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闘いつづける経営者たち
シチズンマシナリーミヤノ株式会社【杉本 健司】

目次

ニッチトップアライアンス

ep-fight-033-9.jpg シチズンマシナリーミヤノの杉本健司社長が好んで使う言葉に「ニッチトップアライアンス」がある。企業規模は小さくても、ある特定分野でトップレベルの技術・製品を有する企業集団のことだ。4月に合併したミヤノをはじめ、小型マシニングセンター(MC)「タッピングセンター」を手がけるブラザー工業、工具研削盤が主力の和井田製作所など、シチズンマシナリーはこれまで多層的に提携関係を築いてきた。

 アライアンスを組む相手でも、企業によって濃淡がある。ミヤノとは合併に向けた環境整備が整った結果と言える。シチズンホールディングス(HD)が07年にミヤノに資本参加した後、08年の株式公開買い付け(TOB)などで、シチズンマシナリーとミヤノとは人員交流や技術開発など提携関係は急速に成熟した。

ライバルとの協業を提携強化の一石に

 ミヤノと合併を果たしことで、今後のテーマはアライアンス関係にある他企業との関係強化に移る。例えば和井田。和井田の岩崎年男社長は元シチズンマシナリー社長でもあり、トップ同士を含め、資本関係以上に人的関係は濃厚だ。岩崎社長も「中小企業の規模では海外への販路開拓がネック。シチズンとの協業関係を拡大できる余地はまだまだある」と期待を込める。

 これまでアライアンスの関係はあったが、どちらかと言えば"疎遠"だったスター精密とも接近している。シチズンマシナリーミヤノとスター精密は中国市場向けの低価格機の開発で協業。スター精密とはシチズンHDを通じ提携関係にあるが、同じ自動旋盤が主力で競争関係にある。杉本社長は「ライバルであるスター精密との協業をある種の"一石"にしたい。同業や周辺機器メーカーなど協業の輪を広げ、一連のバリューチェーンを提供する『日本連合』を目指したい」と意気込む。

ep-fight-033-10.jpg 日本の工作機械業界は08年秋のリーマンショックで需要が急減したが、新興国市場の伸長などで10年受注額が1兆円近くまでV字回復した。11年はさらに1兆1000億円程度に伸長する模様だ。

 この1兆円市場に100社近い工作機械メーカーがひしめく。各社が技術・製品で特徴を持ち、資金繰りに行き詰まった企業などを除いて、これまで大きな業界再編が起きていなかった。

 受注環境も回復基調にあり、業況は安泰に見える。だが、これまでとは違い需要の中心は外需。成長には海外市場への手当てが欠かせない。また自動車業界が電気自動車(EV)へシフトを急ぐなど、工作機械業界を取り巻く外部環境も変化の途上にある。中堅企業の集団である工作機械業界各社が、このままの形で存続できる保証はない。

アライアンスの経験を積み上げる

 その危機感への打開策がアライアンスという訳だ。杉本社長は「仲間をつくって、選択肢が増やせれば、ポートフォリオ(事業構成)の組み替えなどができる。米国型M&Aは工作機械の世界には合わない。アライアンスの経験を積み上げていきたい」と内外に秋波を送る。

 杉本社長は「小さくても個性のある企業を組み合わせて、トータルのソリューションを生み出すことが最大の夢」と熱く語る。夢の実現に向けて歩み出している。

杉本 健司 プロフィール

1970年東京都立大(現首都大学東京)工卒、同年シチズン時計(現シチズンホールディングス)入社。00年精機事業部事業部長、01年取締役、05年常務。07年シチズンホールディングス常務、08年シチズンマシナリー(現シチズンマシナリーミヤノ)社長兼シチズンホールディングス取締役。東京都出身、63歳。

企業データ

シチズンマシナリーミヤノ株式会社

〒389-0206
長野県北佐久郡御代田町御代田4107-6
事業概要:コンピューター数値制御(CNC)旋盤の開発・製造・販売
設立:2011年4月1日
資本金:26億5125万円(シチズンホールディングス100%出資)
従業者数:800人

掲載日:2011年7月15日

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