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闘いつづける経営者たち
株式会社日立ハイテクノロジーズ【久田 眞佐男】

目次

商社の目利き力

ep-fight-043-4.jpg 日立ハイテクが2011年10月に策定した中期経営計画のひとつのテーマがメーカー部門と商事部門との融合だった。商事機能があることで、製品単体ではなくシステムとしての提案ができるようになるからだ。商社の「目利き力」を生かして自社装置に外部の装置を組み合わせたり、ITを連携させたりして付加価値を生み出す。すでに、商事部門を含めて全社に横串を通して、相乗効果を生み出せる体制を整えつつある。

 久田眞佐男社長が掲げる中計のもうひとつのテーマが海外事業の拡大だ。そこで、重要な役割を果たすのが商事機能。商事機能は先兵役としての役割を果たすからだ。
 「開発型商事として新興国で環境や水関連などインフラ事業を始める」(久田社長)。インドネシアやインド、ブラジルなど次世代の成長市場に楔を打ち込む。

 日立ハイテクの商社機能は自社の展開のみにとどまらない。例えば、日立グループは自動車関連を得意とするが、現時点では各社が個別に展開している。日立ハイテクのネットワークを活用すれば、グループ企業の工場の共同活用などの新たな展開が見込める。

調達コストを下げる

ep-fight-043-5.jpg 日立製作所本体が日立ハイテクに寄せる期待も大きい。12年度から日立製作所は海外における部材調達の一部を、日立ハイテクに委託する方針を決定した。日立本体は11年度から調達の抜本的な見直しに乗り出しており、グループで唯一商事機能を持ち、海外網が豊かな日立ハイテクを有効活用する狙いだ。
 大手電機の集中購買は通常、本体で手がけるケースが多い。ただ、事業の裾野の広がりで、広域かつ地域に密接した調達活動が求められており、調達ネットワークの再構築が急務になっていた。久田社長は実は日立の調達部門の出身。それだけに調達の重要性も難しさも知り尽くしている。日立は本体の調達品だけでなく、関連会社の調達も段階的に日立ハイテクに任せていく方針だ。そして、日立グループ全体でのコストダウンを図る。調達を熟知している久田社長だけに、辣腕をふるえる余地は大きい。

明確な利益目標とは

ep-fight-043-6.jpg 一方で課題もある。商事部門とメーカー部門の融合を進め連携を強化していっても、収益性が大きく異なる事実に必ずぶつかる。メーカーと商事が一緒になっているのは世界でも珍しい。特徴であるが経営体としての運用の難しさもある。久田社長は「メーカー部門と商事部門の利益は分けて考えるべき」と語る。
 メーカー部門は利益率目標を明確に設定し追求する。これに対し、商事部門は「利益率は追う。ただ、商事部門の今のミッションは日立グループのグローバル化や調達に貢献すること」(久田社長)と説く。グループ会社の海外での調達支援や、海外から国外への材料調達をこれまで以上に手がけるようになる。
 久田社長は「(収益性は別にして日立本体の仕事を)増やしていかなければならない。商事部門は利益の絶対額で考えてほしいとお願いしている」と語る。そこにはグループに不可欠な企業であるという自負も見え隠れする。

久田眞佐男 プロフィール(ひさだ・まさお)

1972年(昭47)東大経卒、同年日立製作所入社。01年日立(中国)総経理、04年日立アメリカ社長、06年調達統括本部長、07年執行役常務、10年4月日立ハイテクノロジーズ執行役副社長、6月取締役兼務、11年社長。群馬県出身、1948年12月生まれ。趣味はゴルフ。座右の銘は「一期一会」。

企業データ

株式会社日立ハイテクノロジーズ

東京都港区西新橋1の24の14
03-3504-7111
事業概要:半導体製造装置、汎用分析機器、医用分析装置の製造販売および工業材、ITシステムの販売
設立:1947年
資本金:79億3848万円
売上高:6459億円(12年3月期)

掲載日:2012年6月28日

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