多くの女性が"おしゃべり好き"という特徴から、コミュニケーションツールとして長く浸透するのではと推測される。

次に、企業として利用する場合の留意点をまとめる。

まず、ページ開設で終わりではないということ。つまり、登録者を集めて、ECサイトへ誘導すれば購買につながるといった単純明快なものではないということ。開設することによって得られるものは「利用者の声」であり、これをどう生かすかはケースバイケース。例えば、購入歴から特徴を解析した上でECサイトで購入促進するほか、商品開発や店舗開発の参考にするなどである。

また、現在はページを無料で開設でき、導入企業も少数のため、注目されて登録者数の獲得が比較的安易だが、今後はページの増加により、登録者の獲得競争が激化するだろう。

そして、前述の通り"伸びしろ"として、今後女性の登録者数の増加が見込める。それを踏まえて、女性視点のページ作りやプロモーションに注力するとよいかもしれない。

いずれにしろ、今後も日本での登録者数が増加することは確実であろうが、企業として費用対効果のあるプロモーションになるか否かの判断は、これからであろう。


掲載日:2011年8月 4日

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