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事業を育てる
欧米で人気が高まる豪華客船クルーズの日本市場の開拓

数カ月かけて船で世界を回り、夜はドレスアップしてディナーや社交を楽しむ。限られた富裕層の特権というイメージがあった豪華客船の旅だが、北米やヨーロッパでは庶民にも手の届くレジャーになっている。

目次

まさに海に浮かぶホテル

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洋上のホテルという形容がぴったりの豪華客船「セレブリティ・ソルスティス」が11月に就航した。3階から15階までの吹き抜け、10ものレストランやダイニング、ジム、スパ、カジノ、プール、高級ブティック、最上階には芝生まである。一流のシティーホテルに引けを取らない豪華さと設備。乗客乗員あわせて4000人以上が乗り込める、世界最大規模のクルーズ船のデビューである。

客室は居住性がよく、ホテルに比べれば手狭とはいえ、スイートルームならずとも、バルコニーから海が見渡せるので狭さを感じない。また、シアターでは毎晩、ミュージカルやショーが行なわれ、毎日のようにワインやマティーニのテイスティング、ダンス、コンサート、さまざまな趣味の教室などがスケジュールに組み込まれ、乗客は退屈する暇がない。

90年代のクルーズ船はキャビンが狭く、部屋には小さな窓がついている程度だったが、昨今のクルーズ船の客室にはバルコニーがついているので、船旅の楽しみが大きく広がる。グルメも満足させるレストランや、ジム、スパ、ブティックがシティーホテル並みに充実してきたのもここ数年の傾向だ。

意外に安い料金

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これだけの充実した設備とアトラクションを誇る船旅の料金だが、意外に安い。シーズンオフなら、「セレブリティ・ソルスティス」7泊の東カリブ海クルーズで1人699ドル(税・チップ別)から。宿泊費だけでなく、メインダイニングでの食事、シアターでの観劇なども料金に含まれている。スパやカジノ、レストランの食事は別料金だが、昨今のホテルの宿泊料金を考えれば、この料金がいかに安いかわかるというもの。日本ではまだ高いイメージのあるクルージングだが、北米やヨーロッパでは気軽に楽しめるレジャーになっているだけでなく、料金に対するお値打ち感で人気が高まっている。

飛行機の機内販売同様、海の上も免税なので、ブティックやスパの売り上げが伸びてきたことや、大型クルーズ船がここ数年続々とデビューして価格競争が起きたことなどが、クルーズの料金が手頃になった大きな理由だ。現在、世界の海には400隻の客船が就航しているが、今後4年間に38隻の客船がデビューを予定しており、設備とサービス、料金面でさらに競争が起きてくるのはまちがいなさそうだ。

日本市場を狙うには和食が決め手?

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クルーズ人口は90年代初頭から毎年5〜8%ずつ伸びており、現在では年間に1600万人が豪華客船で船旅を楽しんでいる。クルーズ業界の専門家によると、欧米では一般大衆向けのクルーズがマスマーケットで、富裕層向けのクルーズの市場は小さいが、日本の場合は逆で、富裕層をターゲットとしたマーケットが大きく、庶民的なクルーズの市場はまだまだ小さいという。

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今後、大いに開拓の余地がありそうな日本市場にもかかわらず、欧米のクルーズ会社は意外に日本市場への関心が薄い。クルーズそのものが欧米の文化で、船の上では使用言語は英語。こうした環境でリラックスでき、日本語が話せる添乗員なしでクルーズを楽しめる日本人がまだ少ないことや、日本人には和食サービスを充実させなければならないこと、今のところ北米とヨーロッパだけでも十分なニーズがあることなどが、まだ日本市場開拓に食指が動かない理由のようである。

ところで、クルーズの予約は旅行代理店を通して行なわれるのが普通だ。旅程さえ決まれば簡単に予約できる飛行機やホテルとは異なり、船によって施設やサービスが異なり、部屋のタイプもさまざまなので、オンラインでの予約には向かないからだ。アメリカではホテルも飛行機もオンラインで予約するのが普通になっていることを考えれば、これもクルーズの特徴と言えるかもしれない。


掲載日:2009年3月10日

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