トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  闘いつづける経営者たち  >  02.医療用から脱皮、滅菌装置の総合メーカーへ

闘いつづける経営者たち
株式会社ウドノ医機【鵜殿 直子】

目次

 ウドノ医機が手がける滅菌装置は大きく分類すると医療用、産業用に分かれる。現在は売上高ベースで医療用40%、産業用60%と産業用の比率が高まり大きな柱となっている。創業当初は医療用だけだったが、産業用に本格的に乗り出したのが2000年代に入ってからだ。

新たな方向性を宣言

 鵜殿直子社長の父で2代目社長の鵜殿文雄氏は長い間、どこまで医療用を伸ばせるかに強いこだわりを持っていた。ただ、医療用の市場は限界がある。企業にとって幅広い顧客ニーズに対応していくことが事業継続性につながることになると考え、直子社長は2010年に「ウドノ医機は滅菌装置を製造・販売する会社。医療に限らず、お客さまが要望される滅菌装置を提供する」と宣言。滅菌装置の総合メーカーとしての新たな方向付けを示した。
 ウドノ医機が現在、得意とする分野は大型、中型の装置だ。産業用も小型、中型、大型とあるが、特に産業用の大型装置を手がけるメーカーは国内に少ない。大型装置は新幹線車両1台分と同じ大きさだ。当時は顧客のニーズから医療用の中型、大型がメインだった。

ep-fight-058-2.jpg ただ、産業分野への本格参入から事業が軌道に乗るまでには試行錯誤や苦労も多く経験してきた。「産業用を手がけるための技術スタッフ体制整備が最初の課題だった」と直子社長。医療用では新薬事法の承認が求められ、カタログ製品を設計・製造する。それに対し、産業用はすべてが顧客の要望で決まってくる。産業用の多くは大手医療用品メーカー、研究機関などさまざまで、その用途や使用条件も大きく変わってくる。今は機械設計、電気設計の社員を増やし、産業関係の顧客に対応できるような体制を整えてきた。

社内体制、販売ルートを整備

 また、産業用の販売を広げるため社内体制の整備にも取り組んだ。医療用とはまったく異なる営業体制を整える必要があった。産業用は特に顧客ごとに異なる機能、使用条件が求められる。医療用は薬事法により管理されるため、いわば既製品で、基本的には同じものしか販売できない。これに対して産業用は製薬、医療用品製造、化粧品、食品と業種もバラバラ。同じ滅菌装置でも温度、圧力、時間は各社求めるモノが異なる。さらに顧客ごとに細かいこだわりや、オプション機能も大きく違う。
 また、販売ルートも医療用は代理店が中心だが、産業用はこれらの代理店でカバーしていない。県単位で担当者を付けていたが、中には代理店ではない直接販売もある。「最少の仕組みでどう最大限の力を発揮できるか」という課題に直面した。産業用は理化学機器の商社、ガスの販売企業を通しての販売がある。
 これらはすべて一からの設計になる。顧客から受注し、開発しながら製造している。それだけにさまざまな苦労もあるが「ご指導いただき、問題を是正・改善しながらご理解いただき、長く使ってもらっている」と直子社長は振り返る。
 産業用装置に関しては「私たちは新参者。年間売上げが安定しない不安もあった。それでも不安を取り除くには、お客さまの要望にあったもの使いやすく作る」(直子社長)。そして、機械なのでメンテナンスが行き届く事を念頭に置く。これらが奏功しリピーター、声かけも増えてきた。現在では受注も着実に増えて、事業の柱になりつつある。

鵜殿直子 プロフィール(うどの・なおこ)

1961年生まれ。1983年に国士舘大学を卒業後、八王子市内の旋盤加工企業で1年間アルバイトし、機械加工技術や企業内部統制を学ぶ。1986年にウドノ医機に入社。2年間、製造や営業、メンテナンス、経理などを経験し1996年に専務、2010年に社長に就任。「社員資格取得推進による多能工育成」「見える数値化による業務改善」「それらによって得た利益を社員に還元する」をモットーとする。ビジネスでは「石橋を叩いて渡る」性格であるが、プライベートでは「超短気、せっかち」と自己分析。休日はもっぱら2頭の愛犬との散歩。愛犬たちとGT-Rに乗り、国内巡りをするのが将来の夢とか。

企業データ

株式会社ウドノ医機

東京都八王子市元横山町2-1-9
業種:高圧蒸気滅菌装置、酸化エチレンガス滅菌装置などの設計・製造・販売・メンテナンス
資本金:5,000万円
売上高:21億1,000万円(2013年8月期)

掲載日:2014年4月17日

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