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紙おむつリサイクルでCO2もコストも削減!

年金、医療、介護、超高齢社会の日本には様々な問題が起こっている。 あまり知られていないが紙おむつのごみ問題もそのひとつだ。 紙おむつ市場は高齢者の増加と共に毎年6%の成長を続けている。それに伴う、使用済み紙おむつのゴミの量は年間120万トン。これは問題となっているレジ袋の2倍の量だ。 そんな問題を解決するのが、株式会社スーパー・フェイズが開発した『紙おむつ再生燃料化装置』だ。

目次

増え続ける使用済み紙おむつゴミ

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超高齢社会となった日本が抱える問題は年金、医療、介護などの問題だけではない。
高齢者増加に伴う使用済み紙おむつゴミもそのひとつだ。現在、紙おむつの年間販売量は大人用で24万トン、子供用で27万トンとなっており、年々増加している。少子化による子供用紙おむつの販売量は減少しているが、それ以上に大人用紙おむつの需要が伸びており、市場全体も右肩あがりの状況だ。

その市場の伸びと共に当然のことながら、使用済み紙おむつゴミも増加している。その量は年間120トンとなっている。使用済み紙おむつは水分を含んでいるため、ゴミになると2倍以上の量になる。この量はエコバックの導入が進むレジ袋ゴミ(年間60万トン)の2倍だ。量だけが問題ではない。

使用済み紙おむつは通常のゴミとして廃棄できず、産業廃棄物あるいは産業廃棄物並みに処理されているケースが多く、高い処理費用を病院、老人ホームなどの施設が負担している。また、水分を多く含んだ使用済み紙おむつゴミは焼却時も多くの熱量を必要とし、CO2発生量の増大やダイオキシンの問題も引き起こしている。使用済み紙おむつゴミの処理費用だけで年間400億円かかっていると言われている。

処理だけでなく、燃料へのリサイクル

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この問題を解決するのが、株式会社スーパー・フェイズの紙おむつ再生燃料化装置『SFDリサイクルシステム』だ。

『SFDリサイクルシステム』は使用済み紙おむつをゴミ袋ごと投入し、破砕⇒乾燥⇒殺菌⇒再生燃料へと処理を行なう。『SFDリサイクルシステム』で処理された使用済み紙おむつゴミは、水分は10%未満で無臭、重量は処理前の3分の1以下、容量も処理前の3分の1以下となり、病原菌も高温処理されるため安全だ。

この生成物が5000KCal/kgの高い熱量を持つ再生燃料となる。その上分別も破砕もされているので、RPF(再生固形化燃料)の原料として最適だが、そこまでの加工をしないでも病院や老人ホームなどの施設内の温浴・給湯設備の熱源として利用することも可能だ。

20081224_3.PNG※単価は発生量kg当たりで表示
  ※発生量300kg/日×365日のモデルで計算
  ※廃棄費は収集運搬・処分業者への支払い 平均処分費モデルでの想定
  ※運転費は電力費(15.5円kg)+メンテ・菌および部品交換量(10.6円/kg)の想定
  ※定価 2850万円

『SFDリサイクルシステム』を考えたキッカケ

使用済み紙おむつの処理システムを考えたキッカケをスーパー・フェイズ木村社長に伺った。
「もともとは建築設計業やモータースポーツの運営などを行なっていて、リサイクルとはまったく異なる仕事をしていたんです。たまたま処理機に関わる技術者の方にお会いすることがあり、何かできないかと思ったんです。自分もいずれは世話になるかも知れないものですからね。そのゴミで子供や孫の世代に迷惑をかけたくないなと、そんな思いから始めたんです」

大手企業も断念した紙おむつリサイクル

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紙おむつは使用時は動いても"破れない""漏れない""高い吸収力"など丈夫でなければならない。しかし、それは廃棄時には"処理しにくい"事を意味する。処理をするには小さく破砕しなければならないが、非常に丈夫に作られているため破砕しにくいのだ。大手メーカー数社が処理機開発を試みたが、この問題で断念するしかなかった。スーパー・フェイズでも当初は失敗の繰り返しであったが、2004年に処理機の開発に成功し、処理装置の特許を取得、現在は国際特許取得を目指している。

『SFDリサイクルシステム』導入の効果

システム導入のコスト削減効果は上記の図の通り。 図のモデルのような場合には、年間で900万円以上の削減が可能となる。これは処理コストのみによるもので、再生燃料を熱源として利用することでさらなるコスト削減が可能になると思われる。

CO2削減効果は1日300kgの処理を行なう施設の場合、年間で約53トンの削減効果が見込まれる。また、産業廃棄物業者へ依頼をする場合は回収が数日おきであるため、施設内で使用済み紙おむつゴミを保管する必要があり、院内感染などの危険もあったが、このシステムを導入することで毎日の処理が可能となり、これらの危険も解消される。

今後の展開

『SFDリサイクルシステム』は東京都中小企業振興公社の推奨事業にも選ばれており、様々な企業・団体から注目を集め始めている。数多くの企業とのアライアンスを検討中であり、単なるリサイクル装置の販売に止まらず、『SFDリサイクルシステム』を中心とした様々なビジネスを展開したいと考えている。

2009年からは自治体への本格導入も決まっており、6〜78台の販売がすでに決まっている。自治体がごみ処理を担当する地域内の家庭から発生する使用済み紙おむつゴミを含めて回収し、リサイクル化した燃料を活用し、地元農家のハウス栽培用の燃料にするなどエネルギーの地産地消を広めていきたいとしている。

●会社概要

企業名 株式会社スーパー・フェイズ
本社 東京都港区芝2−29−9榊原ビル4F
設立 1987年5月
代表者 木村幸弘
資本金 1000万円
URL http://www.superfaiths.com/


掲載日:2008年12月24日

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