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闘いつづける経営者たち
株式会社NTTデータ【山下 徹】

目次

 NTTデータの稼ぎ頭である公共・金融分野のITサービス。売上高全体の約6割を占め、ITサービス各社との受注競争で優位に立つ分野だ。ただ、国や金融機関のIT投資はここ数年の抑制傾向に加え、「東日本大震災の影響もあって不透明」(山下徹社長)で、今後は大きな成長が見込みにくい。このため海外のITサービス市場に活路を求め、同分野のシステムの"輸出"に乗り出している。

アジア各国でシステム受注

ep-fight-037-9.jpg NTTデータは伊藤忠商事と共同で、インドネシアの測量地図庁から地域開発計画や天然資源の管理に利用する地図情報システム基盤の構築を約20億円で受注した。複数の政府機関が地図情報を共有するための基盤で、企業も利用できるようにする。13年5月から運用する予定。航空機の飛行経路設計システムもタイとインドネシアで受注しており、今後アジア各国の航空管制当局などに拡販することを狙う。

 また、NTTデータは東南アジア地域で日本の情報通信技術(ICT)の活用を目指す組織「日ASEAN官民協議会」に参画している。総務省幹部を含む同協議会が3月にベトナム、8月にインドネシアを訪問し、NTTデータは防災情報システムなどを売り込んだ。東南アジア各国では防災・危機管理のICTインフラ整備が共通の課題で、NTTにとって開拓する魅力は大きい。一国でこうした公共システムの導入が決まれば、各国への展開も見えてくる。

 金融分野のITサービスでは、国内の地方銀行に提供している共同利用型の基幹システムを中国で提供する検討を始めた。国内の地銀向け基幹システム市場で約3割のシェアを握る同システムで、IT投資の活発化が見込める現地の金融機関を開拓する狙い。今後は開発方法や法制度への対応に向けた準備を進める。現地のシステム構築(SI)企業との合弁会社では、すでにインターネットバンキングシステムを20-30行に提供するなど実績をあげつつある。NTTデータの屋台骨を支えてきた、公共・金融分野のITサービスのグローバル展開が加速しそうだ。

海外事業を主導

ep-fight-037-10.jpg 世界のITサービス企業トップ5入りに向けてグローバル展開を進めているNTTデータだが、その道しるべとなる中期経営計画は見直しを迫られている。修正した中計を今秋に公表する方針だったが、山下社長は「流動的な外部環境を見極める」として見送った。見直しを表明した5月時点では、「達成時期や国内と海外の売上高比率を変更することを検討する」(同)としていたが、大がかりな変更も考えられる。

 山下社長は厳しい経営環境に向き合いながら、海外事業の拡大を主導してきた。今後、米IBMなどのITの巨人たちと渡り合うためのグローバル化で実績を上げるかどうか手腕が問われる。

山下 徹 プロフィール

生年月日1947年10月9日、神奈川県出身。71年3月東京工業大学工学部卒業。71年4月日本電信電話公社(現NTT)入社、96年7月NTTデータ通信(現NTTデータ)産業システム事業本部第一産業システム事業部長。99年6月取締役、03年6月常務取締役、05年6月代表取締役副社長執行役員、07年6月代表取締役社長。

企業データ

株式会社NTTデータ

東京都江東区豊洲3-3-3
03-5546-8202
事業概要:システム構築事業
設立:1988年(昭和63年)5月23日
資本金:1425億2000万円
売上高:1兆1619億円(2011年3月期)

掲載日:2012年1月10日

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