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事業を育てる
まだまだ続く"巣ごもり消費"

サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況の影響で、現在もなお、企業の経営不振や雇用の問題など、経済不安は続く。そんななか、2008年末から、消費行動にある傾向がみられるようになった。それが、"巣ごもり消費"だ。今回は、この特徴的な行動を分析する。

目次

時代が生んだ巣ごもり化

100年に1度の経済不況に、未だその終息の兆しはみえない。当然のことながら、消費者の行動にも活発さが失われており、外出を控えて家の中で時間を過ごしてお金を使う生活形態が増加している。この状況を"巣ごもり消費"と呼ぶ。

消費者の巣ごもり化が顕著になったのは、2008年のサブプライムローン問題を契機とする世界同時不況から。それまでの日本は、いざなぎ景気を上回る状態が続いていたが、この事態を境に企業の経営が悪化し、雇用問題が勃発し、必然的に個人消費への影響が大きくなった。さらに、追い打ちをかけるように、2009年に入ると新型インフルエンザの影響も重なり、学生たちの修学旅行の延期や旅行を控える動き、イベント・コンサートの中止など、一時的に消費者の行動範囲に制限が生まれてしまった。

消費場所は外から内へ

景気低迷による影響をみると、世間では節約志向、低価格志向が主流になってきた。ランチ代を節約するために、外食を止めてお弁当を作る男性が増加したことで、"弁当男子"という言葉が生まれた。さらに、スーパーの低価格PB(プライベートブランド)を求める人が増加するほか、大手衣料品メーカーがこぞって"激安ジーンズ"を販売して、人々の注目を集めたことに裏付けされる。

消費行動にも大きな変化が起きている。外出先の出費が減り、家で使うものを購入する傾向がある。

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例外として、円高・ウォン安の影響で買い物目的の韓国旅行が一時的に増加したケースもあるが、全体をみると、やはり"外"に関する消費は弱まり、"内"に関する消費は好調といえる。

ネットショッピングの躍進

前記のとおり、外より内を重視する消費傾向がみられる。同時に、消費場所も外から内へと変化している。つまり、巣ごもり消費を牽引しているネットショッピングの利用が増加している。利用人口の増加もさることながら、一人当たりの利用頻度も急増しているのが最近の傾向。

ネットリサーチサービスのマクロミルが発表した「ネットショッピングの利用実態調査」(※1)によると、最近1年間のネットショッピングの利用頻度は、約半数の48.6%が「増加した」と回答し、「変わらない」は43.2%となった。「減少した」は、8.1%とごく少数。

増えた理由は、「安い商品が多いから」(55.8%)が最も多く、次いで「ポイントが貯まって得だから」(49.8%)となった。また、「買い物に出かけるのが面倒だから」も35.5%、「外出すると出費が増えるから」も20.3%の人が回答している。ネットショッピング利用増加の背景には、安さ・お得・出費の抑制といったキーワードがあるという。

※1 出所:マクロミル「ネットショッピングの利用実態調査」。全国のインターネットショッピング経験者、20〜59才の男女を対象に実施。調査手法はインターネットリサーチ。調査期間2009年3月17日〜3月18日。有効回答数は516名。

百貨店を脅かす巣ごもり消費

巣ごもり消費の傾向が強まっていることは、数字からもわかる。市場拡大の理由は、前記のマクロミルの調査からも分かるように、ネットショッピングの「安さ・お得・出費の抑制」に加え、"巣ごもり族"とも言える、外出の手間を省こうとする人が増えているからだと考えられる。

商戦で勝ち組を目指す企業としては、この消費者心理を掴んでおきたい。

□投資
  ネット通販企業や家庭ゲーム機器メーカーやそれらに関連する銘柄に注目をする。そういった銘柄は"巣ごもり関連銘柄"とも称されている。

□研究・開発
  新たな巣ごもり商品の研究・開発。また、既存商品の巣ごもり使用への転換。

□広告・宣伝
  ネット利用率やネット使用時間の拡大をいかして、自社のHPの充実化やネットショッピング事業の展開など、ネット周辺の環境を戦略的に整備する。また、ネットと店舗を絡めた施策をうつ。

不況が続くなかでも、ごく一部ではあるが、業績を伸ばしている企業もある。とはいえ、この世界同時不況がもたらした爪跡は大きく深いのが現実。個人消費への影響も強く、特に嗜好品などの消費財については、売り上げの激減が深刻となっている。

しかし、今回分かったことは、消費者は自宅での使用を目的としていることと、買う場所を変えているということ。特に注目すべきは、消費者は欲しい物がある時、店舗に出向いて購入しないとしても、ネットでは購入しているという事実だ。そのため、巣ごもり族の関心を高めることがポイントといえる。


掲載日:2010年2月23日

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