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事業を育てる
オンナ40代からが花盛り

2009年の流行語大賞の「アラフォー(35~44歳)」ブームが、今新たな形で引き続き勢いを増している。テレビや雑誌で火が付いた"魔女" "美魔女" と呼ばれるエイジレスな40代、さらには50代の女性にビジネス界が注目している。彼女たちのライフステージからその動向をみる。

目次

多様な生き方のなかにも共通するのは"自己への関心"

昨今、年を重ねても美しくあり続ける40代や50代(50代前半)に注目が集まっている。2009年の流行語大賞の"アラフォー" は同名のドラマやその世代のタレントの活躍が牽引していた。そのブームは今や、いわゆる一般人の活躍へと形を変え、さらに、年齢の枠を飛び越え40代、50代のエイジレスな女性へとその幅が広がっている。では、今なぜこの世代なのか。彼女たちの経てきたライフステージから紐解いていく。

伊藤忠ファッションシステムが定義している世代分析によると、現在の40代は「ばなな世代」と「ハナコ世代」の名称でセグメントされている。

「ばなな世代」とは、1965~70年生まれの現在40~45歳を指し、「モノよりコト消費を謳歌」する世代という。同社の著書『婦国論』(弘文堂)にはこうある。「ばなな世代は、青田刈りが堂々と行なわれていた売り手市場の経済環境下で社会人デビューをしている。一方、結婚したら会社を辞めて子育てしながら家庭を守るといった、従来の女性の歩む道筋も残っていた。つまり、仕事をするも良し、結婚して辞めるも良し、そのまま続けるも良しという環境のもと、女性の生き方にも多様な選択枠ができてきた世代である」

「ハナコ世代」とは、1959~64年生まれの現在46~51歳を指し、「おしゃれなワンランク上の生活を追う」世代という。

同書には、「大学キャンパスでのミスコンブーム、オールナイトフジやファッション雑誌の女子大生モデル起用など、女子大生が注目される時代に青春を謳歌していた(中略)20代半ばに男女雇用均等法が施行され、(中略)社会的にも女性の可能性を期待され、主役として注目を浴びてきた経験をもつ。(中略)結婚しても、子どもを産んでも、働いていても、個(女)・妻・母をすべて同じレベルでこなしたいと思ってきたハナコ世代」とある。

ライフステージにおいて多くの選択枠があったことで、一括りに40代と言っても、当然のことであるが、結婚・子供・仕事の有無などにより、ライフコースが多様化している。ただし、共通して言えることは、"強い自分への関心" とバブル期に培った"目利き" ではないかと考えられる。

6割が「エイジレスな女性を目指す」

"強い自分への関心" や"目利き" は、現在の生活における意識においても浮き彫りになっている。電通総研が30代後半から50代前半のアラフォーとアラフィフ世代の女性に行なった調査(※)によると、エイジング(老い)に関する質問に対して、「なるべく年齢を感じさせない女性になりたい」(63%)で1位となった。3位に入ったのが、「50歳をこえても自分を進化・向上させたい」(57%)で、「年齢の常識にとらわれずにやりたいことにチャレンジ」(43.5%)も上位に入り、自己成長に関心が高いことがわかる。

そのほかにも、ネットの活用も積極的で、ネットショッピングをよく利用していると回答したのは65.5%で、ネット上のクチコミチェック率も49.5%と約半数という結果。なかには、ブログやホームページを保有し、自ら情報を発信している人もいる。このことから、彼女たちの新しいものへの関心度(昔は「ミーハー」という言葉が使われていた)は、バブル期に培った"リアルな世界"における目利きに加え、"ネットの世界" における情報収集力により、情報感度にさらに磨きがかかっていると言える。

※電通総研「電通 アラフォー・アラフィフ女性調査」
世帯年収400万円以上で自家用車があり、「美容・健康・食生活」に興味のある35~64歳女性300名。2010年7月17日から20日までのインターネット調査。

出版不況でも堂々創刊した雑誌「美STORY」「GLOW」

結婚して出産した女性たちは、子どもが成長して手が離れはじめているタイミングであり、仕事を続けてきた女性たちも、ある程度自分の地位を築いている頃、つまり女性としていくつもの役割を担っている彼女たちが、今また自分への関心を高めているタイミングが、まさに40代というお年頃。もともと、バブル期を謳歌した世代でもあり、消費の楽しさが身についている。とはいえ、家庭を守る母としての自覚も持ち合わせているので、地に足の着いた賢い消費は忘れない。節約するところと、良い物であれば多少高価でも購入を決めるそのメリハリが特徴である。

そんな彼女たちに各界から注目が集まっており、テレビをはじめとするメディアには、彼女たちの活躍する姿が映る。日本テレビ系の「魔女たちの22時」では、毎回さまざまな"事情" をもった女性が苦難を乗り越えた末に美しい姿で登場した。なかでも、見た目には年齢が想像できない美貌をもった40~50代が多かった。そんな彼女たちは"魔女" と呼ばれているが、これは、「魔法にかかったような年齢不詳の美しさ」という意味からきているのだそう。

また、彼女たちは、不況下で苦しむ出版業界にも新たな風を吹き込んだ。魔女は魔女でも、美しさをもつ"美魔女" という言葉を生んだ雑誌「美STORY」(光文社)。これは、40代向け女性ファッション誌「STORY」の別冊版から、2009年8月より月刊化された。同誌は、読者モデルのヌードや、2500人の応募者を集めた「国民的美魔女コンテスト」の開催など、タレントではないが「光る一般人」を起用して話題となっている。さらに、100万部を誇る、20代向けファッション誌「sweet」を発行する宝島社が、この世代に向けた新雑誌「GLOW」を2010年10月に創刊させ、創刊号は瞬く間に完売となった。

ネット上でも、彼女たちをターゲットにしたサイトが登場している。ウーマンエキサイトが運営するアラフォー女性向けのポータルサイト「Kirei Style」(http://kirei.woman.excite.co.jp/)は、数多ある女性向けのサイトとは一線を介し、アラフォー女性に特化することで、彼女たちが本当に知りたいことに答えるサイト作りとなっている。

このようにメディアで取り上げられることにより、社会的にもアラフォー女性の活躍が認知され、その相乗効果ともいうべく、メーカーの活動も活発になっている。ワコールは、キャンペーンに雑誌「美STOTY」の美魔女を起用し、年齢にあったバストケアや下着選びをPRした。その影響もあり、40代の体向けに作られた「ラゼ」は売上増加につながったという。

また、アパレルの東京スタイルは、カリスマデザイナーを起用して、アラフォー女性向けに2つの新ブランドを立ち上げることを発表した。この世代は感性が若いものの20代向けの服ではサイズが合いにくいことから、洗練されたデザインと着やすさを兼ね備えたデザインが特徴になる。

目利きの達人が日本経済の救世主に?

各界が注目している、アラフォー、そして40代、さらには50代。これまでも、時代に応じて流行を作ってきた彼女たちは、今また新しいものを生み出している。ひと昔前の40代が好む商品を同じ様にいいと感じるとは限らないため、時代と人が変わるなかで、商品やサービスも変化しなくてはいけない。目利き力の高い彼女たちのニーズを満たすことは、ハードルが高いと言えよう。しかし、彼女たちの作ってきた土壌に後続する世代が待っていることを考えると、大変価値のあることだ。停滞する日本経済の起爆剤となるかもしれない。


掲載日:2011年4月26日

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