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景気低迷期でも売れる住宅?!アメリカで注目されるコハウジング

住人がいっしょに食事をとるためのスペースや子供の遊び場のある集合住宅。アメリカでは、コミュニティ活動を中心に据えた集合住宅をつくる動きが注目されつつある。

目次

理想のコミュニティを自分たちでつくる

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コハウジング(Cohousing)とは共同住宅という意味で、20年ほど前にヨーロッパでスタートしたシステムだが、現在ではアメリカ、カナダにも110ものコハウジングによるコミュニティが誕生している。

その特徴は、

  • デベロッパーではなく、そこに住むことになる住人たちが、コミュニティのコンセプトや設計を考え、運営する
  • 個人のプライバシーを確保しつつ、コミュニティ活動を行うための共有スペースもバランスよく確保する
  • 週に数回、共有スペースで住人たちがいっしょに食事を楽しむ
  • 住人は、年齢、職業、世帯構成、人種など、なるべく多様な人たちで構成する
  • 建物やライフスタイルは、エコ仕様、サスティナビリティを指向する

などだ。自分たちの家やアパートは個人所有として確保しつつ、住人同士の交流も大切にしたいと考える人たちに注目されている。

意見調整の長いプロセスを経て

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多くのコハウジングは郊外にあり都市型の例は少ないが、ニューヨーク市でも初めて、「ブルックリン・コハウジング」が近い将来理想のコミュニティの創造を目指して活動を開始し、これまでの18カ月間、毎週会合を重ねてきた。多数決は最終的な手段として、話し合いを重ねて全員の合意のもとに進めていくため時間がかかる。

にもかかわらず、15の正規会員(共同住宅を建設するための頭金の一部など、すでに一定額を投資している会員)世帯と35あまりの準会員(興味はあるが、まだ参加するかどうか決めかねている会員)世帯が、毎週の会合に参加している。

一緒に食事をすることの大切さ

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スタートして約11年になるマサチューセッツ州、ケンブリッジにあるケンブリッジ・コハウジングはコハウジングのモデルケースといえるだろう。ここではウィークデーは3回、週末も朝食や夕食などのコモンミール(住人参加の食事)が計画されている。

ピザをデリバリーしてもらって一緒に食べることもあれば、各自がお惣菜を持ち寄ったり、また、いっしょに食事をつくって食べたりする。毎回参加する人もいれば、年に数回だけ参加する人もいるなど決して強制ではないが、このコモンミールがコハウジングの象徴であり、ほかの集合住宅と異なる最も大きな特徴と言えるだろう。

銀行にとってもリスクが小さいありがたい存在

アメリカでは住宅がなかなか売れない昨今だが、コハウジングの場合、デベロッパーは各コハウジングに一括で販売すればいいのでリスクが小さく、集合住宅を個々の買い手に売る手間がいらない。また、コハウジングのユニットは売れ残る可能性が少ないので、銀行にとってもリスクが小さいありがたい存在だ。 コハウジングがここに来てクローズアップされるようになった背景には、昨今の景気後退が影響していることも確かである。


掲載日:2009年6月23日

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