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闘いつづける経営者たち
シチズンマシナリーミヤノ株式会社【杉本 健司】

目次

一極集中でなく世界4極でナンバーワンを

ep-fight-033-6.jpg 日本の工作機械業界を新興国需要が力強くけん引している。工作機械メーカーの業界団体、日本工作機械工業会がまとめる月次受注実績でも10年末から外需がピークを超える水準に達する。新興国市場の開拓は欠かすことができない最重要テーマだ。

 だがシチズンマシナリーミヤノの杉本健司社長は「成長市場の開拓は重要。ただ一極集中しては事業構造の変化の影響を受ける。中国・アジアに偏重せずに、世界四極でバランスを取る」と言い切る。アジア、北米、欧州、そして日本。4極各市場で成長を図りながら、4極のバランスを保ち全体を底上げする。それこそが杉本社長が想い描く「グローバルでトップを目指す」真の姿でもある。

 その世界戦略で重要な役割を担うのが丸紅だ。杉本社長が「40年近いサクセスストーリー」と語る丸紅とシチズンの提携は、1985年に丸紅とシチズンマシナリーが米国に共同出資会社、丸紅シチズンシンコム(MCC)を設立してスタートした。

商社の販売網とメーカーの技術を融合

ep-fight-033-7.jpg リーマンショックを経て、世界の工作機械需要が回復する中、両社は世界の販売体制を再構築する。米国では4月に「シンコム」「ミヤノ」に分かれていた販売会社をMCCに統合。商流を一本化することで品ぞろえやサービスを充実し、拡販につなげる。

 また、成長著しいブラジル市場ではMCCが出資する販売子会社のMCCブラジルの資本金を設立時の3倍に引き上げた。増資に合わせて、日本人社長を含む現地の販売人員を倍増。現地販売代理店などへのサービス機能を充実し、競合他社に比べ後手に回っていた市場開拓を本格化する。

 中国市場も同様だ。4月に地域統括会社を設立。それまで製造、販売など機能ごとに企業が分かれていたが、丸紅も出資する統括会社に業務を一本化することで機動的な事業運営を推進する。現地市場向け自動旋盤の低価格機「給力」の販売も、丸紅子会社の丸紅マシンツールズ(東京都中央区)が担当する。工作機械とファクトリーオートメーション(FA)技術を組み合わせて技術力の乏しい現地企業に提案する。商社の持つ販売網、エンジニアリング力とメーカーが持つ技術力の融合。競争が厳しい成長市場で、価格でない評価軸で他社に負けない競争力につなげる構えだ。

日本市場の底上げがカギ

ep-fight-033-8.jpg 世界4極市場で忘れてはいけないが日本市場だ。新興国市場の拡大や円高定着で、日本の工作機械需要の回復は足取りが重い。だが杉本社長は「日本市場は我々のルーツ」と重要性を再認識する。

 新興国に押されがちだが、日本の製造業は世界最先端の技術を持つ。日本企業のニーズに対応することは競争力の源泉だ。またシチズンマシナリーミヤノの屋台骨を支えてきた中堅・中小企業の存在も大きい。杉本社長は言う。「日本の町工場も中国に押されて、これからどうしようか悩んでいる企業も多い。顧客と一緒になって課題を解決できれば、踏ん張ってもらえる。それは自分たちにも返ってくる」。世界ナンバーワンのカギは日本の活性化が欠かせない。

杉本 健司 プロフィール

1970年東京都立大(現首都大学東京)工卒、同年シチズン時計(現シチズンホールディングス)入社。00年精機事業部事業部長、01年取締役、05年常務。07年シチズンホールディングス常務、08年シチズンマシナリー(現シチズンマシナリーミヤノ)社長兼シチズンホールディングス取締役。東京都出身、63歳。

企業データ

シチズンマシナリーミヤノ株式会社

〒389-0206
長野県北佐久郡御代田町御代田4107-6
事業概要:コンピューター数値制御(CNC)旋盤の開発・製造・販売
設立:2011年4月1日
資本金:26億5125万円(シチズンホールディングス100%出資)
従業者数:800人

掲載日:2011年7月11日

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