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『エコアクション21』の認証取得で競争力強化

『エコアクション21』(以下、『EA21』)は中小企業や学校、公共機関などを対象に、環境庁(当時)がISO14001をベースにしてまとめた環境マネジメントのガイドライン。構築する環境システムの基準や様式があらかじめ決められているほか、負荷・対策のチェックリストも設けられているため、中小の事業者でも取り組みやすい点が特徴だ。
また、認証・登録料もISOの認証取得の10分の1程度と、費用負担が小さい点も魅力といえる。こうした理由から、認証登録する事業者(公共機関を含む)は増えており、その数は、09年6月16日現在、3533件となっている。

目次

取り組みやすさから認証取得を決意

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京都市北区で自動車販売および整備業を営む中嶋産業も、こうした『EA21』の認証取得企業のひとつだ。同社は07年3月に認証を取得したが、それより5、6年前から環境対策の必要性を感じていたという。
 「CO2の排出削減が叫ばれるなか、CO2を排出する自動車を扱う企業として環境に配慮した経営を行なわなければ、消費者の支持は得られなくなるだろう」(中嶋忠夫社長)という危機感からだった。

ISOの認証取得も考えたが、費用負担が大きく準備作業も莫大になるため、同社の規模では難しいとあきらめていたところ、取引先の損害保険会社から『EA21』のことを聞き、認証取得を決意した。

正月返上で認証取得の準備

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『EA21』の認証取得に向けた準備は05年の暮に着手し、実務は常務の中嶋千鶴氏と工場長の日坂昌弘氏が担当した。準備作業でもっとも大変だったのが"現状把握"だったという。
 『EA21』では"CO2排出量""廃棄物排出量""総排水量"の把握が求められているため、中嶋常務は、電気やガス、水道、ガソリンなどの使用量は請求書や振替口座の記録から、廃棄物の種類や排出量はマニュフェストの記録からそれぞれ洗い出した。

「データの数や種類が多いうえ、CO2排出量への換算も必要だったため、常務と工場長は正月返上で作業に取り組まなければならなかった」(中嶋社長)という。

さらに、洗い出したデータの振り分けにも苦労した。振り分ける項目が細かく分かれているため、どの項目に該当するかの判断が難しかったからだ。とくに、廃棄物はリサイクルしたものから埋め立て処分したものまでさまざまで、正しく振り分けるためにはすべての廃棄物について最終的にどう処理されたかを調べなければならなかった。

ただし、こうした大変さはシステムを構築するまでのことで、「いったんシステムができ上がれば次年度以降は同じことをするだけなので、作業的な負担は少なくなった」(中嶋常務)という。

雨水利用で水道の使用量が半減

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『EA21』では排出量の把握と並び、省エネルギー、廃棄物の削減・リサイクル、節水の取り組みも義務付けている。中嶋産業では洗車用の水道の蛇口には節水コマを、ホースの先には節水ノズルをつけたほか、蛇口やコンセントの差し込み口周辺に節水・節電を呼び掛ける札を貼るなど、小さなムダをなくすことで水や電気の使用量を抑えた。さらに、社有車の給油もカード払いから現金払いに切り替えることで、社員にガソリンの使用量を意識させるようにした。
 こうした対策のなかでもっとも大きな効果を上げているのが、雨水タンクによる節水だ。工場の一角に容量1トンのタンクを設置し、工場の屋根に降る雨を集めて工場の掃除等に利用することで、07年度の水道の使用量は前年度に比べ半分近く削減したという。

顧客増や社員の育成にも

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『EA21』の認証取得は、ムダや環境負荷の低減という本来の目的に加え、プラスアルファの効果ももたらした。
 そのひとつが顧客の増加だ。同社では『EA21』の独自の取り組みとして、エンジン燃焼室内の掃除や省燃費オイルへのオイル交換などにより、車の燃費を向上させる「エコ整備」を提供している。この整備の実施台数が、06年の26台から、07年には179台へと7倍近くに増えたのだ。また、この事業により、京都生協の車検「ながもちくん」の契約整備工場としても認定された。

整備業界でも車検料金の低価格化が進んでいるが、「エコ整備」はそうした価格競争とは一線を画すための重要な切り札となっている。

さらに、「社内では、節水や節電などのエコ的な行動が言われなくてもできるようになったほか、それまで指示待ちだった社員からも改善案の提案が出されるようになった」(中嶋常務)と、社員の主体性の育成にもつながっているようだ。


掲載日:2009年10月20日

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