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事業を育てる
変わりゆく日本の家族とその価値観

ひと昔前と比べ、家族の在り方もここ数十年で大きく変わっている。いわゆる「一家」である、1世帯あたりの構成数をみても減少傾向にある。また、その価値観にも大きな変化が出てきている。その実態をみていく。

目次

「ひとつ屋根の下」にいるのは2人か3人?!

ひと昔前には、「ニューファミリー」という言葉があった。これは、第二次大戦後のベビーブーム期以降に生まれた世代の夫婦と子どもたちが構成する家庭を指して使われた言葉で、従来の価値観から大きく変化した消費動向を持つとされた。その後、さまざまな形で家族を定義する言葉や、話題が起きてきたが、最近の家族像とはどんなものだろうか。

まず、家族を構成する人数、つまり、「ひとつ屋根の下で暮らす家族」をみてみる。最近の国税調査の結果(2005年調査)によると、世帯構成人数は平均2.55人になっている。一般世帯の世帯人員は、1995年調査では2.82人だったのが、2000年には2.67人、2005年には2.55人と減少した。世帯構成の変化の特徴は「少子化」「核家族化」「少人数構成世帯の増加」といわれている。2010年10月に調査をした結果が出てくる際には、どんな数値になっているのか見物である。

また、2010年4月から、NHKで放送の「きょうの料理」で紹介する料理について、材料目安を4人分から2人分に変更した。これは1965年4月に、5人分から4人分にして以来の、44年ぶりの変更だそうだ。その理由として、日本の世帯構成人数が減少していることのほか、読者アンケートでも4人分より2人分を望む方が多かったという声を受けてのことだそうだ。

では、世帯構成の減少のほかに、現代の家族にはどんな変化が起きているか。

地震・雷・火事...の次に「オヤジ」は来ない?!

次に、家族の価値観の変化をみてみる。「イマドキ家族研究所」というサイト(2011年6月閉鎖)に大変興味深いデータが出ていたので、両親像と消費につながるポイントという2点から紹介していく。この調査は、全国の20代から60代の子どもを持つ男女1万人に対して、2010年9月に、家族の意識や行動に関する実態調査実施したものであり、新たな価値観を持つ20~30代を中心にした世代を「イマドキ世代」と呼び、彼らの中で子どもを持つ家族を「イマドキ家族」と定義しているそうだ。

家族で物事を決めるときの主導権を聞いたところ、20代では「父親」と回答したのが45.3%で、全世代で最も少ない数値だった。かつ「夫婦堂々」と答えたのが、19.9%と全世代で最も高い比率となった。ここから、小さい頃から男女均等での環境下で育ったことが影響してか、調査報告書には、「現代の家族はフリーでフラット化している」とある。古くは、父親といえば、一家の主としての威厳をもち、頑固で怖いといった父親像があったが、そのイメージはこの数十年で大きく変化したようだ。

図1:家族で物事を決めるときの主導権は?(年代別)図1:家族で物事を決めるときの主導権は?(年代別)

また、昨今「イクメン」という「育児を積極的にする男性」という意味の言葉が登場し、2010年の新語・流行語大賞においてもトップ10にランクインし、社会現象となった。徐々に男性の育児参加が拡大してきている。本調査でも、年代が若い人ほど育児参加に積極的な結果となっている。「かなり積極的に参加」と回答した20代が30.2%と最も高く、次いで30代が26.4%となっており、年齢が若いほど参加に積極的であると推測される。

図2:父親の育児参加の状況(年代別)図2:父親の育児参加の状況(年代別)

次に、消費に関するデータをみる。休日の過ごし方について聞くと、全世代が「近郊のショッピングモール」と回答した比率が圧倒的に高く、20代や30代の特徴としては、その割合が特に高いことがわかる。昨今のショッピングモールやアウトレットモールは、「買い物」と「レジャー」を一緒に楽しめる複合的なものになっていることもあり、家族みんなで楽しめる場所として定着化しているようだ。

図3:休日の過ごし方は?図3:休日の過ごし方は?

また、家族での外食頻度について聞くと、現代の家族は他の世代と比較して、外食の頻度が高い結果となっている。20代、30代は約4割が週に1回以上は外食すると回答しており、他の世代と比較しても違いが浮き彫りとなっている。

図4:家族で外食する頻度図4:家族で外食する頻度

現代家族の価値観と捉え、経営にいかす

経営における消費者ターゲッティングにおいては、言うまでもないが、世帯構成数の減少に合わせた対策だけでは十分ではない。当然、その数値変化の理由や、そこにある人間の意識や行動といった価値観を捉える必要がある。今回紹介した「イマドキ家族研究所」の調査結果で浮き彫りになった、家族内の役割や消費の傾向を考慮するべきであろう。

例えば、「イクメン」という言葉に代表される通り、男性の育児参加が積極的になったことを受け、育児用品については、「ママ」である女性向けの商品のほか、「パパ」が使いやすいという視点に立った商品やサービスで答えることが大切である。


掲載日:2011年7月12日

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