トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  闘いつづける経営者たち  >  02.難関の"5つ星お米マイスター"を獲得

闘いつづける経営者たち
株式会社シブヤ【澁谷 梨絵】

目次

ep-fight-053-3.jpg 大手IT企業を退社して実家に戻った渋谷梨絵さんは父和昭さんの市議選挙を手伝うことになった。
 「ただし、選挙中は秘書がてら父の仕事を手伝いましたが、当選後は市議職に秘書も必要ないため、家業を手伝うことになりました」
 2003年、伊勢丹松戸店に出店していた店舗に梨絵さんは販売員として就いた。初めて百貨店の店頭に立ってみたが、客がちっとも寄りつかない。客は、一緒に販売しているがっしりした体型のパート女性にばかり話しかける。なぜかと疑問に思い、ストレートに客に尋ねてみた。
 曰く、「痩せて背ばかりひょろひょろ高い女の子だから、おコメをちゃんと食べているようには見えないし、質問したところでどうせ何も答えられないだろうと訝っちゃうのよね」

 ショックだった。どうすれば客から安心して話しかけてもらえるのか。さんざん悩んだ末、梨絵さんは資格を取得しようと決心する。ワインのソムリエが話題になっていた頃だった。コメにも「お米のソムリエ」として日米連(日本米穀小売商業組合連合会)が認定する「お米マイスター」という資格がある。それを知った梨絵さん、さっそく「3つ星」に挑戦し、みごと合格する。
 そして、その認定書を店頭に掲示すると、期待通りの効果が見え始めた。少しずつ客が寄ってきて、声をかけてもらえるようになった。

産地でのコメの買い付けに四苦八苦

 店頭の販売員としての仕事はこうして軌道に乗り始めた。しかし、それだけでは米穀販売業者として一人前とはいえない。上質のコメを産地からどう買い付けるかという重大な仕事が待ち受けていた。

 父和昭さんがすでに新潟県産コシヒカリ、秋田県産あきたこまちを産地から直接購入するルートを確立していたが、梨絵さんはそれをさらに進め、「〇〇の産地で△△さんが生産したコメ」と生産者もクローズアップさせながら産地米を強調する手法を考えた。
 が、産地での買い付けは容易ではなかった。とにもかくにも、まずコメ生産者の信用を得なければならない。が、一朝一夕にことは運ばない。しかも悪いことに、コメの買付け詐欺が頻繁に横行していた頃で、産地にはその警戒心が蔓延していて見ず知らずの小娘に売るコメなどない、とニベもないありさまだった。

ep-fight-053-4.jpg 「現金をもって現地に行き、拝むように頼んでもダメ。伊勢丹にちゃんと店があり、私がその店のスタッフと一緒に仕事をしているかどうかまで、ちゃんと確認してからでないと売ってもらえませんでした。しかも、やっと売ってもらえたと喜んだのも束の間、ほかの業者より1.5倍も高く売りつけられていたなんてショッキングなことも経験しました」

 そこでもうワンランク上の資格を取ろうと、「お米マイスター5つ星」に挑戦する。この試験は3つ星より格段に難しい。あらかじめ自分でブレンドしたコメを提出し、その食味スコアで一定以上に評価された点数を取らなければならないほか、示された3種の玄米を見てその品種を正答しなければならない。それまでの合格者は男性のベテラン米穀業者ばかりだったが、当時20代だった梨絵さんも5つ星お米マイスターに名を連ねることになった。女性では最年少の快挙だった。
 この資格が産地にもたらした影響は大きく、それによる信用の拡大がその後の事業展開をさらに有利にしていく。

澁谷梨絵 プロフィール(しぶや・りえ)

1977年生まれ。関西学院大学を卒業後、2001年に大手IT企業に入社。SEとしての勤務を経て2002年に家業のコメ・雑穀卸・小売商に従事し、2006年にシブヤの代表取締役に就任。現在、伊勢丹松戸店、松屋銀座店に出店し、弁当の製造・販売「和デリ」の店舗も経営する。
お米の3大資格である「5つ星お米マイスター」「雑穀エキスパート」「ごはんソムリエ」を取得する堅実な一方、大の"お笑い"好きで、学生時代にはお笑いイベントの手伝いや楽屋掃除も経験するほどお笑い芸の大ファンだ。

企業データ

株式会社シブヤ

千葉県松戸市小金原4-36-5
047-341-1211
事業概要:コメ・雑穀の卸・小売、弁当の製造・販売
資本金:1000万円
売上高:6億円

掲載日:2014年2月13日

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