闘いつづける経営者たち

企業の成長には、独自の理念や戦略がある。成功後もさらに闘いをつづける経営者たちに聞く、企業成成長ストーリー。

ロイヤルブルーティージャパン株式会社【吉本 桂子】

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ep-fight-052-4.jpg ロイヤルブルーティージャパンの前身の「茶聞香」時代、吉本桂子社長は「フランス料理とお茶のコースのマリアージュ」といったサービスを不定期で行っていた。テーブルの上にティーポットを用意し、料理に合わせてお茶をふるまう。
 このサービスは客には好評嘖々で、もっと普及させてほしいという要望が寄せられたが、逆にレストランからは大不評だった。というのも、テーブル上のティーポットがインテリアにそぐわず、さらにはすべての客に同じサービスができないからだった。

 おいしく淹れたお茶とともに高級料理を愉しみたいという客が確実にいる。しかし、レストランはそのためのサービスができないという。この背反する難問をどう解決するか。吉本社長が頭を悩ませた末に考えついたのが、お茶をガラスボトルで供するという独特の手法だった。

 「本当はレストランでお茶を淹れられる人材を育てたかったのですが、淹れ方が多様なうえ、レストラン側の事情もありました。それなら私どもで完成品としての商品をつくってしまえばいい。そう考えてメーカーとしてお茶文化を広げていくという方向にしたわけです」

ep-fight-052-5.jpg 藤沢市内に国際基準SGS-HACCP(危険度分析による衛生管理)を導入した工場を設け、ボトルへ充填するお茶はすべて従業員が手作業で淹れる。世界の銘茶の中から選んだ茶葉は、浜松天竜(静岡県)や八女(福岡県)などの茶畑で栽培され、ていねいに手摘みされたもののみ約20種を使用し、1種ごとにその茶葉の特性に適った方法で淹れてボトルに充填する。複数の種類をブレンドするようなことはしない。
 しかも、その淹れ方はすべて水で淹れる「水出し」という手法。ウーロン茶なら6日間、緑茶や紅茶なら3日間の時間をかけて水出しする。その秘法を決定づける温度は当然ながら企業秘密だ。

 淹れたお茶は、ワインボトルと同様のボトルに充填する。そのため外観は一見するとワインにそっくりだ。ただ、ワインはコルクで栓をするが、お茶の場合はガラス製の栓で封をする。ボトルに入ったお茶は清涼飲料水の扱いなので、コルクだとカビが発生する可能性があるという理由で使用が許可されないからだ。
 ちなみに、ワインはボトルを寝かせて保存するが、お茶はボトルを立てたままにする。そして輸送は低温、保存も冷蔵で、飲むときの適温は17~18℃という。
 現在、ロイヤルブルーティージャパンは3人体制で月産2500~3000本を製造する。海外への輸出は香港のみだが、月平均60本程度を出荷している。

吉本桂子 プロフィール(よしもと・けいこ)

1971年神奈川県藤沢市生まれ。共立女子大学家政学部生活美術学科卒業後、フリーのグラフィックデザイナーを経て2006年に高級茶を自社一貫開発・製造・販売する「ロイヤルブルーティージャパン株式会社」を佐藤節男氏と創業。非加熱除菌による独自の茶抽出法を確立して商品化。翌2007年に「ROYAL BLUE TEA」を正式に発売した。
2007年から3年連続でベルギー・モンドセレクション金賞を受賞。
2013年には日本政策投資銀行「第2回女性起業大賞」を受賞。

企業データ

ロイヤルブルーティージャパン株式会社

神奈川県藤沢市川名2-5-31
0466-29-9577
事業概要:高級茶飲料の開発・製造・販売、茶葉・茶器の開発・販売、茶宴事業、茶関連事業
資本金:5815万円
売上高:非公開

掲載日:2014年2月 4日

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