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闘いつづける経営者たち
オークマ株式会社【花木 義麿】

目次

 オークマは本社工場の再構築に先立ち、研究・製品開発における「知能化技術」の充実などの方針を明確にしている。新機軸には従来の地道なイメージからの変貌がうかがえるものの、根底には花木義麿社長流の自前の数値制御(NC)装置開発に象徴される「ぶれない経営」がある。

客先でヒントを得る

ep-fight-047-6.jpg 同社には約115年の歴史があり、工作機械の機能を引き出すNC装置の開発も手がける"機電融合"企業として知られる。NCは専門メーカーとしてファナックなどの存在もあり、日本の工作機械生産額を世界首位に導いた。機械メーカーでありながら実績を重ねていたオークマが実用化を目指しコンピューターNC装置を開発したのは73年。当時、入社9年目で電装部門にいた花木社長が担当したのが同装置だった。
 「自前で対応するのはニーズのポテンシャルギャップを克服するため」が花木社長の持論だ。工作機械が故障した場合、問題の所在が機械側かソフトウエア側かといった議論になる。機械とソフトが相まって総合力を発揮するのに片方しか知らないと、顧客の要求に十分に応えられないという考え方である。

ep-fight-047-7.jpg 「オークマの強さは機械とNCの双方を手がける手堅さにある。故障個所を復旧させるだけでなく、客先で加工技術の改善という次なる開発のヒントを得る」(黒田真路クレディ・スイス証券ディレクター)。その成果といえるのが、12年11月の日本国際工作機械見本市(JIMTOF2012)に披露されたNC装置「OSP」の最新版。OSPの入力画面はキーの数を大幅に減らすなど、初心者にも操作しやすくしたのが特徴だ。花木社長は「当社工作機械の進化の背景にはNCの自社開発がある。OSP誕生から半世紀を迎えたのを機に、機械と電気に、情報と知識創造を加えた『機・電・情・知の融合』を標榜(ひょうぼう)したい」と意気盛んだ。

泥臭い対応が礎

 さらに、JIMTOF2012に出品された最新の知能化技術「5軸チューニングシステム」も注目される。普及が進む5軸加工機は一般的な3軸機より軸数が増えるため、回転軸の芯ズレや傾きといった誤差の要因が多い。機械自ら、誤差がどんな状態かを調べて自動補正できるため、3軸加工並みの精度を実現できるというものだ。かつて開発したパラレルリンク関連技術を生かすもので、熟練機械工の手による補正作業を容易に代替できるようになった。5軸チューニングシステムは、熱変位精度の安定、工具と対象物の衝突回避などの各種知能化技術に続く同社の切り札技術に位置付けられる。

 営業やメンテナンスでユーザー現場をくまなく回り、ユーザーの声に耳を傾ける。そんな一見、泥臭い対応の積み重ねが、「技術のオークマ」の礎であることは間違いない。

花木義麿 プロフィール(はなき・よしまろ)

1942年(昭17)生まれ。愛知県出身。65年、名古屋大学工学部を卒業し、大隈鉄工所(現オークマ)に入社。99年常務、2001年オークマアメリカ社長、05年オークマ社長。精密工学会フェロー。数値制御(NC)装置「OSP」の推進役で、同社の技術陣の顔として知られる。「才気煥発(さいきかんぱつ)、切れ味鋭い技術者」「品格があり、基本思想にこだわる。論理的で実行力がある」といった社内外の声がある。趣味はゴルフ、サッカー観戦。「真摯(しんし)」を信条とする。

企業データ

オークマ株式会社

愛知県丹羽郡大口町下小口五丁目25番地の1
0587-95-9295
事業概要:数値制御(NC)工作機械(旋盤、複合加工機、マシニングセンタ、研削盤)、NC装置、工場自動化(FA)製品、サーボモーター、その他、製造・販売
資本金:180億円
連結売上高:1405億円(2012年3月期)

掲載日:2013年2月25日

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